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チートな俺は、Gクラス。  作者: 夜来
チートな俺は、ネームレス。
35/51

第31話:アルトは、道中で敵に遭遇した。

何だかんだで結構日にち開いちゃいました、夜来です。

「Nameless」 出発!


あ、どうでもいいですが……。

感想のご指摘より、リスニルが作ったギルド名を「Nameless」に変更しました。

章の名前を「Dランク。」から「ネームレス。」に変更しました。

――Side アルト――


王都エクシリアにある門は、全部で3つ。


エクシリア城を正面に望む、方角的には北にある正門。 1番大きく、また1番人の出入りが多い。

2番目に人の出入りが多いのは、東にある1番副門。 通称東門。 東側から来る品が多いのか、商人の出入りは、此処が一番多い。

そして、1番出入りが少ないのは……今俺が居る、2番副門。 通称、西門だ。

1番出入りが少ないといっても、正門、東門と比べての事。 毎日数千の人が門を潜る。

―――そしてこの門は、ギルダーの出入りが最も多い。 依頼に行く場所が、西に集中しているのだろうか?


まぁそれはともかく。 只今午前11時50分である。

かっちりとしたリスニルだから、正午の10分前を指定したのだろう。 ○○分前行動は、学生の基本だからな。



この西門に居るのは、門を潜る者を監視する守衛さんを除いて、5人。

俺、ソフィ、ラウス、リスニル、そして負けず嫌い(ダント)


……エイナが居ない。 もう50分になってるから、遅れているのだ。

……部屋を出るときに声を掛けたんだが……「先に行っててくれ」って言われて、俺はそのまま来た。

そんで、エイナはそのまま遅れている。 何してたんだ? アイツは。


そう思っていると、門に向かって駆けてくる人影が1つ。 大剣を背に、赤を基調にした服装の……エイナだ。

相当急いできたらしく、俺達の元までたどり着くとゼーハーゼーハーと息を吐いている。


「……1分38秒の遅刻だ」 ……淡々とエイナに告げるリスニルだが、正直そこまで細かくなくとも良いと思う。


「わ、(わり)ぃ。 剣を砥いでたらこんな時間になっちまった……」


なるほど、剣を砥いでて遅れたわけね。 よく分からないけども。

リスニルはエイナの理由を聞くと、フンと鼻を小さく鳴らした。


他の3人はといえば、リスニルの時間管理があまりにも厳しい為か、エイナに悪いイメージを抱く物は居ない様だ。

まぁ初日だし、気楽に行こうぜ、気楽に。


「……それでは、出発するぞ。 目的地は、ローカルド大平原!」

「9時間歩きっぱなしになるだろうが、気を引き締めて行くぞッ!」


おお、リーダーらしい。 子供っぽく「おー!」なんてのは別にやらないけど、こういうリーダーがいるから、士気が上がるt



「「「オー!!!」」」



……エイナ、ソフィ、ラウスの3人が声を上げる。 え、やっちゃう系なの?



――――



エクシリアの門を抜けて、俺達は東へと向かう。

西門を抜けると、当たり前のように道が結構な数あるのだが……ローカルド大平原までの道は、シンプル。


なんせ、真っ直ぐに行けばいいのだ。 エクシリアから、ずっと真っ直ぐ。

人間の歩く速度が時速5kmだったか。 9時間で着くと言っていたから……45km先か……。


元の世界なら車ですぐ着ける距離なのだが、車など馬車以外に無いこの世界では歩きがメジャー。 というか、足でしか移動できない。

だから、45km先と言っても馬鹿に出来ないのだ。 この調子なら、着くのは午後9時ごろ。


……元現代っ子にとっては、車のありがたみが良く分かる道のりだ。

勿論、俺以外の5人にとっては当たり前の事のようだが。


「……アルト、【クリエイター】で《転移(テレポート)》とか出来ないのか?」


10数分歩いていると、エイナが何気なさそうに声を掛けてきた。

その疑問に、俺以外の他4人が首をこちらにバッ!!と勢い良く向ける。 あ、やっぱ当たり前の事とは言え、歩きたくないのね皆。


……あ、そうそう。 「Nameless」のメンバーには、もう【クリエイター】のことを話した。

初めて知らされたソフィ、ラウス、そしてダントに言われなかったのかリスニルも驚いていたな。

とりあえず、このチームの為にも一般以上の力は使わないと約束した。 

……まあ、XCMで聖龍をぶっ飛ばしたチートパンチなんかあの双頭龍(ジェミニ・ドラゴン)が喰らったら、大平原の端まで飛ぶだろうからな……。

リスニルは食堂で「あんなパンチを使わないと約束してくれたら入ってもいいが」と、やけに偉そうなお願いをするつもりだったらしいが、なんだかんだで忘れていたそうだ。 なんじゃそりゃ。


「……んー、出来ないな。 いや、出来ると言えば出来るんだが……チームの為にもしたくない」


そう返すと、エイナは「そうか……」と簡単に引き下がってくれた。

……実はその理由、嘘だ。 俺が【クリエイター】に課した制約のその1、「他人に直接関わる「チカラ」は(軽いこと以外)行使しない」。

簡単に言うと、「死ね」って言ったら相手が心臓麻痺かなんかで死んじゃうだろうから、そういうのを防ぐ為に課したのだ。

デ●ノートならぬ、デスワード。


因みにそういった制約は、俺がマジで必要としている時にだけ開放される。 自動的に開放されるから、【クリエイター】の便利さが良く分かるな。


4人も、「出来ない」と分かった瞬間に黙々と歩き始めた。 現金なこと。


……「チームの為にも」って言うのも、あながち嘘とは言えないな。



――――



突然だが、こういうテンプレな話の中では、道中いろいろな物が登場するよな。

色々な物と言っても、殆ど決まってる。  ――――簡単に言うと、「悪者」。 盗賊団とか、盗賊団とか、盗賊団とか。


歩き始めて2時間後。 各々用意した水を飲んだりして、歩き続けている。

深い森をすぐ傍に見た道を歩いている時に、リスニルが何気なく言った一言。 それが、引き金になった。


「……そういえば、此処らへんには良く何とかっていう盗賊団が出没するらしい」


「人のものを盗み取ろうとするクズの集まりか。 ……どういう名前の盗賊だ?」


リスニルの言葉に反応したのはダント。 うわ、ひっでぇ。 否定はしないけど。


「……えーっとですね…………ホワ……ホワイト……」


……白?  そうやってリスニルが必死に思い出そうとしているときだった。 


「そりゃ、俺達『ホワイト・レオフィン』の事かい?」


比較的高い、男の声。 なんだなんだと騒ぐより、まずはその声のした方向……深い森が間近に迫る右を見る俺達。

……誰も居ない……?


「……な、何だ?」


エイナが言うが、「異変」に1番早く気付いたのは、ラウスだった。


「……ソフィが居ない」


はっ? ……その言葉より先に、1人の男が道に立ちふさがっているのが見えた。 ……腕には、ソフィ。 刃物を首元に突きつけられている。


「やぁやぁ君達。 ちょうど良いタイミングで思い出してくれたね。 思い出さなくても、出る予定だったけど」


……男は身長170くらい。 白いローブで顔は見えていないが、きっと笑顔だ。 口調的に。

それよりも、いつの間にか囲まれていた。 身長はバラバラだが、白いローブということは皆同じだ。 ざっと100人ほど。


「ホワイト・レオフィン……なるほど、素早さが売りというわけか」


リスニルが言う。 男は「大正解♪」とウザったらしい声で答えた。

レオフィンは、この世界に住む魔獣の1種だ。 尻尾が丸々ヒレになったヒョウで、地上でも水中でもかなりの素早さで活動出来るという、その魔獣。

何でも深層魔法で水中での活動を可能にしているらしいが……そういうことか。


素早さに定評があるんだな。 なるほど。


「このガキを血塗れにされたくなかったら、金目のもん置いてさっさと帰ってね。 自分の身の為でもあるだろうしね」


ますますウザくなるリーダーらしき男の言葉。 早く殴りてぇ……。

しかし、リスニルやダント、エイナもラウスも、中には、誰か知らないが歯軋りして男を睨む。 ソフィも、相当怖がっているようだ。

……よくよく見れば、こいつら1人1人ナイフやら、長剣やら、クロスボウやら武器持ってるじゃねぇか。 面倒な奴ら。


「……チ、なんかの【チカラ】か。 あの素早さ、人間業じゃねぇぞ」


「まぁね。瞬間移動と言うべきかな……。 さてと、そろそろ金目のもん置いて、帰ってもらおうか♪」


エイナが、ギリリッと歯軋りをしながら言う。 フフと哂いながら言う男。

……よし、余るほどイライラさせてもらったし、もう良いよな。


「……で、終わったか?」


「…………はっ?」


俺は、その男に向かって言う。 

今までに反抗されたことが無いのだろうか。 一瞬で目を点にして驚いている(らしい)男。


「……もう終わりか? そのウザったらしい話。 終わったら、さっさとどきな。 邪魔だからよ」


「……ハ、ハハッ! 何を言い出すかと思えば。 余程自分の置かれている状況が分かっていないようだねッ!」


うわぁ、テンプレだなぁそのセリフ。 でもさ、そのセリフって大概……。


「フラグだぜ?」


「は?」


おっと、思わず口に(笑)  まぁ良いや、ムカついたからアイツちょっと殴り飛ばしてくる。

と思うが早いか【チカラ】発動。 あの(・・)脚力で男に近づき、ナイフを持つ手を掴む。


相手は驚いて何も出来ないようだが、そっちの方が都合良いし、続行。 今度は筋力(パワー)を強化。

その手を…………グシャッと☆


「ガッ!? ああぁぁぁぁぁぁ!?」


握り潰した訳だな。 ま、そこまで完全にはして無いわけで。


「安心しな、骨にダメージはねぇよ。 さて、と「ゴァアアッ!?」……もう人質は無いわけだから、好きにやって良いぜ。 お前ら」


ナイフを落とした男。 ソイツを直に蹴り飛ばし、ナイフを別方向に蹴り飛ばして、同時にソフィも救出。 そして、俺が声を掛けるのは勿論「Nameless」の面々。


「言われなくてもやってるぜ、アルト!」


あ、リーダーの男を一方的にやってたから、人質にされてたソフィと俺以外の4人が何してたかは見えなかったんだよね。

エイナの声に反応して振り返ると、其処には阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていた。 一方的だけど。


ダントはいつの間にか聖龍を召喚し、XCMでは俺にぶっ飛ばされた為に放てなかった《聖龍焔(セイントブレス)》をぶっ放していた。 10人は吹き飛んだな。

心なしか、聖龍が溜まりに溜まったストレスを発散するように《聖龍焔》を放っていたのは、気のせいかな。


リスニルは、背中に背負った大剣(『クラッカー』って言うらしいな、あれ)を地面に突き刺し、何か呪文のような物を詠唱していた。

すると、地面に衝撃波らしきものが走り、それは直線状にいたホワイト・レオフィンの奴らを弾き飛ばしていく。


エイナも大剣を使っているが、得意とする《伸長(ストレッチ)》の魔法でも使ったのだろうか、刀身が馬鹿みたいに長い。

それをあっさりと操り、切り捨てるというか、当たった敵を吹き飛ばしていく。 うわぁ、バットに当たったボールみたいに吹っ飛んでく。 力おかしいだろ。


ラウスはっと……? ん? 何もして無い? ……いや、時々手を動かしてる。 それだけで、前にいる奴らは何かにぶち当たったかのように飛んでいく。

……なんだ、「不可視の手」でも使ってんのか? Bクラスらしく、強力な【チカラ】であることは確かなんだが。


「……へー……皆凄いですね。 XCMで見た以上に迫力ありますよ!」


「……だな。 しっかし、ゴミのように吹っ飛ばされていくな、奴ら」


「きっと武器で武装したから慢心して、地の力は弱いんですよ、多分」


俺達は要らない人員みたいだ。 ソフィがちょっと興奮したように言い、俺は興味無さそうに言う。 だって、XCMで散々見たし……なぁ?

なるほど。 武器に頼りすぎたゆえ、ね。 ……っていうか、大剣持ちが2人もいるこのパーティを怖がらなかったのか? こいつら。

俺達と同じように考えてたのかもな。



――――



「片付いたな。 やけに弱い奴らだったが」


「気にしないほうが良いですね。 さぁ、行きましょうか」


ダントがつまらないといった表情でそう言い、リスニルの声とともに歩き出す俺達。

倒れていた奴らはもう居ない。 一斉に逃げ去ったのだ。 ……いやぁ、ほんとにつまらなかったな。

そして、ちょっと時間を食ったがあと7時間ぐらいか。 俺達は、どんどん進んで行くのだった。 



――――

――とある大通りでの、とある会話――


「なぁなぁ聞いたか? あの『ホワイト・レオフィン』が王都警備隊に捕まったらしいぞ」


「聞いた聞いた。 盗みの素早さで有名だったってのに、ゾロゾロって大胆に歩いている所を見つかって、そのまま牢獄にってな」


「なんかさ、すげぇ元気無くしてたらしくてよ。 馬鹿みたいだよなぁ」


「そうそう。 「弱いガキの連中かと思ったら、滅茶苦茶強かった」って言ってるらしいぞ。 誰なんだろうな、そいつら」


「全くだな。 「『ホワイト・レオフィン』をお縄にかけた、謎の子供集団登場!」 ……ってな!」


「ハハハ! 何だそりゃ!」


「「ハハハ!」」




「……今の話、アルト君じゃ……クエストしに行って来るって言ってたし……」


「アイツとエイナちゃんなら有り得る。 というか、最高位(トップ)第二位(セカンド)も居るからそうだと思う」


「……ぐっじょぶ。 (グッ)」


「「……」」

最後の奴は、適当に入れました。

最初の2人はモブですが、後の3人は誰が喋ってるか分かりますよねww


報告、って言うか予告を。

土曜日を週の最後と取るならば、再来週の4日間、いつもどおり家に居ません。

つまり、投稿できないわけで。 今ぐらいで報告した方が良いかなーと思って。

それじゃ、この辺でー。

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