魔石は万能?
魔石を渡してパンを出してもらいます。
オニオンスープに、カッテージチーズ。それにパン。まぁ、チーズの種類もパンの種類もいまいちなのですが、これだけの材料があれば作りたいですよね。
ミック君が出してくれたパンを、食べやすいようにちぎってオニオンスープに浮かべる。それからカッテージチーズに、チーズ風味をプラスするために駄菓子のおやつのチーズをいくつか出して細かくして乗せる。
「さあできたよ。なんちゃってオニオングラタンスープ」
これはしっかりご飯になるのでお腹が膨れます。
「パンをスープにいれちゃうのか?初めて見た……」
うん、まぁそうですよね。日本でもパンをスープに居れる料理はそれほど多くないですし。うーん、和食系だともしかして味噌汁にご飯を入れる猫まんまみたいな位置づけだったりして?よくわかりませんが。
「食べてみて。いただきます」
実際食パンでもフランスパンでもなく、ナンみたいなパンですし……とろけるチーズでもありませんしどうなのかちょっと不安ですが。
「おいしい」
パンに濃厚なオニオンスープが染み込んでじゅわぁと味が広がります。ナンのようなパンなのでトロントロンになりすぎず、ちょっぴり麺類に近い感じもあります。カッテージチーズのあっさりしているけれどレモン風味の酸味が口の中をさっぱりさせてくれます。おやつのチーズでチーズらしい香りもするのもあり……。これはこれで、有りなのではないでしょうか。パンを今度は細切りにして入れたら、麺っぽく食べられるのでは……?いや、そもそも焼く前のパンだとか、小麦粉だとかを手に入れればいいだけの話でしょうか……。
「やっぱり小麦粉……がほしいところ……」
とつぶやきを漏らしたものの、ミック君もキュイちゃんも全然聞いていません。
「うんめぇ、何だこれ!」
「キュイィーン」
あ、キュイちゃんお耳としっぽが出てる。しっぽがぶんぶんと興奮した犬みたいに高速で動いている……。
馬も嬉しいとそうなるの?それとも、キュイちゃんは馬のようでいて、馬じゃないから?
「スープにパンを浸して食べるんじゃなくて、パンを入れちゃって食べるのなんて、赤ちゃんのご飯みたいだと思ったけど、全然そうじゃなかった!」
ああ、ミルクがゆみたいな?そういうのもあるんだね。……いや、ミルクはないから、お湯に浸すのかな?
ワーシュさんに出してもらったから牛乳にありつけたけれど、牛乳はこの国では飲まないって言ってたしなぁ。
ミルクがゆの変わりに何を食べさえてるのか……。うん?まてよ?魔石でなんでも出せるということは、母乳も?
……ある意味すごいね。母親や乳母がいなくても、父親が母乳を与えることができるとか!いや、哺乳瓶がないとだめだろうか。
「キュイキュッキュ、キュー」
キュイちゃんが器の中をちょんちょんと指さしながら何かを伝えている。
「おう、そうだな、キュイの言う通り。スープがしみ込んだパンに、チーズだっけ、をのっけた状態で口に入れるとさらにうまいよな!」
……あ。
ミック君、キュイちゃん語の理解がすごい。
「キュイーっ!」
「うん、おいらも、もっとチーズ食べたいな」
え?えーっと、え?
二人でにこにこ笑っている。
ごぶさたです。前に書いてあったやつで更新してなかった分をちょろっと。
うぐぐぐーです。




