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幸せからの狂気


「んー! おいしい!」


「これも美味い!」



お昼ちょっと前に来たからか、ランチのお店はどこもそれほど混んでいなくて私達はちょっとおしゃれなパスタのお店に入った。

それにしても、本当においしい!



「それ、なんだっけ?」


「んっとね、たしかアサリのクリームパスタだったと思う」


「へえ。一口頂戴」


「いいよ。はい」



私がお皿を差し出すと麺を数本とって食べる光輝。



「ん! めっちゃ美味しい! 俺もこっちにすればよかったかな」


「光輝のはなんだっけ?」


「普通にナポリタン」


「こういうお店のだと味違う?」


「食べる?」


「うん!」



私も光輝のから数本とって食べてみると、すっごく美味しい!



「美味しいね!」


「だろ? もうそろそろ行くか」


「そうだね」



パスタを食べ終えた私達。

よし、いよいよ乗り物だー!

光輝がお会計(自分の分は払うって言っても譲ってくれなかった)をして外に出ると、そこには人、人、人!

なんで日曜日に来たんだろうなぁ。

めちゃくちゃ混んでる。



「あちゃー。これ乗り物何時間待ちだろう……?」


「どうする? 先買い物して人がいなくなってきたら乗り物行くか?」


「そうだね」



このテーマパークに来て良かった。

こういう時間の潰し方も出来るんだね。


ショップに入ると、かなり大きかった。

もうショップって言うより、ショッピングモールくらい。



「あー、わり。俺ちょっとトイレ行ってきていい?」


「いいよ。じゃあここで待ってるね」


「うん」



光輝と別れて近くの雑貨屋さんに入る。

みんな可愛いなぁ。


……しばらくしてもなかなか戻ってこない光輝。

どうしたのかな? トイレ見つからないとか?

心配だったけど、私が探しに行ったら方向音痴だから逆に迷子になるしなぁ。

まぁ、待ってれば戻ってくるか。

そう思ってまた雑貨を見ていると、背後から声を掛けられた。



「ねぇねぇ」


「はい?」



男の人の声。誰だろう?

そう思って振り向くと、いかにもナンパしてきた風の三人の男の人達。



「お姉さん一人? 俺らと遊ばない?」


「楽しいよ? あ、お昼食べた? 俺らいい場所知ってるからさ、行こうよ」


「え、あの……」



ど、どうしたらいいの?

正直ナンパなんて初めてだし、光輝もいないし……。



「どうしたの? ほら、行こう」



一人が私の腕を掴んで強引に引っ張り出した。



「やだ! やめてください。彼氏待ってるんです!」


「またまたー。彼氏さんがこんなところに彼女放っておくわけないでしょ」


「本当なんです!」



もう、どうしたらいいの?

必死に抵抗していると、急に男の人が腕を離した。

というか……吹っ飛んだ?



「てめぇら俺の彼女に何してんだよ?」


「光輝!」



よかった。きてくれたんだ!



「あぁ? てめぇ、何したのか分かってんだろうな?」


「下衆い男を殴っただけだけど?」


「てっめ……!」



仲間の男の人が光輝を殴ろうとするけど、光輝はそれを軽くかわし、お腹にパンチを入れた。

すごい……強い。



「はぁ……はぁ……すいません、でし、た……」



殴り合いが始まって数十秒。

もう既に息が切れている男が謝ってきた。

他の二人はいたるところから血を流して、動けない状態。



「もう、やめてあげよう? ほら、人も集まってきちゃったしさ」


「ん? あ、そうだな。じゃあ人目のつかない所に行くか」


「え! ちょっと光輝!」



慌てて止めるけど、私の声など聞こえないみたいに三人を引きずって歩く光輝。

なんで……。光輝が別人になっちゃったみたいで怖い。

私の知っている光輝じゃない!

どうしちゃったの……? 光輝……。


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