4話 少女の秘密
第6地区の某所にあるファミレスで俺は隻腕野郎もとい白臥(自分で言っていた。ちなみに読み方は『はくが』だ)と向かい合う形で座っていた。
「それで話ってなんだ?」
「ああ、てめぇが逃がした女についてだ」
やっぱりか。
だが、この白臥って野郎の気配はアンドロイドコレクターのようなオタクの様なものではない。
むしろこれは、親父の同僚である科学者によく見られた、復讐者の気配だ。
「あいつは、ナノドライブっつーのを持ってんだが、こいつはアルビノの形式をtypeBに変えてくれんだ」
「typeB?」
「は?もしかして知らねぇの?」
「ああ、そんな事親父から教えてもらってないな」
「そうか」
白臥は、少し考えると、話始めた。
「じゃあ、人類がなんでこの『ノアの方舟』を作ってまで陸から逃れたのかは知ってるよなぁ?」
「当たり前だ。そんな事は幼稚園生に聞いたって知ってる、ていうだろ」
「まあ、そうだな奴ら…クリ―チャ―から逃れるためにって訳だがよぉ、お前は、元が一体何なのか知ってるか?」
「どこにでもいる様な犬猫とか人とかの生物全般のだろ」
「ああ、そんでもって、地上にいるクリ―チャ―がその生物達の突然変異種な訳なんだが、こいつ等は、学者内ではtypeAって呼ばれたんだよ」
「ん?じゃあお前がさっき言ってたtypeBって一体何だ?」
「そこが本題だ。まず最初にtypeAの場合は凶暴性が増して大小あるが身体能力が上昇するのが特徴だが、typeBは理性が残ったまま身体能力が上がる。」
「それってつまり…」
「ああ、お前が思ってる通り、こいつぁクリ―チャ―殲滅への特効薬になるかもしれねぇ」