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第7話『美住にとって衝撃的な事実』
放課後の学校は素敵だ。
綺麗な夕焼けの空と色んな音
運動部の掛け声、練習音、吹奏楽部のパート練習の音
美住は楽器に息を吹き込む。
今日も音色はノっている。
いつまでだって奏でてられる。
この音、黒峰君も聞いてくれていると嬉しい。
そして、そのまま
私の想いが届けばいい・・・
・・・
きっとそんな事になったら、私は赤面してどこかにすっとんで逃げてしまうだろう。
我ながら恥ずかしい、こんな気持ち初めてでどうしたらいいかわからない。
今日も黒峰君はずっと部活の練習に明け暮れている。
その飢えるような横顔に私の胸は熱く火照る。
なぜそんなに必死に練習するのか
聞いてみたい。
話してみたい。
・・・
放課後のテニスコート近く
こっそり遠回りして通りかかる。
ちらりと見る黒峰君の横顔、
寂しそうな顔
その目線の先にあるモノ
・・・女子・・・
確か舞浜さんって名前の綺麗な女子
・・・
ああ、そういう事か
私も同じ状態だったのに、
どうして・・・
気づかなかったんだろう・・・
彼を動かすモノ
それに気づいてしまった。