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日常

これはあくまで事実を基にしたフィクションです。

実在する人物とかはいないのでそこんとこよろしく。

ある晴れた日、俺たちは学校で見てはいけないものを見た。


「お、お前ら…」


「ち、違うんだ!これには深すぎるわけが重なり合って生まれた残酷な現実であって」


焦り過ぎて何を言ってるかわからない上に、何を伝えたいのかわからないことを言っている久里山氏、そんな奴に覆い被さられている古馬氏。

どう考えてもホモがホモを襲っている現場だ。

紹介遅れたが、久里山はメガネぽっちゃりホモオタク。現代っ子。スマホ大好きっ子。

古馬はGと呼ばれ愛され…いや、あまり好かれてないかな。


「ホモ同士で抱き合ってたらそりゃ…なぁ」


小十郎は俺に同意を求めてきた。俺は静かに頷き菊紋をみる。彼も静かに同意していた。

だが、俺たちの興味は速攻で薄れていき、だんだんと『別に今に始まったことじゃないし、気持ち悪いし、どうでもいいか』という心の中で結論までに達した。


「そういえば今日巨神は休み?」


巨神とは元帥というやつのことだ。元帥はミリタリに詳しく、将来の夢はfpsの戦士になることだ(俺が勝手に決めた)

ちなみに巨体だから巨神。それ以上の理由はないし、必要もない。


「風邪じゃないか」


俺の質問に菊紋が答える。

俺はその答えに納得できなかった。


「あの巨神が?!風邪?!嘘だろ…?」


「いやいや、彼は本物の巨神じゃないし、君は神の子なんだから知ってるんじゃないの?神つながりで」


言い忘れてだが、俺のあだ名は神の子だ。

なんとなくゲームでつけた名前がいつの間にか浸透していった。


「巨神とは部署が違うから…」


宗教的な意味で。


「神にも、部署とかあるんだ」


小十郎は少し驚いたような顔つきで言う。

そりゃあそうだろう。誰も神様らに部署などという神秘的要素ゼロのものがあるとは思わないだろう。それが、あるんだよな…(宗教的な意味で)


「俺はゼウスの息子で、巨神は…どこだったかな…覚えてねえや。興味ねえし」


「それって、神の子としてどうなのよ?」


菊紋が笑いを含みつつ、ツッコミを入れる。


「いいんじゃねぇの?俺、神とかいうお飾り嫌いだし」


終始真顔で言う姿はまさに神秘とどこからか聞こえてきた。


「よくなくね?」


菊紋は冷静に答える。

少しこの話題が面倒くさくなって、投げやりになっていた俺はきっちりツッコミを入れてくれる彼の優しさを少し恨んだ。


「まあ、神の子がいいって言ってるんだからいいんじゃないの?俺神じゃないけど」


小十郎の酷いフォロー。そしてドヤ顔。

妙に腹立つこいつのドヤ顔をぶん殴りたい。


「いいのかねぇ…」


納得してないのだろう、締まり悪い顔をしている。

なぜこんな無駄なことに納得を求めるのだろうか。


「そういやぁ、この前電車で帰ってたらさ」


唐突に小十郎が話を切り替える。


「電車の中でえろ本読んでる人がいた」


とてつもなくどうでもよく、どういう反応を求めたのかが全く理解できない発言に一同は困惑した。

そして相変わらずのドヤ顔を決めている。

静まり返る教室。

俺は無言で教室を出た。



_________________________________________




物理の授業中、睡魔と戦う俺はこんなことを考えた。


(エロ部とか…楽しそうだなぁ…)


煩悩に塗れた俺の脳みそは毎日アッハンウッフンなことでいっぱい。

とても勉強の入る隙間なんてないね!


「おい、何にやけてんだ?!」


気がつくと目の前に広がる光景は、脳内再生されていたエッチな動画ではなく、ムキムキマッチョの物理教師だった。


「すいません。物理的に女の子に触るため、物理の勉強に集中しすぎました」


俺は至って真面目に答える。

表情を変えずにこんなことを言えるのは、この学校内ではお前ぐらいだろう、とクラス全員に言わせたことがある(夢の中で)


「馬鹿か?お前は」


呆れ果てた顔をした物理教師。

怒るのさえも面倒くさくなったのか、教卓へと戻っていく。

戻ったのを確認して、俺はまた自分の世界へと旅立った。


(フヒィヒィヒィッ、貧乳も魅力的だが、柔らかさがたまらない巨乳も…フヒィヒィヒィ…やっべ、涎が…)


授業が終わった後、俺は注目の的と言うほどでもないが、いつものメンツに囲まれていた。

いつものメンツとは今まで出てきたメンツに加え、コクブというロリコンと巨漢な男の元帥、ガンダム好きなようちんや車好きのあらちゃんがいる。


「与義さん、今日は何を考えていたんですか?」


いつも俺とキチっているあらちゃん。なぜかたまに敬語を使ってくる。


「ちょっと、おっぱいに囲まれた幸せな世界へ旅立っていた」


「素晴らしいっすね〜俺もちょっと次の時間旅立とうかな…」


「いいんじゃないかな」


あらちゃんは一番前の席だが、意外に一番前って見られないものらしい。


「与義さんの高揚した吐息が背中にかかって気持ち悪いんだが…」


コクブは俺の前の席だ。

そんなコクブから苦情が来た。


「仕方ないでしょ?だって、あの与義さんだぜ?そんな人の前になったこの運命を呪いなさい」


コクブを悟らせようとしているのが元帥。

暴論で論破していたら俺はいつのまにやら暴君と呼ばれるようになった。呼び始めたのはこいつだ。


「あはは、さすが与義さん。万年色情魔」


小十郎はさりげなく俺をディスってくる。


「お前らもどうせ発情してるんだろ?二次元美少女がリョナってるのを思い出して」


「特殊性癖は誰も持ち合わせてないと思っていたが、まさかコクブ!お前はついにそこまで進化したのか?!」


菊紋はツッコミを入れると見せかけてコクブにパスを回す。


「なんで俺やし!特殊性癖は与義さんしか持ってないだろ」


「いや、俺はリョナとSM以外はだいたいいけるけど、リョナ無理なんで…コクブとは違うし」


「俺も無理だから」


「「「え?」」」


俺と小十郎と菊紋の心が合致した瞬間だった。

これで永遠の友情が出来上がるだろう…(遠い目)


「なんで俺がそんなに変態扱いされなければならないの?」


「え?コクブって特殊性癖的にはこの学校内で敵なしって言われた男じゃん」


「言われてねえから!」


他愛もない話で盛り上がり、しょうもないことでテンションが上がる。この時間がいつまでも続けばいいと思った。

が、


「アァアアアアアアア!!!??未提出の課題が溜まってるんダッタァァァアアア!」


成績のとても悪い俺は人一倍課題が多いのに、人一倍課題の出が悪い。最悪のやつだ。

みんなは大笑いしながら俺を地獄(課題をやる)の道へと進ませる。

ここから一週間、俺は課題をかたずける毎日となった…

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