フライパンの活用法
「粉ジュース」
やりました!米粒魔石が、見事に粉ジュース葡萄味に変わりました。
駄菓子屋で10円で売っている粉ジュースです。ジュースの元の粉のお菓子なんですけど……実際には水に溶かして飲まずに粉のまま食べていましたから、袋に入った状態で出てきました。
あ、そういえば何年か前に20円に値上がりしたという話を見ましたが出てきたということは、私の魔力のレベルが上がったのでしょうか?それともモヤシは特売価格の10円で買ったことがあったから出てきました。通常は20円とか30円とかしますよね。……ということは、私が買ったことがある値段ということなのでしょう。今は20円だったとしても、私が買った時には10円だったから出てきた。うん、ラッキーです。
さて……。
「人生で初めて、粉ジュースを粉じゃなくてジュースにして飲んでみます」
まさ、異世界にきて体験することになるとは。本当分かりませんね。
せっかくお湯がわかせますが、水の方がいいでしょう。
コップに粉ジュース葡萄味を入れます。それから先ほど出した水の残りがフライパンにあるのでそれをコップに入れすぎないように慎重にいれます。
粉ジュースは、コップ1杯水を入れると薄すぎると子供のころに聞いたことがあります。水はコップに半分以下が鉄則だそうです。……本当は水を何㏄入れましょうとか作り方が書いてあったはずなのですが、子供時代の話ですからね。友達も適当に水を入れていたんだと思います。
およそ目分量で100ccほど水を入れて、木の棒でまぜます。さっき箸代わりに使って洗ったものなので綺麗ですよ。
ぐるぐるぐる。
では……いただきます。
「ふ、ふわぁ!葡萄ジュースです!ちゃんと葡萄ジュースになってます!果汁10%未満とかの甘い葡萄ジュースですっ」
おいしい。久しぶりの水以外の飲み物です!
次はオレンジ味にしてみましょう。他にも味がありましたが、食べたことはありません。こんなことなら全種類制覇しておけばよかったです。
さて。お腹も膨れましたのでフライパンをよく乾かして燃え残っている炭になりかかった木を入れます。それからフライパンの蓋をします。そう、このフライパン蓋がついてるんですよ。鉄?なんかキャンプのダッチオーブンみたいな感じです。フライパンも蓋も分厚い金属で出来ていて結構な重さです。フライパンと蓋を合わせて2キロくらいはありそうです。キャンプ飯とか作れそうです。
……材料がないですけど。
さて。まだ熱い状態だけれど、フライパンの中に入れて蓋をしたので火は消えるか不完全燃焼で炭が出来上がるかすると思うんです。それで、冷めたら鞄の中にしまいましょう。冷めるのを待ってから移動するとますます街につくのが遅くなってしまいます。持って行かないと言う選択肢もありません。これがあれば次に火をおこすときに時間短縮ができるはずです。そうじゃなければ……。
腕がプルプルになったことを思い出します。
……ううう、もうあれは勘弁なのです。
「あ、魔石発見」
米粒魔石は私の命綱ですからね。拾っていきます。




