2話 逃亡少女
路菟が学校に行く少し前の頃、ビル群の中で水色のロングヘアーの少女が逃げていた。
「そっちへ行ったぞ」
「とまれぇ!」
少女が、20mある一本道の10mの所に差し掛かった時黒服の男が二人道をふさぐように現れるなり、手に持っているハンドガンを発砲したが全て避けられた。
「化け物が!」
「あ、当たれぇ!」
男達は狂った様に少女に発砲してったが少女は表情を一つも変えずに避けながら距離を詰めていった。
「くそぉ!」
一人の男が銃器では当たらないと判断したのか腰からナイフを取り出して接近して切りつけた。
「邪魔」
「ぐふぉあ」
少女は一言うと目にも止まらぬ速さで男に拳を叩き込みもう一人の方へと文字通り吹き飛ばしたてもう一人の男を道連れにした。
「障害の排除を確認。逃走を再開」
少女がその場から逃げようとした時だった。
「え?」
ばきっという何かが折れる音が少女からすると、少女の体が鉄の棒で体ごと縫い付けられていた。
「ようやく捉えた」
そこに現れたのは、さっきでてきた黒服と同じ服をきて腰に刀を下げた隻腕の白髪少年だった。
少年は、さっきの黒服二人組と同じ黒服で黒一色の刀を持っていた。
「おっと、動くんじゃねぇぞ。お前を縫い付けてるそいつは、抵抗するほどダメージを負わせるように出来てるからなぁ、俺も上の奴らもお前の事は、どうでもいいがお前が持ってる『アレ』を上の奴は、欲しみたいだし、俺自身も興味があるからなぁ。だからよぉ寄越せ」
「断る」
「そーかい。だったら死んどけ!」
隻腕の少年が、三日月の様に口をゆがめながら手に持っていた刀を鞘から抜き振り下ろした。