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幸せは夢うつつの匂い

作者:

ふと、書きたくなって

書いてみました。

繋いでいた手から香る

彼の匂い。

香水とかじゃなくて。

彼の匂い。

たぶん洗剤の匂い。




 

いまでも繋いでた手が熱くて。

鼻を近づけるとふわっとくすぐる。

彼の匂い。

思い返しては一人微笑んで。

風を受けてこわばる頬を赤く染める。

目を閉じれば今でも彼の温もりが私を包む。





「何考えてんだよ。」

って。

私がはにかんで笑うたび顔を覗き込んで。

「別に。何でもないよっ。」

って答えると

「嘘。絶対なんか思ってるだろ。」

って、恋人つなぎしてた手に力を入れてくる。

つないでた手が締め付けられて少し痛い。

その痛みが想い続けていた彼の彼女になれたことを証明してる様で、

少し嬉しかったりする。

彼が手を緩めて優しく私の手を握りなおす。

彼と目があって。

彼の唇は少し湿ってて。

かさついた私の唇にそっと当たる。

そっと触れるだけの彼のキスが好き。

「好きだよ」

って言われてるみたいで。

私が恥ずかしがって下を向くと

優しく抱きしめてくれる。

彼の優しさに甘えて・・・。

私は大切なことを忘れていた。

容姿としてはあまり目立たない彼。

だけど・・・。

優しく、温和な性格は皆に好かれる。

彼とサヨナラを交わすたび・・・。

悲しくなる。

バイバイなんて聞きたくない・・・。

その言葉が合図のように彼が何処かに行ってしまいそうな気がする・・・。

もっと一緒にいてほしい・・・。

握った手を放したくない・・・。

彼の・・・

匂いに包まれていたい・・・。

でも、彼はそんな私の不安を風のごとくふわっと浚っていく。

帰り際、必ずこう言ってくれる。

「愛してる。」

この一言は私の中に深く染み込んで、しっくりと馴染む。





家までの帰り道、自転車を漕ぐ足に力が入る。

坂道を意地でも押さずに乗ったまま超える。

過ぎ行く家々を視界の端に捕らえながら、私は彼を想う。





坂を越えた私を待っていたのは

眩しいくらいの紅色に染まった街並みだった。

自転車から降りて、しばらく沈む太陽と紅く染まる街を見つめた。

息が切れて視界が微かに上下する。

片手を太陽にかざしてみた。

その手も真っ赤で・・・。


そのうち金色の線を一筋残して、太陽は沈んだ。





風が吹いた。

彼の匂いがした。





私は今日もベッドに入り幸せをかみ締める。

窓からのぞく月は私を見ていた。

夢うつつなこの時間、私は彼の匂いに包まれて・・・

深い深い眠りに落ちていく。



どうでしたか?

多少はしょりましたがこんな感じです。

ご感想など、頂ければ嬉しいです。

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