表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

122/165

玉葱収穫

「え?そうなのか?味が違う?」

「うん。ほかにも、しいたけと干ししいたけとか。保存用に干すんだけど、干すと全然味が違ったものになって栄養成分も増えるし、とても美味しくなるんだよ。あの、昨日の肉も、もともと保存日数が長くなるように考えられた加工法で……」

 いや、燻製は違うっけ?

「昨日の肉、すげーうまかったやつ!そっか。出してすぐ食べるよりも保存したほうが美味しくなるのがあるのか!玉ねぎもうまくなるんだな!」

 ミック君が目を輝かせました。

「どれくらいで旨くなるんだ?夜にはうまくなってるか?それとも明日か?」

 えーっと、軒先につるしてある玉ねぎの姿を見かけることがあったけれど、どれくらいって言われるとどれくらいでしょう?

 1日2日のことではないと思うんですが……。うーん。

「すぐじゃないよ。じっくり時間をかけないとダメなんだ」

「えー、まじかぁ」

 ミック君ががっかりしています。

「でも、新玉ねぎは新玉ねぎで美味しいからね。材料があまりそろってないから、どこまでできるか分からないけれど、オニオンスープを作ろうと思います」

「キュ、キュ」

 キュイちゃんがミック君の手をつかんで引っ張っています。

 ミック君がキュイちゃんの顔をみると、玉ねぎを指さしています。

「ああ、掘ってほしいのか。待ってろ」

「ふふふ、そうだね、まずは収穫だね。玉ねぎを全部引き抜いたら、お日様によく当たるように置いておきましょう」

 葉っぱと根を切り落とさないとね。それからつるすのに紐が欲しいですね。ツルみたいな何か植物とかないでしょうか。麻縄みたいなのを作るのも一つの手ですかね?私にできるでしょうか?いっそ、少し麻縄を作って食べたら麻縄を魔石で出せるようにならないですかね?……うん、なんだか危険思考になってきました。気を付けましょう。

 ミック君が土を少し掘り、キュイちゃんが引っこ抜きます。それから私が葉っぱと根っこを落としてよく日が当たるように並べていきます。

 30個ほどの玉ねぎの収穫は割とすぐに終わりました。

 ミック君もキュイちゃんも土まみれです。

「なー、次は何をするんだ?おいら手伝うよ!」

「キュイキュイ!」

 二人はやる気満々です。

「えーっと、まずは手と顔を洗う?お水……が必要だね」

 と言うと、キュイちゃんがミック君の手を引っ張ります。

「ん?なんだ?水なら今出すよ、ちょっと待って」

「キュイッキュ」

 違うと言うようにキュイちゃんが首を横に振ります。

「あ、もしかして水がある場所を知っているの?キュイちゃん森の中のこと詳しい?湧き水とか泉とか川とか何か知っているっていうことかな?」

 初めて出会ったのは森の中でしたし。住んでいるのは森なんですよね?

「キュイッ!」

 うんとキュイちゃんが頷きました。

「ああ、そうか。手を洗うなら魔石で水出す必要ないもんなぁ。キュイ賢いなぁ」

「キュ」

 ミック君が褒めるとキュイちゃんが嬉しそうに笑いました。

 なんなのでしょう、このかわいい二人。くぅー。オニオンスープ絶対美味しく作りますよ!いや、材料足りないけど。コンソメとかあればよかったんですけど。ないものは仕方がありません。


干しシイタケも切り干し大根も、干したからこその旨味。じゅっるん

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[一言] 麻縄は麻(植物)や! 紙だって植物! 適当な蔓草かじればいけるいける。 というか数十円分出せるようになればビニール袋とか普通に出せる……。
[良い点] 麻縄を食べる危険思想w [一言] なぜか出せる人の多い生肉も危険でしたが、まさか現代人のリツが麻縄を食べるという危険な考えをするなんて魔石の便利さ怖い……。 干しておいしい食べ物たち……お…
[一言] 猫はしいたけみたいに日光を浴びてビタミンDが(体表に)出来るから、それを舐めて摂取しているんですよね。 (なので、猫を頻繁に洗うのはよろしくない) だから人間も日光浴が必須と言われているん…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ