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「ダメ人間」

作者: 茶川龍介
掲載日:2025/12/28

敬具

「ダメ人間」


ワタクシと云う物はダメ人間でしてね

其れを或る方に言われるまでちっとも気付きやしませんでしたよ

其れも含めてダメ人間なのでしょうね


或る日の一〇時前後の頃に

目が覚めましてね

まだ五、六時間しか眠っていないのに

ぱっちりと目が開いたんですよ


其れで暇だなぁ寝なきゃなぁと思って暫く布団に篭っていたところ

嗚呼もう仕方がない

起きよう、起きて卵かけ御飯でも食べようと

台所に行って、一つ置いてある甘蕉でも食べながら

御米が温まるのを待っていようと

そう決めてから九分後


御米が温まり終わって

さあ卵かけ御飯を食おう食おうと

ポケツトに入れて温めておいた

(全くの冷たいままだったが)

卵を片手で割り

真ん中に行くよう後から箸で

御米を端の方に追いやりそして

真ん中に卵が入ったのです


よしでは食おうとした其の時に

おい待て味付けが未だだぞと

思い止まったのです

調味料が置いて或る棚へと向い

其処から御塩を取り上げて

御塩を手に入れたら

嗚呼ちょっと手に入れ過ぎたなと

思いながら

卵かけ御飯に少しだけ

振り掛けたんですよ


そして余った御塩を瓶に戻そうと

流し台に行って瓶の上から御塩を

振り掛けたんですよ

そしたら全然思った通りで

中々綺麗に戻らずで

自棄(やけ)になって適当に入れ戻し

さあやっと食えるぞと

卵の黄身を割りそして

味がアンヴァランスになるよう

浅く混ぜて頂きますと云い

口に入れ込んだんですよ

そしたら味が薄くてですね


嗚呼しまった、やってしまった

御米の農家や、卵の飼育員や

御塩を作る人や

その世界、地球、自然様に

なんて失礼な事をと

後から悔やんで

其のまま卵かけ御飯を

口に掘り込んでは呑み

放り込んでは呑みを繰り返して

最後にご馳走様でしたと云い


流し台に箸と茶碗を入れて水で満たし

其のままそそくさと布団に戻り込んだんですよ

そうして暫く経ってから、ワタクシは漸く気づいたのです

嗚呼、薬を呑むのを忘れてしまったと

急いで時間を確認し

二十分以上経っているし

流石に今呑むのはなぁと思い

杓文字で御飯を掬い、其処から箸で

御飯を無理にでも食べ飲み込みました

そして水で口を洗い

薬を見事呑みました


嗚呼

矢張りワタクシはダメ人間ですね

其の日ワタクシは風邪なんだと

云い忘れてしまいました

申し訳ございませんでした


御勝手ながら話を戻させて頂きますと

其処から暫くして

ワタクシは眠りに付き

再び目が覚めたのは午後の五時頃でした

ケホケホと咳込みながら

向ったのは、今は亡き父の書斎で

長男だからと云う理由で半ば強引に譲り受けられました

今日と云う日の出来事を此処で日頃から書いているのです

誰にも見せる予定や義務はないのに

誰かに語る様な喋り方をしてしまいます


こうしてワタクシと云うダメ人間は

完成するのですと

ワタクシ自身に云い聞かせるんです

理由もなく、意味もなく

蔑まれて、落ちぶれてると

其処ら中から

そう云う声が聞こえてくるのです

誰も救ってはくれないと

分かっているのにどうして期待するのだと

叱られているのです

嗚呼、どうしてでしょうか

いつも最後にはこうして

自分を否とする言葉が溢れ出てくるのでしょうか

ワタクシはただ平凡な和気を送っている物の様な日記を書きたいだけなのに

どうしていつもワタクシだけが

どうしていつもワタクシばかりが

どうしていつもワタクシは

嗚呼

どうしてワタクシはダメ人間なのでしょうね。

拝啓

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