表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7つ星  作者: 水嶋
10/14

依頼

荒木さんはやっぱり顔が怖いみたいですね。

「この度はお問合せ有難うございます。詳しくお話し聞かせて頂きたいので此方の事務所にお越し頂けますか?」


直ぐに返信が来た。


明日は土曜日…仕事も隔週土曜日が休みの会社なんで丁度良かった。


「では明日伺わせて頂きます」


俺も直ぐに返信した。




「私は荒木探偵事務所の荒木と申します。」


「俺は田村勇気と申します。」


「では早速お話しを聞かせて頂けますか?」



受付の女の子からここに通されて対面したこの荒木さんと言う人…


顔が怖すぎて始めヤクザか何かに騙されたのかと思ったが、話すとちゃんとしている…


これ迄の経緯を話した。



「成る程…自己啓発セミナーなんかの詐欺は昔からありますからね…若い子は引っかかりやすいです。昔はカルト集団の入信の入り口が多かったですが、今はこう言った金銭の為の手口が多いかも知れません。」


「その先生とか言う人も所詮は詐欺師です。人の掌握術には長けていますので、純粋な子は簡単に騙されると思います。あとは意外に高学歴の人とか。ずっと勉強してきた様な人は真面目なんで一旦信じると盲信的になりやすいです。昔世間を騒がせたオーム事件なんかは典型ですね」


「成る程…」


「動画を撮影されてしまうとズルズルと脅されて金蔓にされてしまうでしょう。バックは今は大体反社になるかもです」


怖っ


「恐らく佳奈さんに最初に近付いた先輩と言う人はターゲットを見つける為に送り込まれてますね。夢や希望を持って働く子が多い職場は選び易かったかも知れません」


たまたま佳奈ちゃんが…

あんな良い子を…

許せない…



「私は元刑事です。事件として告訴したいなら刑事の知り合いも居ますので協力出来ますが…」


「そうなんですか!それは頼もしいです!でも…そうすれば…この動画が更に人目に晒されますよね…勿論事件は解決したいです!でも…佳奈ちゃんが死ぬまで追い詰められたこの動画をこれ以上晒されたく無いのが本心です…」


「成る程…」



「多分だけどさ?」


後ろで黙って聞いていた若い男が喋った。


「被害はその動画だけじゃ無いと思うんだよね。依頼者は田村さんだし…田村さんの依頼を遂行するなら、他の被害動画で警察に提出しない?どの道捜査になったら関連動画は全部調べられるだろうし。」


「成る程…ちょっと卑怯かもだけど…ありがたいです」


「俺ならその佳奈さんの動画アップされてる物なら完全に抹消出来るけど。ただ、既に誰かに勝手に保存されてるPC内の物は持ち主が分からないと消せない。でも、その動画をネットにアップしたら自動追尾でウィルス送ってそいつのPCクラッシュなら出来るかも」


「分かりました。それでお願いします」


「まあ一度ネットに上げられるとそれが限界なっちゃうんだよな。デジタルタトゥーって奴だよね。元の動画に最初から仕込めれば良いんだけどね。その前に最初の触りの部分で良いから男達の顔のモザイク外したいから見せてもらって良い?」


「はい。」


何かまだ学生に見えるけど…なんか凄いな。

大丈夫かな?とりあえず任せてみよう。



「この動画の件は梟介くんに任せるとして…その佳奈さんのスマホの消された他のやり取りが気になります。多分手掛かりがあった筈ですが…佳奈さんが誰にも知られたく無くて消してしまった可能性が高いです。こう言うのって復旧出来るの?梟介くん」


「うーん、実物見てみないと分からないかな。持って来れます?」


「佳奈ちゃんのお母さんに聞いてみます。まだ手元にスマホ残してるかも分からないですが…」


「ではすみませんが、そのお母さんにも連絡お願いします。」


「分かりました。ただ…」


「?」


「佳奈ちゃんのお母さんには…動画の事は黙っててもらえませんか?これ以上傷つけたくないんです…」


「分かりました。」


「それでは、またご連絡致します。」


「はい。お待ちしております」





早速佳奈ちゃんのお母さんに連絡をした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ