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第十九話 異種族 前編

以前保護したダークエルフが目を覚まします。





カイエンブルクの守備を中尉に任せて、私は一度拠点へと戻る事にした。


ファウンドリーメックとコマンドメックは、カイエンブルク守備の支援の為に、暫くの間カモフラージュを掛けて近くの丘陵地に配置しておくことにした。


余程の事が無ければコマンドメックに搭載されているAIで十分対応できる筈だし、何かあれば遠隔操作で私が動かす事も出来る。


そんなわけでカイエンブルク攻略に準備した一切を置いて拠点まで戻って来た。


『保護した魔族はそろそろ覚醒しそう?』


『はい、意識レベルは覚醒レベルまで回復しています。

 現在は治癒を促進させる意味もあって、昏睡状態を維持していますが』


『身体的にもそろそろ回復している筈だから覚醒させて。

 情報収集の為に話を聞きたい』

 

『了解しました、コマンダー』


私は医療カプセルを置いている区画へと足を運んだ。


カプセル内に浮いている魔族の女性は、保護当初は衰弱が激しかったが、現在は一目見てもわかる程度に肉体が回復していて、血色も良くなっているのがわかる。


『コマンダー、覚醒させます。3、2、1』


AIのカウントダウンが終了したのと同時に、彼女がパチッと目を覚ます。


「私は…、死んだはずでは…」


『やはり、魔族女性の話す言葉が理解できる…』


『私達をこの世界に連れ込んだ存在は、王国の言葉だけでなくこの世界の複数の言葉の情報を私達のデータベースに書き込んでいる様です』


『異種族の言語データベースに言語データを書き込むとか、もう魔法ね…』


『現状では事象から類推するしかありませんが』


『でしょうね』


「私が宿場町の守将を倒した後に、地下牢でまだ生存していたあなたを見つけて保護した」


そう声を掛けたら、私の存在に気付いていなかったのか、魔族女性が驚いて私の方に振り向く。


「…、あなたは?」


「私は王国に雇われた傭兵」


「傭兵…?」


「そう、私は魔族から王国領土を奪還する仕事を請け負ったの」


「勇者ではないの?」


「王国の人達は私の事を勇者と呼ぶけれど。

 でも私は、依頼を請けて戦うのが仕事の、ただの傭兵」


「そ、そう…」


「ところで、聞きたい事が色々とあるんだけど大丈夫?」


「…ええ。

 その前に、あの闇司祭…。

 グロルクは死んだのですか?」


「宿場町の守将の事なら、死んだはず。

 私に追い込まれて勝てないと思ったのか、自分を邪神に捧げて魔人を召喚した。

 その時に身体が破裂したから死んだと思うのだけど…。

 まさか、死んでないの?」


「い、いえ…。

 邪神に己を捧げて魔人を召喚したのなら、グロルクは邪神に魂を喰わて今頃は死よりも恐ろしい永劫の苦しみを受けている筈…。

 私達の間では、邪神に捧げられた者は輪廻の輪から外れ、永劫の苦しみを受けると伝えられています。

 それが真実かどうかはそこから生還を果した者が誰も居ないので分かりません。

 ですが、かつて神に邪神に生贄として捧げられた者の復活を願った者がいたのですが、その者に神は〝邪神に捧げられた者は輪廻の輪から外れ、二度と復活も転生もかなわぬ〟と語った、と伝えられています…」


『転生とか復活とか、もうファンタジー小説としか思えないわね…』


『バイオセンサーのデータ解析上は、彼女は嘘をついてはいないようです。

 それが真実かどうかは別ですけど』


『転生とか復活ってあり得るの?』


『我々のテクノロジーであれば、生体情報が棄損していなければコピーを作る事は可能です。

 それを復活というのならばですが。

 また、新たに作ったボディにバックアップのパーソナルデータをインストールする事が出来ますので、転生と呼ばれる現象の再現も可能です』


『どちらもファンタジー小説で読んだ復活や転生とは少し違う気がする』


『あくまで我々のテクノロジーで実現可能かどうかを答えたに過ぎませんので』


『デスヨネ』


「そうですか…。

 グロルクは死んだのですか…。

 自らの身と魂を邪神に喰わせるなどとは、あの者に相応しい末期。

 我らが部族の恨みも少しは晴れたかもしれません…。

 ですが多くの者が邪神に魂を喰われ、もはや生命の樹に戻る事はありません」


なんだか重たい話を語った様な…?


「あなたの質問に答えたから、次は私の質問に答えてくれる?」


「はい…」


「まず、あなたは何者なの?

 あなたは魔族じゃないの?」


「私は…。

 私の名は、黒の森に住むエルフのバナル族のローリアクの子、アルアクの娘、シャフィリアナ。

 私達は王国の人からは魔族と呼ばれて居ます」


『随分古風な響きの自己紹介だね』


『我々の世界でも遥か昔の部族社会ではそのような名乗りをしていた様なので、それで古風に聞こえたのでは?』


『なるほど。

 ファミリーネームが無いのが当たり前の時代や世界では、こんな風な名乗り方をしないと個人の特定が出来なかったからかも』



「名前はシャフィリアナなのね」


「リアナと呼んでください。私達の名前は人には発音しにくいかもしれませんので」


「た、確かにそうね。ではリアナと呼ばせてもらうわ。

 それで、王国の人からは魔族と呼ばれている、って言ったけど、つまり魔族って言われている人は、王国の人が特定の人達を一括りにしてそう呼んでいるの?」


「恐らくは…。

 王国の人達は、黒の森より向こうに住む人たちの事を皆魔族と呼びます」


「なるほどね。

 確かに、私が最初に落とした城の魔族の将軍は、私と変わらない人に見えた。

 でも、その配下で戦っていた兵士達はゴブリン?と大型の種族で、将軍と同じ種族には見えなかった」

 

「ガルノフも倒したのですか…」


「強かったけど、倒した」


「…そう、ですか…。

 ガルノフは、そうですね、魔族…の中核を担う人族の名将でした」


「人族…だったの?」


「ええ、ガルノフは黒の森の向こうを平定した覇王の国の将軍です」


「魔王ではなく、覇王なの?」


「王国の人達は、魔族を束ねる者を〝魔王〟と呼んでいる様ですが、黒の森の向こう側では国々を平定するほどの傑出した王は〝覇王〟と呼ばれて居ます」


「でも、ガルノフは魔王と呼んでいたけど?」


「黒の森からこちら側を攻める時には、覇王は魔王と言い換えられる様です。

 その方がこちら側の人たちには馴染み深く、より恐怖心を抱かせることが出来るからでしょう。

 もしかすると、最初にこちら側を攻めた時の覇王が、自ら魔王を名乗っていたのかも知れません」


「なるほどね。

 ガルノフは人族だと言ったけど、王国も人族の国だよね。

 同じに見えるけれど別の種族なの?」


「そうですね。


 彼らの違いは信仰する神の違いだと思います。

 黒の森の向こう側には色々な種族が住み、色々な神を信仰しています。

 黒の森の人族には混血の者も居り、だから信仰する神も様々です。

 

 しかし、こちら側は人族だけが暮らし、彼らは黒の森の人族が信仰している神々とは異なる別の唯一神を信仰しています。

 そのせいかどうかわかりませんが、黒の森の人族は総じてこちら側の人族よりも魔力が強く寿命も倍ほど違います」


「成程ね…。

 確かにそれほど違うなら、別種族と言っても良いね。


 それで、聞いておきたいのだけど、何故黒の森の向こうを平定した王は森のこちら側を攻めるの?

 領土を拡張したいから?」


「…レコンキスタの為です」


『あれ?今、レコンキスタと言った?』


『いえ、実際は〝故地回復の為〟と話したようです。

 それを我々に分かりやすい例えで〝レコンキスタ〟と翻訳したのでしょう』


『なんとも高性能だこと…』


「こちら側を攻める事が、何故故地回復になるの?」


「…あなたが王国の人達から、どのような話を聞かされたのかはわかりません。


 それに、ガルノフやグロルクを殺せるほどの強者が以前から居たのなら、もっと前から名前が知られている筈だし、何らかの活躍が伝わっている筈です。

 しかし、あなたは突然出現し、立て続けに強い二人を下した。

 あなたは、かつてこちら側の人達が召喚したと伝説に伝わる、勇者の様な存在だ。

 恐らく、あなたは別の世界の人なのでしょう?」


「そうね。私はこの世界の人間ではない」


「やはり…。

 遥か昔この大陸では、こちら側にも黒の森の向こう側に住む人達が暮らしていたのです。

 その時代は、今もあちら側はそういう状況ですが、幾つもの国に別れて覇権を争っていました。

 時には全てを平定して統一国家を作る事があったのですが、長い歴史を刻むことは無く、結局は反乱が起きて統一国家が倒されてしまって再び分裂してまた覇権争いが始まる、と言う事を繰り返していたのです。

 そして、その時もそうだったと伝わって居ます。

 かつて、黒の森のこちら側とあちら側で二つの覇権国家が出現する事があり、その二つの大国は黒の森を中心に激しく戦ったのです。

 長い戦争の末、あちら側の国が勝って大陸全土を統一した国家が出来たのです」

「それで?」


「それだけ長い戦争が続けば、たとえ統一国家が出来ても、大陸全体は疲弊していました。

 私達黒の森に住むエルフ達も双方の国に別れて戦い、その結果多くのエルフの戦士が死に、幾つもの部族が森に消えました。

 私達は長命ですが出生率が低く、戦士達の多くが戻らない事は部族の消滅に繋がることもあるのです。

 疲弊した統一国家は、かつての統一国家がそうであったように、統一政府の下で暫くは戦争も無く、緩やかに国土再建を行っていました。

 たとえ人族であっても、失われた人口はそう短時間には回復しませんから」


「そうでしょうね」


「その時がこれ迄と違ったのは、別の大陸の人族の大軍が、疲弊し弱体化していたこの大陸に攻め込んで来たのです。

 それは偶々なのか、それとも狙いすましていたのかはわかりません。

 今もそうですが、別の大陸とは交流が殆どありませんでしたから」


「つまり、この大陸に攻め込んで来た軍勢の末裔が、今の王国という訳?」


「はい。

 別の大陸から攻めてきた人族は、この大陸に元々いた人族より魔力は弱く個としての力は劣りましたが、一つの神の下に結束し纏まれば、神の加護を強く受けてそれを覆すほどの強さを持つのです。

 更にはこの大陸は長い戦争で多くの強者を失っていたので、戦える者の数がすっかり減ってしまっていたのです。

 侵入してきた人族は、元々この大陸に居た者達を征服して取り込む事は無く、追い払い或いは殺してその土地を奪い、新たな人族の国を作って行きました。

 そして、元からこの大陸に居た者達は戦い続けましたが次第に領土を奪われて行き、最後には黒の森にまで追い込まれてしまったのです」


「黒の森には多くの魔獣が住み、人が容易に立ち入れない土地だと王国の人は話していたわ」


「いいえ、別の大陸から人族が攻めて来る迄は、黒の森には多くの動物が住み、その中には脅威となる大型の肉食獣も居ましたが、注意していればそれ程危険な森でも無かったのです。

 むしろ、生命の樹が何本もある程、生命力と魔力が満ち溢れ活力が沸いてくるそんな場所だったのです。

 しかし、別の大陸の人族の軍勢が黒の森へと侵入してきたとき、森に変化が起きたのです。

 多くの動物が凶暴な生き物、王国の人達が言う〝魔獣〟へと変化を遂げ、侵入してきた人族の軍勢を襲いだしたのです。

 不思議なことに、今もそうですが、彼らは昔からの住人である私達を襲う事はありません。

 変化しなかった普通の肉食獣は、今でも私達を襲って来るのですが…」


「不思議なこともあるものね」


「はい。

 長老達は森の神を侵入者たちが怒らせたからだと言っていましたが、侵入してきた人族の軍勢は魔獣たちに襲われ追い払われ、黒の森には立ち入らなくなりました。

 そして生き残った元々のこの大陸の者達は、黒の森の向こう側を領土とし、いつの日か故地を奪還する事を誓い、国力の再生を始めたのです。

 その後侵入してきた人族は、こちら側で幾つもの国家を作り、その内にその国同士での覇権争いが激しくなり、危険な黒の森のあちら側の事はあまり意識されなくなりました」

 

「なるほどね。その状態が今まで続いていると」


「その通りです。

 そして、この大陸に元々いた人たちが再び力を付け、故地を奪還するために黒の森を抜けて攻め込みました。

 ですが、唯一神の名の下に幾つもの国に別れていがみ合っていた筈の人族が何故かその時は一つにまとまり、しかも奪還の軍を指揮していた王迄が討ち取られてしまい、再び黒の森の向こう側の統一国家は幾つもの国に分裂してしまい、力を失ったのです」


「そして再び覇王が現れたら、またこちら側を奪還するための軍を派遣すると」


「はい。

 ですが、私達が奪還の為の軍を送ると、まるで申し合わせたかのように人族の国は唯一神の名の下に一つに集まって対抗するので、それが成るという事はありませんでした」


「それなら勇者なんて必要ないのでは?」


「それが変わったのは、こちら側の人族の国で覇権国家、統一帝国が出来た時です。

 統一帝国を作り上げた皇帝は黒の森のあちら側にも征服すべき土地があると考えたのか、それとも膨れ上がったその軍勢に仕事を与えたかったのかそれは分かりません。

 彼は大軍を率いて黒の森に侵入し、私達森に住む住人達はその軍勢の威容に恐怖して隠れたり、或いは森の向こうへと逃れました。


 ところが、当初順調に魔獣たちを倒しながら侵攻していた帝国軍ですが、この大陸に元から住む者達が立ち入らない場所にまで踏み込んでしまったのです。

 干渉しなければ向こうから干渉してくることの無い北の戦闘部族の領域や、更には南の山岳地帯のドラゴンの領域にまで軍を侵入させてしまい、彼らの怒りを買ったのです。

 大軍だった筈の帝国の軍勢は、北からより強力な戦闘部族の戦士達に攻められ、南からはドラゴン達に攻められ、そして森の怒りに触れたかのような夥しい魔獣の大群に襲われた結果、その殆どが殺されてしまい、帝国本国に戻れたのはほんのわずかな兵だけだった、と伝わっています。


 そして帝国の柱だった皇帝や有能な家臣達もその戦いの中で命を落としてしまい、帝国が押さえつけていた者たちが反乱を起こし、再び帝国は分裂してしまいました。

 そして、実は丁度その頃、黒の森のあちら側でも統一国家が出来ていました。

 でも、こちら側に強力な軍を擁する帝国が成立したので、遠征軍を派遣せずに様子を窺っていたのです。

 ですがその強力な帝国軍が自滅し、帝国国内は四分五裂の内乱状態。そこで、北の部族とドラゴンたちが引き揚げたところで、故地奪還の遠征軍を派遣したのです。

 人族の帝国は既に瓦解し、精強だった軍勢も既になく、残った軍勢はありましたがそれは居残りの部隊や帝国に対して蜂起した民衆の軍勢です。

 再び神の名の下に一つに纏まろうとしますが叶わず、次第にこちら側の人族の軍隊は駆逐され追い込まれて行きました。かつて彼らがやった事は言い伝えとして黒の森の向こう側で伝えられており、恨みが残っていましたから、多くの人族が殺されたのでしょう」

 

「自業自得と言えなくもない?」


「人の寿命から考えれば、かつてこの大陸に居た者達を追い払い殺して土地を奪った人たちは随分昔に死んでいます。実は、こちら側の人族が黒の森のあちら側に攻め込んだのは、帝国に由るものが初めてで、逆にあちら側からは幾度となくこちら側に攻め込んでいるので、自業自得というのはどうでしょうか…」


「確かに…」


「人族は追い詰められて、かつてこの大陸に上陸して橋頭堡を築いた場所に作った初めての人の街だった場所まで逃げていきました。

 その初めての人の街を守るために築かれた大昔の城塞を、最後の砦にして立て篭もったのです。

 この城塞は、疾うの昔に失われた力によって魔法を防ぐなどの防御力を持つ特別な城塞で、破竹の勢いで攻め立てていたこちら側の軍勢も、ここの前で停止するしかありませんでした。

 ですが、城塞は難攻ではあっても不落ではなく、攻城兵器によって徐々にその防御力を削っていったので、陥落は時間の問題だと思われていたのです」


「その話は王国で聞いたような気がする」


リアナは頷くと話を続けます。


「元々は海から侵入してきた彼らですが、その頃にはもはや航海する技術も大船を建造する技術も失われていて、別の大陸に逃げる手立てもありませんでした。

 本当に彼らはあと少しで最期の時を迎え、私達の故地回復の宿願がなる筈だったのです。

 ところが、人族の窮状に彼らの神が手を貸したのです。

 つまり、勇者を召喚し彼らの下に派遣したのです」


「それが二百年前と」


「はい。

 勇者は正に半神と言って良いような、超絶した力をもっていました。

 彼の振るう剣の一振りで多数の兵がなぎ倒され、彼の使う魔法一つで軍団の一つが消滅する。

 それ程の力をもって居たそうです。

 結果、殆ど勇者一人の力で魔族の軍勢が打倒され、黒の森まで帰り着けたのはほんの一握りでした。

 軍勢と共に出征していた当時の覇王も、勇者によって討ち取られました。

 私達、黒の森のエルフたちも多くの戦士を軍勢に帯同させていましたが、その殆どは戻る事が叶いませんでした」


「そうだったの。

 それで、勇者はどうなったの?

 森のあちら側まで攻め入ったの?」


「いえ、勇者は遠征軍を打倒し黒の森まで追い払ったところで、そこから先へは踏み入る事は無く、しかもその後、消息を聞かなくなりました。

 力を使い果たして消滅したのだとも、役目を終えて元の世界に戻ったのだとも言われて居ますが、実際のところは分かりません」


「ふーむ」


『後で国王にでも聞いてみよう』


「それで、その後どうなったの?」


「覇王を失った事で、例によって黒の森の向こう側の統一国家は再び分裂し、また幾つもの国に別れて争い始めました。

 そして、こちら側も生き残った人たちが再び国を再建したと聞きます。

 あなたを召喚したのも、その内の一つの国なのです」

 

「そう言えば国王は、他にも幾つもの国があり、それぞれが魔王軍と戦っている筈だって言ってたけど、他の国はどうなったの?」


「…もうありません。

 私の知る限り、こちら側の人族の国で残っているのはこの王国、つまりあなたを召喚した王国だけです」


『なんともはや、国王はこの事知って居るのかな…』


『ネットどころか、真面な通信手段も無い世界ですからね』


『知らない可能性が高そう…』


「では、王国のあの城塞都市で生き残っている人たち以外は、皆死んだと?」


「わかりません。

 その後私達は捕らえられ、あの地下牢に監禁されて居ましたから」


「なぜ、味方の筈のあなた達が捕らえられて、あそこに監禁されて死んでいたの?

 あの闇司祭は味方の兵士の筈のゴブリン達も生贄にしていたよ」


「実は、今の覇王はこれ迄と異なり、異質なのです…」


「異質?」


「はい…」




ダークエルフのリアナから事情聴取、前編でした。

続きは後編で。

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― 新着の感想 ―
[一言] こちら側があちら側、あちら側がこちら側 あちら側の帝国、こちら側の帝国。前の帝国、あとの帝国 訳がわからない❗
[気になる点] 召喚元の王国が元々侵略した側だって事が驚き。 しかし、なぜ航海術を失ったんだろう?
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