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チートな俺は、Gクラス。  作者: 夜来
チートな俺は、Gクラス。
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第2話:アルトは、この世界の知識を10年で蓄えた。

――Side アルト――


………。


「ラブリーなアルト! 10歳おめでとう!」


「貴方が10歳になったということは、全世界に発信されててもおかしくないわ!!」

「そうよねダーリン!」


「そうさマイハニー! 発信されないのが不思議なくらいだよ! ハッハッハ!」


…うぜぇ。


「…あ、ありがとう」



というわけで、俺は10歳となった。 つまりは、あの日から10年という月日が経ったわけで。

俺の容姿を説明しておくと、赤茶色の首まで伸びた髪に、自分で言うのもなんだがキリッとした目。 なんだろう、自分なのにカッコ良い。

元の世界でブサメンだった俺だから言えるセリフ・・・なのか?


この10年間、俺は「この世界」について…この爺さん、ナシズ=シューバと、婆さん、サナブ=シューバから色々と聞くことになった。

2人のテンションは10年間全く変わらず。 いや、それはそれで楽しくもあるんだけれども。


10年も一緒に居れば話が聞けるのは明白で。 そうそう、外に連れて行ってもらったりもした。



……この世界。 【エンヴァー】と名の付いた大陸が陸地の殆どを占めている世界。 というより、大陸がエンヴァーしかないんだよな。

その周りは殆ど海。 「殆ど」? と思う人がいるやも知れないが、それは後で説明しようかな。


大陸は、幾つかのエリアに分かれている。


人間、または人形、人間に友好的な魔族が街を築く…通称「ヒュマン・エリア」 たぶん「ヒューマン」からとったんだと思うが。

面積の割合は、ざっと55%。大陸はほぼ円形なのだが、そのほぼ右半分と、大陸の北に、左半分へとピョコンと突き出た5%分。

人間が住むだけあって、緑が一杯、資源は豊富、人間一杯。 元の世界みたいだ。

そのヒュマンも、幾つかの都市に分かれている。 多すぎて、紹介できないかもしれない。


左半分はといえば、魔族たちのご登場である。


…そうそう、魔族の説明をしていなかった。

みんな予想はついてると思うが、魔族というのは、この世界で人間ではない動物達の総称である。


それは殆どが動物型であり、そいつ等は「魔獣」。 一部は高度に発達した通称「魔人」と呼ばれる。俗に言う、悪魔だったり。

ヒュマンに居る人型の魔族は、魔人と呼ばれる、高度な知能を持った者たちだ。



…突然だが、ここはテンプレ世界(ワールド)。 だから、やはりというか、人間と大陸左半分に居る魔族たちは対立している。

大陸左半分、上35%を占めるのは、人間に対立する魔族が住む、「サタナー・エリア」。 悪魔…サタンからとったのか。


景観はというと、ヒュマンと対して変わらないらしい。 意外や意外。

だが、一部は血の河が海へと流れていたり――「殆ど」海といったのはこれ。――、溶岩がどろどろと流れる高い火山が有ったり、まるで地獄のようだという。


そして、残り10%、大陸左半分、南はというと、密林があったり、草原があったり。

ヒュマンと変わらないが、そこに人間はあまり住んでいない。 自然保護区のようなものだろうか。

比較的弱かったり、人間と比較的友好関係を結ぶ魔獣、魔人たちが其処に住む。 名前は、「ジャンガー・エリア」。ジャングルからとったのかな。

「比較的」なので、中には強い奴もいれば、あまり人間と友好的でない奴も居るそうだ。





さて、俺がナシズ爺、サナブ婆と一緒に住むのは、ヒュマン南西部にある小さな村、ソツタと呼ばれるところだ。

自然豊かな村であり、河川や森、滝もあるらしい。

村と言っても、人が住んでいない村らしく…。 住んでいるのは、俺たち3人だけらしい。

人が住んでいない理由、それは単に、ジャンガーに隣接しているからであろう。 西を見れば、直ぐ近くに密林が見える。



ふぅ、こんなぐらいだろうか。 

さてと、日常に戻ろう。



「なぁ、爺ちゃん。」


「なんだいアルト! 答えられることなら何でも答えちゃうぞ!」


「お…僕ももう10歳じゃん。 やっぱり、15歳になったら学校へ行くんだよね。」


「勿論さ、愛しのアルト! だからね、15歳になるまでの5年間、私達が教えられることは全部叩き込んでおこうと思ってね!」


「そうよアルト! ダーリンは格闘術で鳴らしてた頃があったから、全部アルトに教えると思うわ!」

「私も教えられる魔法はすべて教えるつもりよ!」


「ダ―――リ――ン!」「マイハニ―――!」


何故かひしと抱き合う2人。 やはり、この2人のテンションには付いていけない。

へぇ、爺さんは格闘家だったみたいだな。 婆さんは、魔法使いか?

どっちも使えるって、良いよな。 この5年間で全部覚えられるのか不安だけど、教わることが出来る物は、全部教わっていかなきゃな。


「学校」は、皆さんご存知、教育の現場だ。 この世界は15歳から、教育が始まるらしい。 元の世界ではもう高校生だ。

それまでは、親が基本的なことを教えたり、ナシズ爺やサナブ婆みたいに、魔法や格闘術を教えたり。


そして学校へと入ってからは、勿論普通の授業、言語や数学、そしてこの世界特有、魔法の授業なんかもあるらしい。



…さて、ついに魔法だ。 今までサラッと登場してて、あまり気付かなかったかと思うけれども。

人間や魔族、ついでに植物にさえ、個体一つ一つの中には、「魔力」という不可視の力が存在する。見える人には見えるらしいが。

人間や魔人は、その魔力を繊細に扱うことが出来(個体差があるが)、魔力を「練り」、現象として「顕現」させ、「魔法」として扱うことが出来る。

勿論、魔法には色々な種類がある。


魔獣などの動物、植物などは、無意識に魔力を練り、魔法を使うことで角の攻撃力を高めたり、硬い皮膚の防御力を高めたりと、いろいろらしい。




そして、これは人間だけなのだが、魔法とは違う【チカラ】というものがあるらしい。

例えば「火の玉を出現、操ることが出来るチカラ」だったり、「不可視の防御壁を出現させるチカラ」だったり。 

人によって様々な【チカラ】、――同じ【チカラ】を持つ者もいるが――は、まだ魔法とは違い、原理も全く分からない。

だが、現象として其処に存在するのだ。確かに。


【チカラ】は、一般的に13歳前後で開花するらしい。 なにそれ期待。とワクワクする気持ちも分からなくは無いだろう。


「さて、私は1から格闘術を教えるからね! 学校へ行ったときに通用するかは分からないけど、教えて損は無いからね!」


「私も魔法を教えるわ! 今の魔法のレベルがどんななのかはわからないけど、教えておいて損は無いわね!」


「じゃあアルト! 今日は格闘だ! 最初の最初から教えるからね!」



―――アルト=シューバ。 格闘術と魔法を教わる。



このとき俺は、5年間がこんなにも長い物だとは思わなかったんだ。 つまり。 かなり充実した5年間になったわけだ。

【チカラ】の開花もあったし、あの時驚いたのは、今でも記憶しているよ。


さぁ、次のページだ。

本当は年齢を5歳にしようかと思いましたが、後々のことを考えて10歳に手直し。

どこか直されていないところがあったら、何なりとどうぞ。


勿論、感想やアドバイスもお待ちしております。

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