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フルタイム勤務が苦しい正社員のつぶやき

作者: 逢坂巡

私はとある法律系の事務所で事務員をしている。

朝は9時半から、夕方の18時まで。

月曜日から金曜日までフルタイムで働いている。


毎日、毎日。

朝、起きられない。

つまり夜型なのだ。

夜はとても調子がいいが、朝はとにかく気持ちが沈んでいる。

仕事がしたくない。

仕事に行きたくない。

そんな気持ちでベッドから起きられないこともある。

みんなができていることが私にはできない。

リモートワークならば出社する必要がないので、まだ気持ち的にも違うのだが。


私には気分障害がある。

夏は元気なのだが、冬は動けなくなる。

世の中で一般的とされている、定時に行って帰って来るスタイルがもう私とは根本的に合わない。

働けない。それが私。

なんとか一週間を終えている。

仕事に行けていない日があるから、乗り越えられていないこともある。

夜に向かってどんどん頭がクリアになるから、午後は元気だったりする。

昼から夜の事務の仕事があれば私向きだろう。

それでも毎日出勤するのは大変かもしれないが。


コロナが落ち着いてきてから、

世の中は再びリモートワークを減らし、オフィスに出社させるスタイルに戻ってきている。

海外では、Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftといった世界的なIT企業が次々とオフィス勤務の回帰を進めることで注目を集めているのだ。

日本の会社もどんどんリモートワークを減らしている。

そんなだから、私のような人間は再び生きづらくなる。

またか。

働きたいけど、社会の仕組みが自分に合っていないのだと思い知らされる。

なにか工夫でもしなければ、私はこの世界で働くことなどできない。


はーあ。

小説家ならば自分の調子の良いときに書いて、調子が悪いときは休めるのになあ。

そういう自由があれば、私みたいな障害があっても自分のペースで働けるのに。

別に私は働きたくないわけじゃない。

お金だって必要だ。欲しい。

働きたいけど、この世の中で必要とされているのは、気分障害がない健常者であって、朝方の人間しか必要とされていないのがフルタイムの勤務形態である。

夜型の人間、辛いね。

冬は著しく働けなくなる気分障害、辛いよ。


週3日働いて勤務日数を減らして休日を増やすか。

ハイブリット勤務で在宅ワークが少しでもできる仕事を探すか。

普通に働けないこの体が憎らしい。

みんなみたいに、普通に働いて、ボーナスを貰って。

そんなことが…できない。


朝起きられない。夜に元気になる。

毎日出社できない。遅刻したり休んだりする。

夏は元気で冬は抑うつ。

そんな私みたいな人間がそれでも飢え死にしなくて済むこの世の中には感謝である。


吹っ切れよう。

日本は素晴らしいのだから。

この日本という素晴らしい国には生活保護がある。

障害年金だってある。

就労継続支援の事業所だってある。

障害者であれど、なんとかぎりぎり生きていける。


高みを目指さず、ほどほどでいい。

休日はこれ以上ないくらい幸せを感じているのだから。

私は幸せものだ。

日本はなんだかんだ福祉国家である。

障害者への支援をそこそこ頑張っている国である。

あとはこの調子で夜型人間が働きやすい遅めのシフトで回している勤務形態があればいいのだが。


働きたい。でも働けない。

それでも私は幸せである。

私なりの「仕事」を通じて、世の中に還元できるものがあればこれ以上の幸せはないだろう。


大丈夫。

どんな人でも幸せになれると私は心の底から信じている。

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