とあるエトルミシア帝国前線国境守備兵は語る(2)
配属された俺が、軍隊の図書館や先輩たちから色々学んだ後に知った話になるが。
エトルミシア帝国と北の国境を接する。神聖エレボベという名前の王国は、非常に特殊な国だった。
その国土面積は帝国と比べても遥かに小さいが、宗教的な意味でこの世界の人にとっては特別な国らしい。
神の使徒が居座る場所と呼ばれる神聖エレボベ王国は、帝国側の記録を読む限り千年他国と戦争したことがない。帝国にとっても由緒ある友好国である。
しかし、近代になって、神聖エレボベ王国周辺の国が不穏な動きを見せることが多くなった。
本土防衛の視点から、神聖エレボベ王国が急に占領される事態に備えて、神聖エレボベ王国の周辺国に対抗できるだけの守備部隊は配置されるそうだ。
俺はとりあえず、5年ほど、訓練だけの軍隊生活をここで送ることになった。
初めて、守備部隊に緊張が走ったのは、俺が20歳になる夏だった。
神聖エレボベ王国とその周辺国が、突然さらに東にあるハルフアール帝国と合併し、新たにスカベラブ連邦と名乗るようになった。
このことを受け、帝国は一部の海外派兵を戻し、さらに北の国境防衛を固めた。俺はこの頃からずっと、嫌な予感が止まらなくなった。
スカベラブ連邦の成立が宣言されてから、3年間は特に異変はなかった
しかし、いよいよ俺の嫌な予感が当たる日がやってきた。
今日は、深夜になってから、緊急ベルの音が止まらなかった。
やつらが、いよいよ大規模な作戦行動を起こした。
俺は早速命令に従って、塹壕で待機することになったが、ふっと思った。
この8年、軍歴ばかり重ねてきたが、実戦経験はない。
しかし、俺は怖くなかった。転生した時にもらった異能は、この8年間、ずっと色んな方法使ってテストを繰り返してきた。
どんな手法が使われようと、俺に銃弾や砲弾の爆発が及ぶことがないということは分かる。
しかし、この8年、ずっと共に生活してきた仲間たちが今夜で死ぬかもしれないと思うと、悔しい涙が自然と流れ出る。
急に、上の空が明るくなった。俺が頭を上げて、明るさの先を眺めると。
そこには、千、万、いや、数えきれない小さな光が、夜空を白昼かのように照らした。
『これは…』
小さな光が、段々俺の目の前で大きくなる。
『ふぁ…』
この世界に生まれて23年、前世の記憶は段々薄くなるこの頃、しかし、これは日本の高校生だった人間なら、だれでも見間違えないだろう。
『火球魔術!!!?????』
体を焼かれる痛みは一瞬だった。そして、俺の目の前に、また、あの時と同じ白い光が浮かんできた。
この年、連邦軍の『新兵器』の情報を事前に得られぬまま。
強襲攻撃受けた帝国本土防衛部隊は情報の混乱抱えながら撤退するも、その数約7割以上と国土3割の犠牲を払うこととなった。
次から頑張って、アンナちゃんの話書きたいと思います。
一部タイトルと設定を変更するかもしれません。




