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転生と少女と魔法技術と戦争  作者: 紫と雪と狐
ファイアボール
11/12

転生王女は父とニコニコし合う

妾は、転生したのじゃん




そう、「妾」じゃん。前世の記憶、魔力はそのまま引き取ったじゃが…如何せんこの体に精神を引っ張られてのう…




神の彼奴、果たして、この妾に何をさせるつもりじゃろう。こんな幼女とすらいえぬ体で、妾にできることは精々乳飲んで寝るだけじゃが。






【よしよし~、姫様、今日のご飯でちゅよ~】


【ばぶぅ、ばあ、ばああ】






こやつの名前はマリアンヌという。妾が生まれてからずっと、妾の世話を1人でしてきたメイドだ。中々の美人で、何よりマリアンヌの「ご飯」は「容器」の形が優秀なお陰で中々食べやすいようじゃ。






【姫様ったら~もうこんなにおてて大きくなって~このマリアンヌ、嬉れちゅうございまちゅう】






幼児言葉交じりだが、やたらと妾に話しかけてくる。そのおかげ、生後3か月の妾もうしっかりこの国の言葉に馴染むことができたのじゃ。




何を隠そう。妾にはもう一つ前世、地球という星に生まれた記憶がある。あの頃の妾は数学とか物理の研究をやっていた訳じゃが。言葉というのものは研究にすごい大事なものじゃん。妾は今までもう合わせて24ヵ国の言葉をマスターしておるじゃが。




この世界にもまた色々新しい国があるじゃろ。




魔導の深淵を更に覗くために、妾が覚えるべきことまだ沢山あるということじゃ。






【姫様もうこんなに大きくなられたのに、どうして陛下が…、ああ…もうせっかく姫様がこんなに可愛く育ってらしゃるのに…勿体ない!本当におバカさんでちゅよね~、ね~】






一回も面会に来たことのない。妾の父の悪口ばっかり言うやつじゃが、たまには妾が気になることも教えてくれるのじゃ。






【陛下ってほんとー、変な方でちゅよね。王様なのに、数学者で魔法学者?マリアンヌにもよく分かりませんが~王様の仕事、全然しないらしいんでちゅよね。姫様はああなっちゃダメでちゅからね~】






どうやら、この国の王は君主としてはともかくじゃが、学者としてはなかなか熱心の人じゃのう。研究に熱意を抱くやつは、大抵愉快なやつばかりじゃ。なかなか会うのが楽しみじゃのう。






【うふふふ~今日も沢山出てましゅね~このマリアンヌ、将来女王になる姫様のお世話が出来て幸せ者でちゅよ~~】






妾は、まだこの体上手くコントロール出来ておらん。興奮しすぎるとこやつの仕事が増えるから、暫し眠りについてあげるとしよう。






【姫様ったら、寝てるお顔もエレーナ様そっくりで美人でちゅね~。将来が楽しみでちゅね】
















この世界に生まれてから、凡そ半年が経った。




驚いたことに、この半年で妾はマリアンヌ以外の人間一度も見たことがない。




ずっと部屋に閉じこもっていたという原因もあるが。ほかのメイドたちは一体何してるじゃろう。




そして、今日妾の部屋に初めてマリアンヌ以外の人間―—―前世の妾のように白い髭を蓄えたお爺ちゃんが入って来た。




入ってくるや否や、妾を抱き上げ、自分の膝の上に座らせる。






【ふむふむ。流石に我が子、ティーナよ、いい魔力しとるのう】






ふむふむ。妾の名前はティーナというのか、しかし、体に触ることで魔力測る技術を知ってるとは…あと、お主もなかなかいい魔力してるではないか。






【へ、陛下!いつからいらっしゃったんですか!?】






マリアンヌは洗濯から帰ってきたようだ。




しかし、陛下とは、このご老人が妾の父ということか…この年で子をもうけるとは、元気そうで何よりだ。






【慌てることはない。マリアンヌよ、今までご苦労じゃったのう】


【とんでもございません!陛下が姫様をお見えにいらっしゃるとは…このマリアンヌ嬉しい涙でございまする】


【そっかそっか。気にせんでいい、これから毎日ティーナを見にくるぞ】






それから、父は本当に毎日、妾に会いに来くるようになった。














妾とマリアンヌ、そして名前が分からない父の3人しかいない生活を半年過ごした。




やっと、妾の口から言葉が発せられるようになった。






【マリアンヌ、だっこ~】


【はぁい!姫様、また陛下のお仕事見に行きますか?】






名前の分からない父は、いつも妾の部屋に入ってくると、すぐ机の上で作業を始める。




今日もその作業の内容を見に行こうではないか。






【マリアンヌ、もっとたかーくして~】


【はい!姫様、このくらいの高さで宜しいですか】


【うん!ありがとう。マリアンヌ】






この角度ならちょうど見えるね。どれどれ~




ほう。やはりそこの魔導式間違ったままではないか。それはダメだな。妾前世の弟子―――アイヴァンの小僧ですら、こんな単純なミス起こさないぞ。直してあげたいが、どうしたものかのう。




しかし、いいことが分かった。あそこは名前書く場所で間違いないだろう。お主の名前はルドルフか―—なかなかいい響きじゃのう。そのいい響きに免じて、妾が一度助けてやらんでもないぞ?






【ルドルフ、そこ、ちがうよ】


【ひ、姫様…陛下のお邪魔をしては行けません。そしてどうして陛下のお名前を…】






名前を呼ばれたルドルフは、ゆっくり頭をあげ、妾たちを見つめる。






【儂の名前が分かるとは、もしやティーナよ、字が読めるのか?】


【ティーナ、ふでほしい、ちょうだい~】


【握り方わかるかのう?…してティーナよ、その筆お主に重すぎるじゃないかのう】






両手で握り締めたら、ぎりぎり書けないこともない。単純なミスで良かったのう。妾が直してあげよう






【姫様、陛下の書類に落書きをされては…】


【よい、マリアンヌ、暫しその姿勢保てよう】






マリアンヌに抱っこされたまま、誠に書きずらいのう。しかし、これで最後じゃん。




さて、ルドルフよ。妾の傑作に刮目せよ。






【ルドルフ、ここから、見て】


【ほほ、なるほどのう。しかし、なぜこういう発想する】


【まじゅつべくとる、ほうこう、ぎゃく。まじゅつたいかくせいぶん、ちがう】


【ほほ…それならここはこれが正しいようじゃのう】


【そ、そこは……】


…………






ルドルフ実に筋がいい。妾の言うことがすべて理解できる。実にこの時間は楽しいじゃが、この体の限界のようじゃのう。




ルドルフよ。妾と夢の中で一緒に魔導の深淵を覗こうではないか。






【姫様がお眠りに付いたようですね。陛下】


【ふむふむ……】


【へ、陛下?】


【ハッハッハ、実に楽しいのう。マリアンヌよ、儂は幸せじゃん】


【それは何よりでございます、陛下。このマリアンヌも陛下と姫様のお傍に仕えて、誠にー、最高に幸せでございます!】



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