★★肉の食べ方
グレイル視点
そうだよな。髭だけの問題じゃないんだよ。
イケてる男たちは俺の倍は太い。なんだろうな。骨がそもそも太いのか。筋肉の質さえ違う気がする。
どうしたらあんなに太くなれるのか……。ぶよぶよに太っていいるのとは違う太さ……。俺にも先祖にエルフの血でも入っているのかもしれないなぁ。それが先祖返りかなんかで出たか……。じゃなきゃしっかり食べて体を動かし鍛えているというのに情けない体格のままなんておかしいもんな。
うん、もう予想。容姿に関する話題は、へこむ。
かっこよくなってもてたいわけじゃないが、コンプレックスを話題にするのはへこむ。
話題を変えるために、少年のことに話題を振る。
「火を起こせたんだね」
火を起こしたことはないと確かに言っていたが、それはそれなりの身分だったため自分で火をおこす必要がなかったという意味だったのかもしれないな。だけれど、誰かが火をおこすのを見たことはあって、やり方を知っていた可能性はある。寒い地方の出身者なら火を暖を取るだろうし。
「あ、はい、あの……いろいろありがとうございました。このフライパンもとても役に立っています」
「それはよかった……っと、ごめん。食事の邪魔をしちゃったみたいだね」
何を食べているんだ?一般的なパンの上に何か載っているようだが?
「あ、いえ、もう食べ終わるところだったので、大丈夫です」
まさか?
何が乗っているのかが気になって、最後のひとかけらを口に入れようとする少年の手をつかんだ。
「この小さな粒は肉のかけらか?」
小指の爪の先よりも小さなかけらがいくつかパンの上に載っている。
小さい。小さすぎて、何か分からなかったが……色から考えるに肉が一番近いもののように思う。
「小さい上に、固そうだな」
パン魔石よりも小さいかけら……これを肉と呼ぶべきなのかも分からないくらい小さい、こんな小さな肉しか出せないのか?
いや、誰かから少しもらったのか?乾燥してカピカピしてそうだが、まさか少しずつ何日もかけて大事に食べているということか?
あり得るな。少しずつ大切に……こんな爪よりも小さな大きさにしてパンの上にのせて食べるとは……。
まぁ、庶民年に1度か2度肉が食べられれば贅沢だという暮らしをしている者もいるにはいるが……。
少しの肉を、大事に少しずつ食べたら……腐るだろう?
いくら腐った豆を食べている生活をしていたからって、腐らせて食べるべきじゃない。
肉は……よく焼けと言ったが、さっさと食べろとも付け加えなければならなかったようだな……腐ったりしたらお腹を壊すと知らないのか?いや、豆は大丈夫だから肉も大丈夫だと軽く考えているのか?
「パンに何を塗ったんだ?」
細かくした肉に気を取られていたが、パンに赤っぽい色がついている。
いったいなんだ?
赤色の食べ物など……リンゴの皮くらいしか見たことないぞ。リンゴ以外は毒だから食べるなと口を酸っぱくして言われるくらい、赤い食べ物は危険なはずだが……。
あ!唯一赤でも、いざとなった時には口にできると訓練で教えてもらったものがあるな……。最終手段だと言われている。
最終手段というくらいだから、よほどのことがないと誰も口にしない。……しようと思わない。
「え……?えーっと」
少年は、答えにくそうに眼をそらした。
あ、もうとっくにお気付きだと思いますが
★★がタイトルについているのがグレイル視点です。
魔石で出せば食料を保存する必要もないので、保存食系とかもないよ。便利な世界なのか、食事が発達せず不便なのか分かりませんね。もしドラえもんの道具のなんでも好きなものが出てくるヤシの実みたいなやつがあったら、料理する人が減り、結果新しい料理が生まれる可能性がぐんと減るんでしょうね……名古屋飯のような「うおう、それ、組み合わせちゃうん?!」ってのは生まれないだろうな……




