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詩集:墓守の唄  作者: ねこ山べに子
6/6

farewell


劣化したセロハンテープみたいに

眼鏡のレンズについた傷みたいに

それは

差し支える右と左

猛暑に浮遊する天秤

私が こう であることに

堪えられない

一秒ごと



この胸の裂け目に

あなたを突き落としたい  と

ベッドの底で血潮がわだかまってる

増えた髪の毛

子どもの頃のタオルケットを覚えている足首

気持ちが暑くて

かゆくて

だからというわけじゃないが

(君をわかりたくない)



夜に宿る粘着質の時計が

苛立つくらい無気力に 針を落としている

そのうつろな喧騒に誘い出され

歯車の上を滑り 落ちる

私      ぐんじょう色の      穴



あーあ 轢殺音

血も肉も骨も 金属にへばりつく

私は空色の錆になる

そうまでしてようやく

肺に満ちるものに

どれだけの意味があるのか

(わかりたい、はやく)




眼鏡を新調したら

いつの間にか 君を思い出さなくなった

躰はあおく冷え

窓の外で 何か

切なく

うつくしいものが散らついていた



今なら 君の消えていった場所がわかる

蛍光灯の下の

ゆるやかに不快な

ひかり色の海の向こう側だ



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