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第二話 エレキヴァイオリン

第二話 エレキヴァイオリン

 隆は早速、押入れから、エレキヴァイオリンを引っ張り出した。

 ギターと違ってヴァイオリンは毎日練習しないと弾けない。ギターは、なんなら、5年くらい弾かなくても弾けるが、ヴァイオリンは、一週間弾かないと、もう弾けなくなる。理由はわからん。

 実は、隆はもう一年くらいは弾いてなかった。フレットがあるか無いかで、違うのかも知れない。

 隆のエレキヴァイオリンには、初心者用のフレットに見立てたシールの後がある。

 隆は、アコースティックのヴァイオリンからでなく、アメリカ製のエレキヴァイオリンから入ったのだ。

 エレキヴァイオリンは、六万円くらいだったが、じーちゃんが買ってくれたのだ。

 その後、ハンガリー製のヴァイオリンを買う事になるが、バイトと、お年玉と、じーちゃんと、親に出して貰って買った。

 ハンガリー製はそれほど有名ではないので、四十万くらいで安いが、モノはスーパー上等だった。100年経てば、7、8倍の値段になるだろう。ボウはドイツ製の三十万くらいだった。そのアコースティックのヴァイオリンも一緒に、学校に持って行く事にした。バムと言うお気に入りのケースに入っている。これは軽くて、カッコいいのだ。

 次の日、授業が終わり、敦美を連れて部室に行った。

 敦美は、エレキヴァイオリンが珍しかったのか、早速弾きたいと言い出した。

 部員は、隆がヴァイオリンを持っているのにも驚いているが、弾ける女の子を連れて来たのは、もっとびっくりしていた。

 部員が、「早速弾いてよ」と言うと、ちゃらら〜♪ちゃららら〜とツィゴイネルワイゼンを弾きだした時に、「ちょっと待って色々エフェクトかけるわ」と、色々エフェクトいじっていると、急に、24のカプリースを弾き出した。

「おいおい、吉本新喜劇のギャクからの〜ぉ〜パガニーニかよ、笑笑、やる気満々やん」と言うと、周りも、

「お〜、スティーブバイかよ」と言い出した。超絶技巧だった。

「かっけぇ〜」と、みんな時間が停止していた。

「おい、隆、おまえもなんか弾けんのか」と言うと

 隆は、「阿保、俺は素人だよ」と定番の『愛の挨拶』をアコースティックのヴァイオリンで弾くと、Bメロからツインヴァイオリンで、敦美がハモらせて来た。

 マーシャルのアンプから鳴り出すエレキヴァイオリンの音と、ヴォーカルマイクからの隆のアコースティックのヴァイオリンは綺麗にハモリ出した。

「かっけぇ〜、ヴァイオリンいーなぁ〜敦美ちゃん、入部決定!!」と賑やかしの田中が言った。笑笑

「じゃあ、敦美ちゃん、入部決定でいいな!!」と隆が言うと、

「乙系〜」と皆んな親指を立てた。

皆んな一気にええ感じに笑い出した。



 続く〜

 

 

 

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