1/1

1.最初の告白

俺は人生で一度だけ告白したことがある。中学校の卒業式の日に、学年でも人気のある華やかで可愛い子だった。だが、結果から言うと振られてしまった。

決して仲が悪いとか今まで一度も話したことがないとかというわけではない。なんなら毎日のように放課後に教室で話したり、家に帰ってからも携帯で連絡を取り合っているほどには仲は良かった。

しかし、その子曰く「今までも、これからもずっと友達としてしか考えていなかったから気持ちに応えることができない」そうだ。

自分の中ではそれなりに自信があっただけに相当なショックを受けた。卒業式だったこともあり家族で外食に出かけたが、喉を通る物は全て同じ味がした。

それから、高校入学までの少しの休み期間中「友達」というものと「友達かつ恋愛対象」についての違いを探していたが、この頃の俺は正解を導き出すことができなかった。

友達にこの違いについて聞いてみても結局答えは得られず、気が付けばいつも通りの駄弁りが始まっており、明日にはもう高校の入学式が控えていた。