告白
「あのさー、俺、前から優奈のこと好きだった」
「…………」
「だから……その……付き合って下さい!」
……え?
「嘘でしょ? またからかってるの?」
だってそれしか考えられない。
目の前にいる光輝は大学に入ってから友達になった。
現在、私達は三年生。
そして3年間ずっと光輝のことが好きだった。
でも私なんか友達としてしか見てくれる訳ないと思ってて……。
だからこの告白が信じられない。
「嘘じゃねぇって。俺さ……最初優奈に話しかけられた時、なんだろ……ビビッっときたっていうか……。この子だ! って思ったんだよね」
そういって俯く光輝。
これは本当……かな?
だったら、返事は決まってる。
「こんな私で良かったらお願いします」
ペコッと軽く頭を下げたけど、心臓はバクバクでたぶん耳まで赤くなってたと思う。
そんな私を見て光輝は力強く抱きしめてきた。
「ちょ!」
「俺、今すげー嬉しい! やっと手に入った!」
本当に嬉しそうな光輝の声を聞くと、私もなんだか実感わいてきて「私もだよ。光輝大好き!」と、バカップルみたいな返しをしてしまった。
考えてみればここ、大学の中庭なんだよね。
「俺、一生優奈といる! 絶対離さねぇ!」
「うん。あたしも。一生一緒だよ?」
でもいっか!
今が幸せならそれで。
――私はまだ気がついていない。この瞬間、私の歯車が狂い始めたことに……。