繰り返す世界
まただ。
いつも私は失敗ばかりだ。
もういやだ。こんなの!私ばっかり怒られるのは!
死んでやる…こんな世界とお別れだ。そうして私は飛び降りた。
景色が矢のように飛んでいく。
そして、地面につく瞬間、私は意識を失った。
朝、なんかいやな夢を見た。
かなり、リアルな夢を…
学校では、職員室に呼ばれ今のままでは進路は変更せざるおえないと言われ、下校中にナンパされるし、極めつけは、バイトでお皿を入れる棚を壊して中のお皿全部割ってそのままクビになるという最悪な夢だ。その後私は…何をしたか覚えていない。
いつもよりも早く起きてしまった。
私のことだ。寝直したら遅刻する。
仕方ないのでいつもは食べない朝食を食べて家をでる。
学校についた。
登校中の生徒はまだまばらだ。
私は校門をくぐり教室に向かった。
その途中で先生に会う。
「おはようございます」
私は先生に挨拶をした。すると、
「お前、昼休みに職員室に来なさい」
いきなりの呼び出し、朝の夢を思い出す。何で呼んだか聞いてみようとする。しかし、先生は
「やば、朝礼に遅れちゃう」
そういって、廊下を走っていった。最後に階段で転げる音と悲鳴が聞こえたが気にしない。
一限から四限まで授業を受けた。
なのに全教科当てられる。しかも、よりによって分かんない所ばっかり…
『まさか、先生達ねらって当ててるのかな』
そんな疑問がよぎる。だがそんな事はないと自分に言い聞かせる。
そして昼休みに入った。
朝、先生に呼ばれたから面倒だが職員室に行かなくてはいけない。
職員室の扉を開くと先生が手招きをしている。目の前までいくと
「まあ、そこの椅子に座りなさい。長くなるから」
そう言うと、先生は資料に目を落とした。
「お前は、県立大学に行きたいんだよな?」
先生はそういって私を見る。なんかいやな予感がする。朝の夢を思い出す。いやな予感だ。
まさかと思ったが案の定それだった。
今のままでは無理だといわれた。
話がすむと先生は
「頑張れ、お前なら出来るから」
っと最後に言って職員室から出るように指を入り口にさして手を振った。
そして、午後の二限とも、例によってまた、分かんない所を当てられた。
放課後の帰り道。私は一人で帰っていた。
友達はみんな、部活や生徒会、居残り勉強で一緒に帰れなかった。
バス停でバスが来るのを待っている。
後ろから急に声をかけられる。
「ねぇ、君、暇してない?」
そこには、いかにもバカそうな人が立っていた。
その人は、遊びに行かない?お茶しない?などいろいろと言ってくる。いわゆるナンパだ。
これも夢で見た展開だ。
バスが来た。バカそうな人もバスに乗ってきていまだに私を口説こうとしている。
いつものバス停についてすぐに降り私は走って家に帰った。
私は家に帰ってシャワーを浴びてバイト先に向かった。
私のバイトはファミレスのお皿洗いだ。
そして、夢のとおりなら私は棚を壊してクビになるはず…
でも、棚はいつもと変わりなく食器を待っているように見える。
私はいつもと同じようにお皿を洗って棚になおした。
直後に棚の足が折れて棚が崩れた。そして、お皿は一枚残らず割れていた。
今の音で店長が慌てたようにこっちに来た。
「貴様、今度は何をした!?」
店長が怒鳴りながら聞いてきた。
そして、店長は現場を見るなり、
「貴様はこの店を潰すつもりか?そんな奴はいらん!貴様はクビだ!とっとと出て行け!」
そう言うと私をすごい勢いで店から追い出した。
私は店に荷物をおいたまま追い出された。なんでいつも私は失敗ばかりなんだろう。
私ばっかり不幸な目に遭うのだろう。
こんな世界に生きていても仕方がない。
私は飛び降りた。景色が矢のように飛んでいく。その時にきずいた。
正面のビルに三人の人影があることに…
そして、地面につく瞬間、私は意識を失った。
また、朝だ。
あれは夢なのか?それとも現実なのか?
昨日は、確か夢が途中まで合っていて最後に飛び降りて最後に三人がこっちを見ていたのまで覚えてるんだけど他のことが思い出せない。
ひとまず、学校に行ってから考えるか。
学校に着いた。
昨日と同じく教室に向かう。
教室に向かう途中で先生に合った。
「おはようございます」
昨日と同じように挨拶する。
「お前、昼休みに職員室に来なさい」
まさか、昨日と同じじゃない?聞いてはいけないんだろうがどうしても聞かなくてはならないような気がした。
「先生、それって進路の事じゃないですか?」
すると、先生は
「お前、よく分かったな。今のままじゃ県立大学は無理だぞって言いたかったんだ。それだけだ。昼休みに職員室来なくても良いぞ。」
まさか、本当に昨日と同じだ。これも聞いてみるか。確信に近づく鍵として…
「先生、朝礼は大丈夫ですか?」
すると先生は腕時計に目をおとす。すると、
「ヤバ、こんな時間?完全に遅刻じゃん。教頭にまた怒られる」
そう言って先生は走って行った…
階段で転げ落ちる音と悲鳴が聞こえた。これで、分かったことがある。
『この世界は同じ日を繰り返している』
『この世界は同じ日を繰り返している』
そして、さらに確信が持てるような事があった。
一限から四限までの全ての授業で当てられたが私が昨日解いた問題と一緒だった。
こうして放課後になった。
バスで帰るとナンパされるのは分かっている。しかし、バスに乗らないと家には帰れない。どうすればいいか悩んだが、一つ遅れのバスで帰る事にした。
バス停でナンパされることもなく待つことができた。
家に帰った私は、バイト先に電話をして休むことにした。
しかし、なにかおかしい。
なにか見落としているような気がする。
考えているとケータイが鳴った。バイト先からだ、電話にでる。
『大変なの、あなたの代わりに店長が皿洗いをしてなおそうとしたら棚が壊れて店長が下敷きになって今、病院に向かってるのあなたも早く来て』
そう言って一方的に切られた。
店長が棚の下敷き?見に行かないと心配で仕方ないじゃない。
家を出る。すると急にめまいがする。目の前の手すりに手をかけようとする…がつかめずにそのまま手すりを超えて地面に向かって真っ逆様に墜ちていく。
「私ってやっぱり運ないのかな?」
そう自分に聞いてみる。やはり答えはない。
矢のように流れている景色に三人の人影が最後に映った。
そして、地面につく瞬間に私は意識を失った。
また、朝
自分の部屋にいる。
なんで自分の部屋にいるの?病院じゃなくて自分の部屋に?
そして彼女はきずいた。
死んだらその日が繰り返す事に…
しかし、彼女はきずいていない。
死なない日が来ないことを…
永遠に繰り返すこの世界の事も…
なにも知らないままただ、繰り返していく…
このもの語りは主人公いがいの目線から見ています。主人公の話は別の作品で出しますので宜しくお願いします。