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お兄さんはエルフさんですか?

「すいませんでした……!」

 慌てて前を向き、ぶつかった人に頭を下げる。

「問題ない」

 え?

 この声……。

「兄さんっ!」

 従姉弟の雄一郎お兄さんの声に顔を上げます。

「あ……」

 薄茶色のマント姿の男性の姿が目に飛び込んできました。フードを頭からかぶっていて顔は見にくい状態なのですが、ちょうど真下から見上げる形になっていたためしっかり顔を確認できました。

 恐ろしく整った顔をした20代後半に見える男性です。

 薄い水色の瞳と色素の薄い髪をしています。まるで雪のように解けて消えてしまいそうな繊細な美しさを持った男性。女性よりも美しい……エルフってこんな感じ?もしかしたら本当にエルフかもしれません。

 あいにくフードで耳が尖っているかどうか確認することはできないのですが、エルフという単語に胸はドキドキです。

 ……ええ、もちろん、雄一郎お兄さんはエルフじゃないです。つまり……。

「私には弟はいなかったと記憶しているが。なぜ、君は私を兄さんと呼ぶのか教えてくれないか」

 はい。声はそっくりなのですが、全くの人違いです。

 って、弟?え?妹ではなくて?

「重ね重ねすいません。あの、声が……知り合いに似ていたので……その……」

 ぺこりとお辞儀をして謝罪します。

「なるほど理解した。謝罪の姿勢も悪くない、無礼というわけでもないようだが、何を神官ともめていた?」

 ん?無礼?ああ、私が失礼な人間で神官さんを怒らせてしまったのかと思ったのでしょうか。

「私があまりにも無知で、知らないことばかりだったので……変な質問をして……その、批判していると言われてしまいました」

 目の前の男性は、ふぅーんと私の顔を見ます。

「なるほど。昔から本物の料理を食べられない人たちが教会を非難することはあったが、最近特に増えてきた。神官も警戒を強めているのだ。過剰に反応したかもしれぬ」

 そっか。神官さんもクレーム処理とかしなければいけないなら大変ですよね。ちょっとピリピリして感じが悪いなぁと思う態度も仕方がないのでしょう。クレームには毅然とした態度を取った方がいいでしょうし。

 ……クレーマーと思われてしまったのですね。言葉には気をつけなければいけません。確かに高いと口にしたのはうかつでした。この世界の相場も知らないのに……。適正価格を高いと言われればそれはクレームにしか聞こえませんよね。

 相場……ちゃんと勉強しないといけません。

「それで、何のために教会に来たか教えてほしい」

「パンが食べたかったんです」

 そうそう、困ったら教会に行けと言われたのでした。

 教会でしたよね?ギルドではなく?兵士さんに教えてもらったんです。

 あと、町の入り口に立っていた門番さんも教会に来たのか?言っていたし……。教会って孤児院とかもある……日本でのファンタジー世界でのイメージでは……人助けしてくれる場所で間違ってないですよね?


おはようございます。ご覧いただきありがとうございます。

いや、兵士さんの言葉、覚えてないし……笑

ギルドへ行けとあれほど……肉もちゃんと焼くんだぞ、いいな、これは焼くなという前振りじゃないぞ?焼くんだぞ?生焼けは食べるなよ?いいな!



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― 新着の感想 ―
[一言] 自信なさそうに前屈みになって、猫背で歩いていそうな主人公なので、大丈夫かと後ろからついて行きたくなりますねw 魔石、大きいのが落ちてないかなあ。
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