表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートな俺は、Gクラス。  作者: 夜来
チートな俺は、Gクラス。
24/51

第23話:アルトは、XCMに出場した。 (7)

gdった。 やばいほどgdった。



っていうか100万PV……?

目が毒されたかな、ゴシゴシ。

――Side ヨライ――


XCM決勝戦。 試合は、2番手まで終わっている。

1番手は【魔法を吸収するチカラ】を持つAクラスのテミニル・ラート対、【魔術特化(スペシャライズ・マジック)】で魔法を強化するGクラスのミリア・メテリア。

メテリアは、アルトの助言もあってラートの【チカラ】の弱点を見抜き、その豊富な魔法力でラートを破った。


2番手は、【超鈍化結界を張るチカラ】で相手を殴り倒すAクラスのアグス=レイアンと、【脚力を超人レベルまで上げるチカラ】を使い、速攻で相手を蹴り倒すGクラスのザリアント=ヨハン。

勝負は、攻撃を避け続けるレイアンに対し、焦りから「相手を倒すこと」しか考えられなくなったヨハンがまんまとレイアンの罠にかかり、敗北。


これで勝負は1-1の同点(イーブン)。 


さて、次は3番手対決だ。 先に選手を出すAクラスが闘技場へと送り出してきたのは……。


2回戦では出場しなかった相手。 しかし、学年最高位(トップ)のダント・サスティーフではない。

そう、唯一今まで顔を見せず、1番読みにくい相手。 その姿は、金髪に赤のメッシュを入れた短い髪に、ブレザーを着崩した……女子だった。



――――

――Side アルト――




……っと、アレは、2回戦で出て来なかった残りの1人だな。 負けず嫌い(サスティーフ)は除けて、な。


さて、こちらの残りは俺、エイナ、アリスだ。 負けず嫌いが出るのは最後だとして、俺が出るのも最後だな。展開的に。

そして、Aクラスのもう1人は大剣持ちの白髪女子…えーっと、リスニルとか言ったか。


……アイツは、何となくエイナと当たらせて見たいよな……しかも、アリスと当たらせたら、地面砕かれたりしてゴリ押しで負けそうだ。

と、なると……あのメッシュ女子と当たるのは……


「…………私?」


俺が言う前に、アリスが言う。……そうなりますね(泣)

……冗談はこの辺にしておいて、そういう理由があるからアリスに決定かな。


「そういう風になるな。 ……あと、俺の思考読んだりした?」


「……何のこと? ……それじゃ、行ってくる……」


……ナシズ爺やサナブ婆と同じように、俺の思考を読むヤツが3人も現れたら、それはそれで厄介だな。

アリスが本当に知らないことを祈りつつ、俺達はアリスを送り出した。



――――

――Side ヨライ――


「アンタね、私の相手は」


アリスが闘技場に姿を表すなり、自信満々といった表情で言うAクラスのメッシュ女子。名前はフィンル・エレンス。


「…………そうだけど」


「……くっらいなぁ! もっと明るく行こうぜ! せっかくの試合なんだからさぁ!」


自分が暗いのは自覚してるアリス。 お前は明るすぎだろと心の中で毒づきながら、開始位置に立った。


「それでは始めます! 3番手、始めッ!」


トーの絶叫とも言える開始宣言。 先に動いたのは、アリスだ。


「……【発動】」


アリスの【チカラ】、【密林を支配するチカラ】こと【密林地獄(ヘル・ジャングル)】。

両手を突き出してそう言うと、1回戦、2回戦と同じように、アリスを中心にして円状に密林が広がる。

大小様々な木、草、そして土。 確かに密林といえる場所が、闘技場を覆っていた。 アリスの準備は完了。



……対し、エレンスは動かない。 しかし、怖がっている様子はない。 むしろ


「ほー、すっごいじゃん。 ジャングルだジャングル!」


珍しがって、普通でも高いテンションがさらに上がっているようだ。手を大きく振り、本当に楽しがっているようだ。 小さくそれを見たアリスは、小さくハァとため息を吐いた。

だが、これは試合だ。 負けられない戦い。 アリスは、すっと右手を引き、少しの間を開けてから再び突き出した。

そうすると、エレンスに向かって、バシュンッ!と鋭い蔦……槍蔦と言うべきだろうか……が飛ぶ。

エレンスは、動かない。 勿論、怖がっている訳ではないが、蔦に当たると確実にダメージを受けるのは明白のはず。

それなのにどうして動かないのか、というと。



「!? ぁっぐ……?」



エレンスではなくアリスが苦しみだす。 突き出した右腕が、灼けるように痛い。 思わず左手で右手を押さえた。 まともに前を見ていられない。

もう、手首から先の感覚はない。 つまり、千切られたか切り落とされたか……。 しかし、そんな感覚ではない。 切られた感覚ではないのだ。


反射的に蔦を引く。 戻ってきた蔦を見ると、先端がドロドロに溶けていた(・・・・・・・・・・)


その蔦の操作をやめ、段々と戻ってきた手の感覚。 前を見ると、アリスは目を疑った。



「あははっ! どうしたの、ほら、かかってきなさいよっ!」



その声は変わらずエレンスの物だ。 だが、そのエレンスには左のわき腹がなかった(・・・・)。 文字通り、ごっそり抜け落ちたかのように。

よく見ると、わき腹があった場所ではその断面がジュウジュウと音を立てている。


アリスが、エレンスの【チカラ】を正に見破ろうとした瞬間。 その考えはエレンスの声で断ち切られた。



「行かないなら私から行くよッ!」



ゾッとした悪寒が走り、ほぼ無意識に今度は大木を操って木の槌として振るう。 エレンスはまたも避けようとしない。

槌が当たる。 だが、人を殴ったような感覚は無いし、鈍い音もしない。 ただ、其処に響くのは



「あぁぁぁがぁぁっ……!!」



突き出す左手から灼ける痛み。  今度こそ、アリスは大きな呻き声を上げた。

エレンスはと言えば、その木の槌がある場所から居なくなっていた。 大木は、表面が溶けてまるでマグマのようになっている。

そして、地面の土も大木の表面のようにジュウジュウと音を立てているが、それはアリスのほうにゆっくりと、確実に迫ってきていた。

強大な熱量を持つ見えないマグマの塊が、地面を這っているかのように。



もう、アリスには分かっていた。 エレンスの【チカラ】。 大まかにだが……その予想は当たっている。

弱点までは分からなかった。 しかし、それがアリスの希望になった。


眼の前にまで迫った「それ(・・)」に、アリスは一縷(いちる)の望みをかけて、四肢全ての力を込めた、4つの大木を「それ」に向かわせた。



ダガァンッ!と轟音がし、其処には4つの巨木が突き刺さっていた。




……そして、倒れたのは四肢全てに激痛が生じ、ショックで気絶したアリスのほうだった。


「それ」……ぶくぶくとあわ立つ液体は瞬く間にブレザーを着たエレンスの姿へと変わり、一瞬にして消えていく密林(ジャングル)に背を向けて、ゆっくりと控え場所へ帰還していった。


またも、観客席で歓声が上がったのはAクラスの方だった。



――――

――Side アルト――



「……チッ……」


俺は舌打ちした。  何故かって、あのメッシュ女子とアリスとでは相性が悪いからだ。

【自身を強酸に変えるチカラ】 ……ブクブク泡立ったり、大木とか蔦が溶けたりしたところで分かった。



「アイツに勝てそうなの……ミリアとアルトだけじゃねぇか」


「ごほっ……さすが……Aクラスだね……」



エイナが、もはや諦めとも取れる発言。 それに乗じて、段々と回復してきたらしいヨハンが言う。


「アレは王水か……? もしそうじゃなくとも、濃硫酸とか濃硝酸とかありえるな……」


……王水。 濃硫酸でも溶けない金やプラチナを溶かす、超強力な酸性の液体。 人間の皮膚など、瞬く間に溶かしつくす危険なモノだ。


「……なんだそりゃ?」


「……いや、なんでもない」


多分、この世界では硫酸やら硝酸やらは無い。 王水なんてもってのほかだろう。

ここではあぁいう酸のことを別の呼び名というらしい。(その呼び名をエイナは知らなかったらしいが。) メンドクサイからこれからも強酸と呼ぶが。


俺はこの時、少しだけゾッとした。 残りは俺とエイナ、あちらは負けず嫌いと白髪の女子、大剣使い(リスニル)

Aクラスとは、「こういうもの」なのかと実感した俺だった。


―――3番手終了。 勝者、Aクラス フィンル・エレンス

―――Aクラス 2-1 Gクラス

ありがとうございます!×100程。


これからも精進していきますので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ