★★グレイル視点 由々しき
グレイル視点
「なぁ、ダン、お前さぁ、魔力指輪って何人にあげた?」
「はぁ?私が、そんな、何人もの女性をとっかえひっかえするような男だと思ってたんですか?」
ダンが冷たい目を向ける。
「いや、そうじゃなくて、家族とか友人とか……」
「ああ。私の場合は幼少期に母親と父親からそれぞれ指輪を渡されてましたね。何かあったら助けを呼びなさいと。今はもう返してますが、妹はまだ両親の指輪をしていますよ?過保護なんですようちの親」
そうだよな。別に女性に贈るだけじゃないよな。
「まぁ、お父さんなんて大っ嫌い!って言われて指輪がスポーンって抜ける悲劇を何回か見ているので……妹も早く好きな人から指輪をもらって両親の指輪を外すといいんですけどね……」
ダンの話を聞いて、思い出した。
「そういえば、やたらと指輪を贈る人間もいるなぁ。家族親戚、友達にも。中にはもらった人間が勘違いしちゃってトラブルになったという話も聞いたな」
もしかしたらリツに指輪を渡したやつもそのタイプか?
ダンが苦笑する。
「嫌われているかもしれないと不安なんですかね?魔力指輪は安いものでもそれなりの値段しますし……自分の魔力を指輪に覚えさせるのには肌身離さず何年も指にはめていないといけないから量産するのも大変でしょうに……」
……ううう、確かにそうなんだ。指は10本。3年に10個できればいい方だ。魔力が低ければ10年ほどかかる。
いや、足の指でも作れるって聞いたか。1本の指に5本の指輪をはめている御仁もいると聞いたか。いや、それは受け取った側の話だったか。いろんな人と連絡を取らねばならぬ立場の仕事についている者の中には、相当な数の指輪をはめているとか……。見えなくしているためどこの誰とつながっているのかは分からないが。
ああ、分からん。
リツに指輪を渡したのはいったいどんな男なんだ?
立派な髭を生やしているのか?宿の隣の部屋に泊ってると言っていた。あの街の宿ということは、神官皇の作る本物の料理が目当てということにほぼ間違いないだろう。
決して安くない本物の料理を食べに、泊りがけで来るということはそれなりに裕福なのか。
それとお借金をしてでも一発逆転を狙って食べにきたのか……。
指輪を渡すくらいだ。前者なんだろうな。
宿に泊まっていれば……生活力のある男がリツの周りに入れ代わり立ち代わり現れる……のか。
指輪を渡した男の他にも、次々と。
こ、これは……由々しき問題。
指輪だらけの人もいる……んが、ちゃんと見えなくできるから大丈夫。生活はしにくそう。
指輪……そういえばツイッターで見た
「既婚女性が指輪を外しているのは浮気しようとしている以外考えられない」ってやつ見て、
きょとーんってなりましたよ。
友達は、指がむくんで指輪していられなかったし
結婚指輪じゃなくてもそもそも指輪をつけるのが苦痛な人間もいる。
水仕事が多くて紛失しないように外すとか、そもそも仕事柄指輪やピアスやいっさいつけちゃダメってとこもある。
想像力の欠如なのか、自分が指輪を外すのは浮気するときだからなのか……首をひねりました。
しかし指輪問題は他にもいろいろありますよね。
同窓会などに婚約指輪をつけていくのは、アクセサリーとして以外に、結婚してますマウントと受け取る人もいるとか……いや、他にアクセサリーを買う余裕がない人もいるだろうし、マウントって受け取られて絡まれるのも大変だろうと思うけどもしかしたら本当にマウントしてる人もいるかもだし、怖いよ、指輪っていうアイテム!!!!
昔から、物語に「呪いの指輪」として出てくるはずだよね……怖い。指輪……
でも、普通に結婚式で指輪の交換したり、仲良くお揃いの指輪したりはいいよねぇ~( *´艸`)夜店のとかで玩具の指輪を真剣に選ぶ幼女とかも微笑ましいし、自分へのご褒美として記念日やクリスマスに自分で指輪を買うのもいい!




