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事件と平和と天然

「あらあら可愛らしい女の子が二人も」

最初の言葉がそれかよ!

自分とシエルはリオルから話を聞くことにした。

「えーと、そちらの方は?」

「ああ。俺のパートナー、名前はナツキだ!」

「こんにちは二人共。ナツキっていうの。よろしくね?」

「え…えーとシエルです」

「…マコトです」

うーんふわふわしてるなこの人。優しいおねーちゃんみたいな?

まぁ案の定、ねーちゃんだから胸でかいけど。

くっ!悔しくなんかないんだからね!

「リオルが勝手に私から離れちゃったから探したのよ?」

「いや…お前から離れていったはずだぞ?」

「あら?そうなの?」

なるほど…天然か。シズクとは少し違った天然だな。

「おっと…日が暮れる前にギルドに行かないとな!」

「ギルド?」

「そうよ確か…『紫の集まり』だったかしら?」

「『紫の集い』だぞナツキ。いつになったら覚えるんだ?」

「そうだったの?…あらどうしたの二人共。そんな顔して」

「…私達もそのギルドに入ってます」

「なに!?そうなのか!」

リオルは驚いた顔をする。いや自分達も驚いたよ?

まさかの同じギルドメンバーだったのか…

「それなら、マコト案内してくれないか?ナツキはご覧の通り方向音痴なものでな。勝手に変な所に行くことがあるんだ」

「方向音痴じゃありません!ただそっちの方が近いと思うのよ」

「でも結局道に迷ったじゃないか!」

「はぁ…わかりました。案内しますリオルさん」

「おっと、さん付けはなしだ!リオルでいいぞ!」

何かと注文の多い人だな…うるさいし。

自分達はリオルとナツキを連れてギルドに帰ることになった。


「おーいミヅチー!」

「ん?どうしたマコト。やけに遅かったじゃないか」

ギルドに帰ってきたのは夕方過ぎ。辺りも暗くなってしまっていた。

なぜこんなにも遅くなってしまったのかというと…

「ミヅチさんただいまー」

「おお!ミヅチ!帰ってきたぞ!」

この人達のせいです。はい。

ミヅチは本を開いたまま固まった。

「……帰ってきてしまったか」

あれ?なんかやばかった?

「おーい…ミヅチ?」

「マコト、シエル。頼みがあるんだが」

え…頼み事?急にどうしたんだ?

「…上級解毒薬を買ってきて欲しいんだ」

「何に使うのそれ!?」

「一本じゃあ足りない。五十本買ってきてくれ」

そんなに解毒薬が必要なの!?

一体何に使うんだ…?実験?

とりあえずシエルと話し合った結果、シエルが行くことになった。

自分はリオル達と部屋で話をすることにした。

「じゃあまず…リオルとナツキはどこに行ってたの?」

「ん?俺達か?」

「確かリオル達はフィンドに行ってたんだよな?」

「そう俺達は風の街フィンドに行ってたんだ」

なにその面白そうな街!是非とも行ってみたい!

「あそこは大変よ?四六時中強風が街の外も中にも吹いていて大変だったわ」

「…強風?」

なんでだろう。男なら行くだろうけど今の自分にはいける自身がない。

「まぁそれは置いといて…そこで何してたの?」

「んー…じゃ、まず最近の出来事とかわかるか?」

「全然」

「そうか…」

なんだその残念そうな顔は!無知だよ悪いか!

「私達はそこである事件を調べてるのよ」

「事件だって?殺人事件とか?」

「いや誘拐事件の方だな」

「こいつじゃん」

「俺を指さすな!マコト!予想はしていたが!」

だってミヅチ自分を誘拐したじゃん!それだけでも立派な犯罪者よ?

「ミヅチみたいなやつじゃない。もっとタチの悪い誘拐だよ」

「まさか…人身売買とか奴隷商人?」

リオルは静かに頷く。

「マコトぐらいの年齢を中心に誘拐しているらしく、そしておそらく集団で動いている」

「その集団の居場所は?」

「まだわからないの。かなり時間をかけて調べたけど全部痕跡が消されてて…」

打つ手無しか…

「ただ集団の名前はわかったんだ。確か…」


「『ダークコンバート』だったかな」


…なにその厨二病。闇組織だからかな?

「この集団による被害は千を超える。何としても止めないといけない!」

うわぁ。リオル正義感溢れてますね。ゲームだったら完璧に勇者ポジションだね。嫌いじゃないけど好きでもない。

そう考えてたら時計塔の鐘が聞こえてきた。

「ん?ああもうこんな時間か」

外を見るともう真っ暗で月が出ていた。

リオル達の話は充分したのでここで解散した。


「はぁ…疲れた」

場所は変わって温泉です。

「全く今日は散々だったぞ…不良に絡まれるしドラゴンに苦戦するし新しい人と知り合うし…」

最近トラブルに巻き込まれることが多くなってきたような気がする。

こういうのをトラブル体質っていうのかな…?

「…にしても誘拐からの奴隷ね」

この世界にも誘拐だったり奴隷だったり悪いことをしてる人はいるのか…

まぁただただ平和な世界なんて無いけどね。

顔の半分までお湯に浸かりながら考える。

「ナツキみたいな人がたくさんいたら平和になるのになー」

「あら?呼んだかしら?」

「ぶっ…!ナツキ!?いつからいたの!?」

いつの間にか自分の横にナツキがいた。

「そうね…マコトちゃんが色んな愚痴を言ってる所かしらね」

それって最初からってことじゃないですかやだー!

ていうかなんでわからなかったんだ!?

「ふふふ…ねぇマコトちゃん?私の職業どんなのかわかる?」

「え?うーん…魔法使い系?」

「ブー。はずれ」

何なんだこの人…でも自分の気配探知に引っかからないような職業なんて…

「…まさか忍者?」

「あたり。正確にはクノイチね」

アイエエエ!?マジっすか!

でも確かにクノイチなら完全に気配遮断できるからな。わからない訳だ。

この異世界で日本じみた職業が現れるとは…

「でも…一回間違えたから罰ゲームね」

「えっ…ちょっと待って罰ゲーム?」

ナツキは自分に顔を近づいてきた。

「ふふふ…」

やばい。よくわからないけどかなりやばい!

ナツキはどんどん顔を近付けてくる。自分は思わず目を閉じる。

「ちょっとなにやってんの!?」

「…マコト」

大きな音と共にナギサとマリが入ってきた。た…助かった!

「あらナギサちゃんとマリちゃんじゃない」

「あらじゃないでしょ!何してんの!?」

「…マコト」

「ちょっとマリ!どさくさに紛れて銃を持ってこないで!怖い!怖いから!ちゃんと説明するから!」

「…弾が無くなったら聞く」

いやそれ魔導銃だよね?弾とか関係ないよね?

「うふふ…それじゃマコトちゃんまた明日」

ナツキの姿が消えていった。まさかインビジブル!?

と思ったらただ単に高く飛翔しただけだった。

流石忍者!高速移動が出来るのは便利だね!

「…ってこっち忘れてた」

「さてマコト。ゆっくりと話を聞きましょうか?いくら女同士だからといっても言葉次第で…」

「え!?死ぬんですか!?」

「…大丈夫。死にはしない」

ナツキがいなくなってしまったので自分が標的になる。二人の目が怖い!(ちなみにマリは銃を構えている)

「待って二人共!説明はするから!」

二人が収まるのにかなり時間がかかった。

でも今日は色んなことがわかったね。

人身売買の集団ダークコンバートとナツキの職業クノイチ。

あ、リオルの職業聞いてなかったな…

でも今日は本当に厄日だ!

後ろから走ってくる二人から必死に逃げながらそう強く思った。

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