表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/45

疑惑の帰還

ちょっと今までのことをおさらいしようと思う。

自分ことマコトは前の世界で死亡。しかし運良く転生した。

森の中で目覚めた自分は、転生直後盗賊に襲われるも撃退。

近くの村で何故か捕縛されるが脱出。その後変人ミヅチと会う。

ミヅチとトーエンティスで一番大きな街のセルフィアに向かう。

ミヅチはギルド『紫の集い』のギルドマスターで、メンバーのナギサ、シズク、リトと会う。

自分は半強制的にギルドに加入。その後色んな災難があったが…まぁ省略する。

何日か経つとギルドのメンバーのマリと知り合う。

そしてマリとナギサとシズクでダンジョンに向かう。

ダンジョン内の構造が変更されるというアクシデントが起きるもダンジョンを攻略。

そのことをギルド本部のリスアスに報告したら、自分は変更した容疑者として挙げられた。

その容疑を晴らすため、この世界で最強と呼ばれる漆黒の翼ギルバートと水の都エスタシスに向かう。

エスタシスにある中規模ギルド『蒼天の旅団』のメンバーと高難易度ダンジョンと言われ、未攻略のダンジョン邪神の洞窟を探索することになる。

ダンジョンでギルと自分だけでダンジョンの主デュラハンと戦う羽目になり、ピンチになるも自分の妹、シエルが助けてくれる。

ダンジョン攻略後、シエルから自分は半ルフォーク族でシエルは

自分の妹だとわかる。

そして自分達の故郷は何者かの手によって消されていた。

本来の目的であった壊されたクリスタルの結晶の報告。

そしてその壊されたクリスタルは、ダンジョンの構造変更の件と関係があると考える。

もしかしたら今、この世界にはとんでもないことが迫っているかもしれない。

そのためにも自分は突き止めないと行けない。

犯人とこの世界の本当の意味を。

「…さっきから何言ってるの?マコトちゃん」

「ふぇっ!?もしかして声に出てた!?」

「はい。結構前から」

は…恥ずかしい!

ちなみに現在自分達は馬車でエスタシスに帰還中である。

「だがマコトがいった事には同意見だ。犯人を突き止めないと恐らくとんでもないことが起きるだろう」

「確かにね…シエルちゃんが言ってた壊されたクリスタルと関係があるのなら…犯人は一体何が目的なのかしら?」

「世界中のクリスタルを壊すとか…?」

「確かに一理ありますが…それでは何百万のクリスタルを壊すことになります。それを一人や団体でやっても不可能かと」

そうだよね。じゃあもっと何かを変える為とか…?

「わからないことを上げても意味が無いだろう?今は気にすることはないさ」

テトが他人事のように話す。

「テトは緊張感が無いからそう言えるのよ?」

「緊張感はあるさ。と言っても稀にだけどね…いて」

「稀じゃあ駄目でしょ」

自分は手に入れた杖でテトを叩く。

自分が装備しているこの杖は『暁の宝杖』という名だ。

宝珠をはめ込んだ時、少し名前が変わったが性能は変わらなかったので、大丈夫だろう。

でもやっぱり妖術師だろうが魔術師だろうが職業武器は杖確定なのね。ちょっと残念。

「でも…伝説のルフォーク族の姉妹と一緒にダンジョンを攻略できたなんて感激よね」

「…それは褒めてるの?」

カナメは頷く。うーん…いまいち腑に落ちない。

やっぱり自分が半分ルフォーク族だって感覚がない。

だってこれといったルフォーク族要素が無いもの。

「そうだシエル。あなたのレベルは?」

「私のレベルですか?」

今まで聞いてなかった。あれだけ強い魔法や知識を持ってるから多分結構高いはずだけど…

「……142ですね」

はい自分の時代終了。

同じ馬車に乗っていた全員が固まった。

「って高すぎだろ!」

「ひゃ…142!?ギルバート君を超えてるじゃない!」

「…本当かシエル?」

「はい。私のレベルは142ですが何か?」

なんて妹や…恐るべし!

「自分いらなくね?」

「そ…そんなこと無いわよ!マコトには魔法があるじゃない!」

だよね!自分には魔法が沢山使えるもんね!

「はぁ…」

落ち込んだ。まさか妹に抜かされてるなんて。しかもかなりの差で抜かされてるし。

「大丈夫です姉様。こんなレベル簡単に抜かされますから」

「…それはどこを見て言っているシエルよ?」

メ○ルスラ○ム一万匹倒したって無理だわ!

「お…?みんなエスタシスが見えてきたぞー」

テトが窓を見ながら叫ぶ。

カナメ達とはエスタシスの門前で別れることになった。

「じゃあ貴方達三人はこのままセルフィアに?」

「そうだね。時間も惜しいし」

「また来たまえギルバート君!マコト君!シエル君!私達はいつでも歓迎しよう!」

「はい。その時はよろしくお願いしますねベルイールさん」

「道中気をつけてー」

「ああ、ありがとうなテト」

ダンジョンを共に攻略した仲だから別れるのは少し辛いけど…

「大丈夫ですよ姉様。また行きましょうエスタシスに」

「そうだね」

今度は依頼とかじゃなくて遊びに行きたいね。

自分達三人は馬車に揺らされながらセルフィアに向かう。

「そういえば確かここら辺じゃなかったっけ?」

「景色が見れる所か?…確かにここら辺だったな」

「でもそんな時間はありませんよ?馬車が故障すれば話は別になりますが━━」

「おおっ!?」

突然馬車が大きく揺れた。これはまさか…

「すみません…ちょっと馬車が故障してしまいました…」

「…わざとじゃないよね?」

不自然なくらいナイスタイミングで故障するなこの馬車。

「…仕方ない。直るまで時間がかかるだろうから見てこい」

「わーい。行こシエル!」

「わかりました行きましょう」

あれ?抵抗とかしないのね。もしかして気になってたとか?

自分とシエルは景色を見渡せる場所へ向かった。

「確かここら辺だったはずだけど…あ、あそこかな?」

「…姉様。誰かいますよ?」

シエルに指摘されて見てみると確かに岩の上に誰か人がいる。

「おや?こんにちはお嬢さん達」

な…なんだこの人。どうやら男の様だが…服装は黒いフード付きローブで髪は青色。目が糸目で正直かなり怪しい。

「もしかしておふたりはここの景色を見に来たんですか?いやぁ…ここの景色は素晴らしいですね。空気も美味しい」

「………」

「おや?どうしました?…ああ申し訳ない。私の名はジャックといいます。以後お見知り置きを」

「あ…ご丁寧にどうも。マコトです」

「シエルです…ジャックさんは一体ここで何を?」

ちょっとシエル!?突然何を!?

「…?いえただ景色を見に来ただけですが?」

「そうですか…」

「それではマコトさんとシエルさん。会うときはまた」

ジャックは手を振りながら自分達が歩いてきた道を戻っていった。

不審に思ったけどあまり気にしないことにした。

自分とシエルは岩の上に登り、景色を見る。

今は昼だがいつ見てもすごい景色だ。

「……姉様」

「ん?何?」

「あのジャックという男…なにか感じませんでしたか?」

「んー…まぁなんか怪しい感じはしたけど」

「そう…ですよね」

なんかシエルの様子がおかしいな。どうしたんだろう?

「あの男から邪悪な魔力を感じました…もしかしたらあの男が」

「…シエル?流石にそれは考えすぎじゃない?確かに疑心暗鬼になるような人だったけど言い過ぎだよ」

「そう…ですか」

確かに怪しいからもしかしてあの人が犯人かもっていうのはあるかもしれない。疑い続けて疑心暗鬼になるのなら気にしない方がいいよね。

「さてと…そろそろ修理終わったはずだから戻ろ?」

「そうですね。ここの景色はいい景色でした」

どうやらシエルもここが気に入ったらしいね。

馬車に戻ると修理は終わっていたのですぐに出発した。


「お。見えてきたぞ」

自分は馬車の窓を開けて見るとセルフィアの外壁が見えた。

「なんかこうして見るとミヅチに誘拐された時を思い出すな」

「…誘拐?姉様は誘拐されたんですか?」

「あー…気にするな」

説明するのは面倒だしね。流すのが先決だろう。

セルフィアの門を抜けても馬車は止まらない。

「このまま本部に直行するぞ」

「え?…ああそっか。漆黒の翼様の隣に女の子二人もいたら変な噂が広がるからですね?」

「うむ。分かってるじゃないか」

漆黒の翼ギルバートはロリコンだった…的な噂が広がるのも見てみたいけど、流石にかわいそうだ。

「そういえばシエル。報告が終わったらその後どうするの?」

「…考えてませんでした」

「だったらマコトのギルドに入ればいいんじゃないか?」

なるほど確かにそれは名案だ。

「いいんですか?」

「大丈夫だと思うよ?ミヅチは変人だけどいい奴だし」

馬車が本部前で止まり、自分達は馬車から降りた。

「さてと…まずは第一歩からだ」

本来の目的だったクリスタルの件を報告して、犯人を探そう。

それは恐らく自分達の故郷の手がかりにもなるかもしれないから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ