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ラウンド46 ルルア一の熱々夫婦




「―――ああ。アルったら、やっとノアのプロポーズにオッケー出したんだ。二年って、結構長かったなぁ……」





 突然かかってきた、ケンゼルからの通話。

 ちょうどレポートを作っていてパソコンを開いていたので、その通話を許可。



 ディスプレイが切り替わった先に、ケンゼルだけじゃなくてオークスまでいたのにはちょっとびっくりした。



 そして、慌てた二人からとある事件の話を聞き、開口一番にキリハが告げた言葉がこれであった。



「キリハ! お前さん、どうしてこのことを黙っとったんじゃ!? おじいちゃんは悲しいぞ!?」



「え、だって…。アルが、頃合いを見て自分で報告するから、俺は勉強に集中していいよって……」



「う、うむ…っ」



「それにまさか、二年もセレニアで秘密にしてるとは思わなかったよ。そっちで、旦那さんって言葉に反応したりしなかったの?」



「むしろ、ルルアでは反応するのか!?」



「するする。こっちの研究所でなんか、旦那さん=アルのことだもん。〝旦那さーん、奥さんから呼び出しー♪〟ってな感じで。」



「待て! 御殿どころか、研究所でも事実婚扱いなのか!?」



「うん。っていうか、研究所こそがルルア(いち)の熱々夫婦が誕生した現場なんだけど。うーん……アルは、二人に何をどこまで話したの?」



「それが聞いとくれ!」



「あのガキ、曖昧(あいまい)に流すだけで、これといった情報をちっとも話さんのだ!!」



「あはは…。それで俺に電話してきたんだね……」



 困った笑顔で頬を掻いたキリハは、二人の要求を察して語り始める。



「二年前、俺がアルに頼んでルルアに来てもらったじゃん? あの時にノアが、ずっとアルが好きだったことに気付いたみたいなんだ。そしたら翌日、みんなの前で突然アルにキスしちゃってさ。」



「おや…?」

「そのくだり、知ってるな。」



「うん。俺の時と一緒。」



 今思い出すと、面白くて笑えてくる話だ。

 キリハは小さな笑い声を零しながら続ける。



「まあ、それから色々とぶつかり合ったみたいだけど、二ヶ月くらい経った頃にはもうラブラブになってたよ? 旦那さんって呼ばれ始めたのも、その時から。」



「何故、その時点で旦那呼び……」



「ケンゼルじいちゃん、ルルアで定番の誕生木のネックレスの逸話って知ってる?」



「ああ、知っとる。」



「ちゃんと付き合うってなった翌日には、金色の鎖と白い宝石のチェーンでできたネックレスを身につけてたの。」



「おおーい! それは―――」



「そ。実質あの時の時点で、プロポーズは了承済みだったってわけ。研究所の人たちも、〝なんで結婚しないの?〟って悶絶してたくらい。一ヶ月に一度しか会えないから、二人ともある意味開き直っちゃってて、研究所ではキスやハグなんて日常茶飯事だよ。」



「………」



「あれ? ケンゼルじいちゃん? オークスさん?」



「すまん……こう……」



「そんなアルシードが、全然想像できん……」



 頭を抱える二人。

 キリハはその心境を察し、うんうんと頷く。



「そうだよねぇ~。アルにかなり甘くしてもらってる俺でも、あのノアへの態度にはびっくりしちゃったもん。……でも、あれが本当のアルなのかもしれないね。」



 二年の間、近くでジョーとノアを見てきたキリハはそう語る―――



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