間違いに気が付きました
視点戻ります
ん?立派な髭の方が信用できる?あ、もしかしたら髭の手入れまで行き届くイコール身だしなみをする余裕……金銭的時間的精神的……があるという証明になるんでしょうか?まぁ食べ物を扱う限り、ちゃんとしている人から買いたいですけど……。
「料理に髭が落ちてしまったりしません?髪は三角巾や帽子などで落ちないようにできますが……」
テレビで見る有名なラーメン屋店主などは坊主頭にしている人もいるくらいですよね。
「え?料理に髭が落ちる?」
グレイルさんが首を傾げる様子を見て、私も首を傾げました。
「あ!そういうことですね、魔石を取り出して呪文を唱えるだけなら……確かに、関係ないですね……いえ、あの、そうではなくて私の住んでいた世界では、料理は材料を切ったり混ぜたりして時間がかかりますので、髪の毛など異物が混じらないように……と注意を払う必要があって」
私の言葉に、グレイルさんがぽんっと手を打った。
「そういうことか!なるほど!教会の人間が髭を生やさないのは、そういう理由だったのか。確かに祝福で食べたパンに髭が入っていれば、一生髭入りのパンを食べることになるな!」
……あ。確かに、一生モノの問題ですね、それは……。毎回混入する髭……。嫌すぎます。
「教会の人間は、自分たちは特別な存在だと、髭などなくとも誰にも馬鹿にされない存在だと主張するために髭は生やしていないのかと思っていたが……まぁ神官皇だけは俺と同じようにろくな髭は生えないんだろうなとも思っていたが……。なるほど、祝福を与えるべき立場として、不備がないようにと恥ずかしくとも髭は生やさないのか……」
恥ずかしい?髭を生やさないのが?そこまで、この世界は髭は大事なんですか?
……単にグレイルさんが髭に対してコンプレックスを持ちすぎててそう思っているだけなのかな?
「教会を悪く思うあまり、何もかも悪い方に考えてしまっていたようだな……」
悪く思う?
え?
え……?
「あ、あのぉ、グレイルさん、もしかしてその私にギルドと教会と……最後にアドバイスしてくださいましたけれど……」
ギルドに行くな教会に行け……ではなく、教会に行くなギルドへ行けって言われたのでしょうか……。
逆だと勘違いして教会に向かってしまいました!
うわー。大失敗です。せっかくアドバイスをいただいたというのに……。
で、でも、別に教会で特に嫌な思いはしていません。綺麗なお兄さんにパンを出してもらいましたし。
あ、いえ、でも、ちょっと白装束の受付の人とかは感じは悪かったのですが……。
「ん?ああ、ギルドには行ったか?あの街には総ギルド長がいるんだが、面倒見の良い男だから悪いようにはしないと思うが」
総ギルド長ですか。総長を思い浮かべてしまいました。多分全然違いますね。いえ、漫画の主人公が所属するような族の総長は面倒見がよいイメージがあるので、あながち間違いではないのでしょうか?
……いえ、たぶん違うんです。
「教会は駄目だ。金、金、金、金!本物の料理に、ありがたがれとばかり法外な値段を付けて」
……?
「あの、祝福は誰も平等に受けられると聞いたのですが、違うのですか?お金が必要で、貧乏人は受けることができないんですか?」
私の質問にグレイルさんが首を傾げた。
「いや、誰もが平等にとは貧乏人だろうが悪人だろうがまさに誰でも祝福は受けられるぞ?」
「えーっと、無料ってことですよね?」
有料なら貧乏人は受けられないはずですし……。
視点、戻りました。あうー。
ちなみに、コロコロで不定期でクック池崎の駄菓子クッキングが掲載されてるんですね……。おはスタで料理してるところは1回見たけれど、そんなことになっているとは……。




