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チートな俺は、Gクラス。  作者: 夜来
チートな俺は、Gクラス。
20/51

第19話:アルトは、XCMに出場した。 (3)

「Class A vs Class B」


アルト「何か今日はやけに早くないか? 投稿するの」

ヨライ「気分」

――Side アルト――



――――さて、XCMも2回戦…もとい、準決勝になった。

勝ち残ったのは、Bクラス、Eクラス、俺達Gクラス。 そして、シードのAクラス。


Bクラスキャプテンのエリヴァン=シャルロッテは、【宝石を魔法として使えるチカラ】でFクラスのキャプテン、ケン=フォロウを圧倒。

Eクラスのキャプテン、マリン=ブルーミアは幻覚系の【チカラ】でCクラスキャプテンのコルモ=ヒューリスを一発で仕留めた。

そしてGクラスキャプテンの俺は、Dクラスキャプテンのセルニータ=モザの姑息な戦法を【チカラ(クリエイター)】で破り、殴り飛ばして勝利。


Aクラスはシードだから各々実力は分からないが、きっとBクラスより強い。 いや、絶対強い。



「さてさて! XCMも1回戦が終わり、準決勝へと移ります!」

「ここからはシードのAクラスが登場します! 一体、どういった戦いを見せ付けるのでしょうか!」



司会であるモデラ・トーの興奮した実況。 もう慣れたけど、何時聞いてもウザったいな。

でも、Aクラスの実力が未知数なのは事実だ。 あの負けず嫌いがキャプテンだから・・・相当手強いな。


「・・・・・・ト」


うーむ……多分当たるのは負けず嫌いだろうし……


「・・・い・・・ト」


奴の【チカラ】はまだ分からないが…とても高位のものだろうな。 【召喚系(サモナー)】なら【ドラゴンを召喚するチカラ】ぐらいか。


「・・お・・い・・ルト・・」


《聖騎士》の二つ名だ。 相当高い戦闘能力に違いないな。 気を付け・・・ん? なんだ、さっきから耳元で・・・。


「おーい! アルトォ!」


その声が聞こえてきた時には、俺の頬には鈍い衝撃が加わっていた。 即ち、拳。

エイナの【チカラ】…物資の硬質化を使ったのだろう、人間とは考えられない硬さだった。 


「いってぇ・・・!!  何すんだエイナ!」


「何じゃねぇだろうが! さっきから話しかけてるってのによぉ!」


あ、あの声はエイナだったか。 「・・・すまんすまん・・・」と平謝り。 暴力には勝てないな。


「で、なんだ?」

「・・・っておいおい、もう1番手が始まってるじゃねぇか! どうして早く呼んでくれなかったんだよ!」


「だからさっきから呼んでたんだろうが! もう始まるぞーって!」


「・・・うるさいですわ。 Gクラスのその2人。 ・・・静かにしてくださる?」


俺とエイナがいがみ合う其処に、凛とした声が割り入った。

Bクラスのキャプテン、金髪のクルクルカールがトレードマークのお嬢様系女子、エリヴァン=シャルロッテである。


・・・え? なんでエリヴァンがここにいるのかって? 答えは簡単だ。 ここが控え場所だからである。

そう、Bクラスの控え場所とGクラスの控え場所は同じ所。 同じように、AクラスとEクラスの控え場所は同じだ。

これは、闘技場の出入り口が2つしかないからであり、現在の対戦者と次の対戦者の控えが、必然的に同じになるのだった。


「す、すまねぇ。 ちょっと熱くなった」

「すまんな」


やはり、対戦前だから緊張しているだろう・・・悟った俺(と、アルトは気付かなかったが同じ事を悟ったエイナ)は(同時に)謝った。

エリヴァンは、「ふん・・・これだからGクラスは・・・」と、イライラするが言い返せそうに無い言葉を浴びせ、闘技場の方向を見た。


それに釣られ、俺達もその方向を見る。

今はAクラスの1番手、青髪の爽やか系男子と、Bクラス1番手、茶髪の筋肉質な男子が戦っていた。


―――

―Side 「青髪」――


「ウオラァァッ!」


茶髪の力強く、それでいて隙の無い回し蹴りが僕の頭部を狙う。 だけど、まだ甘い。

それを屈んで避けると、予想通り。 茶髪は強引に回し蹴りを中止し、もう片方の足でのローキックを狙う。奇襲。


だけど、予想済み。 屈んだところから左に大きく転がって避け、直ぐに立ち上がる。


「どうしたぁ! 避けてばかりかゴルァ!」


「・・・生憎、避けないといけないんでね」


相手は脳筋のようだ。 全く、敵と拳を交し合う事だけが戦闘じゃないのに。 避けることも戦術の一つだというのに。

Bクラスだと思いたくないね。  ……後1つだ。


「それなら喰らえゴルァ!  【発動】!」


その声と同時に彼の右腕は黒ずんでいく。 闇に侵食されるかのように。

そして、完全な漆黒となった彼の右腕。 彼は振りかぶって・・・何か来るのか?


「《空気の弾丸(エア・シュート)》!」


右腕で、何も無い虚空にストレートを繰り出した。 それは一応僕の方向を向いてはいるけど10mほど離れた僕には当然当たらない。

・・・でも、小さく何か聞こえる。 ・・・コォォォという音、前からだ・・・なるほど。

僕は其処から右に駆け出す。 ドォン!という音。前に僕がいた場所は、硬い地面のはずなのに「何かで大きく砕かれていた」。


「ガハハハァッ! 俺は【右手なら何でも殴り飛ばすチカラ】の持ち主だ! 当然、空気だって殴り飛ばせる!」

「体に穴開けたくないなら、無様に避け続けなぁっ!」


・・・確かに強力だ。 だが、それを把握した以上当たらない。(脳筋の証拠だね。) そして、僕の【チカラ】も見抜かれにくい!

僕は逃げる。 正確には、ある一点に向けて走る。 そして、たどり着く。 1番最初に「点」を置いた場所!


其処の地面に手を置く。 茶髪は「諦めたかぁ!?」などと言っているが・・・よし、準備完了。


「というわけで・・・」


「なんだぁ!? まだ何かやる気かゴルァ!」


「発動♪」


――――

――Side アルト――



青髪が何か言った後、茶髪はまた空気を打ち出そうとしていた。 ……アイツの声は良く聞こえたからな。 何するのか予想はつく。

しかし、茶髪は振りかぶった体勢のまま動かない。 ・・・いや、少しずつ動いてはいるが・・・遅すぎる。


その間に青髪は蚊が止まるほど動きが鈍くなった茶髪に近づき――――問答無用のフルボッコを始めた。

・・・うわぁ、ひどい。 殴る蹴る打つ突く叩く・・・・・・それは、20秒間にも続いた。

不思議なのが、あの茶髪はどれだけ攻撃を加えられようと、あまり動かないのだ。  アイツだけ、動きが鈍くなったように・・・。


・・・青髪がまた何か言うと、茶髪は開放されたように倒れこむ。 ・・・気絶しているようだ。


「な、何ということだ! カノンがボコボコにされて負けるなんて・・・!?」


Bクラスのメンバーだろう、黒髪で杖を持った男子が、信じられないといった表情で闘技場内を見る。


「・・・くそ・・・次は・・・フウカ! 貴女の番ですわ!」


「はっ、はい! 行って参ります!」


何時もとは違い、小さく震えた声でエリヴァンが次の命令を下す。 立ち上がったのは、剣を持ち、黒髪でおかっぱ(に似たヘアスタイル)の女子。

日本人らしい名前。 剣もよく見れば刀身が細く、日本刀のようだ。


フウカと呼ばれた女子は、自らを鼓舞するかのように「おー!」と声を出し、闘技場内へと入っていった。


――――


結果。 そのフウカ・エーリルという女子は負けた。

相手は、長い白髪の女子・・・ウェスレイ・リスニル。 背には、3mを越すだろう刀身を持つ、大剣。


エーリルは侍よろしく素早い動きと精密な刀捌きだったのだが、相手の女子はひどかった。

なんせ、その大剣を片手で持ち、片手で振り回すのだ。 リーチの差は歴然。


その大剣は地面を砕くと共に地面を進む衝撃波も備え、最終的にはエーリルにそれが当たったのだ。

これはひどい。 力の差がありすぎるのだ。


ボロボロになって帰って来たエーリルを見て、エリヴァンが震えているのが分かる。


「・・・私が行きますわ」


すっと立ち上がったエリヴァン。 先ほどの杖を持った男子が「私が行きます!」というも、エリヴァンの足は止まらず。


「私は、何としてでも勝ちますわ。 だから、其処で黙って見ていなさい」


男子は引き下がった。 俺達はそんなエリヴァンに何の声も掛けず、いや、掛けられず。 その背中を見送った。


――――

――Side エリヴァン――



・・・強い。

・・・確かに強いですわ。 Aクラスの名は伊達じゃないって事ですわね。


でも、でも私は勝つ。 何としてでも勝ちますわ!


あちらから出て来たのは、私より背が低い男子生徒。 黒髪で、特に何も身につけていない。

何も付けていないということは、格闘・・・? 悩むも、それは戦ってみないと分かりませんわ。 静かに、気合を入れる私。


「それでは、3番手・・・始めッ!」


ゴングが鳴り響き、私は一気に攻勢を掛ける事にしましたわ。


「《竜巻(トルネード)》!! 《金剛の刃(ダイヤモンドカッター)》!」


私がそう叫び、左の人差し指にあるダイヤの指輪を突き出すと、突如、闘技場内に大きな竜巻が巻き起こりますわ。

2つの魔法で、その竜巻に触れようものならたちまち切り裂かれる・・・いわば鎌鼬の竜巻版ですわ。 本体に触れなければ大丈夫だけども。

今ので、ダイヤが半分ほど減りましたけども…大丈夫。


それはゆっくりと彼に近づき、彼は動こうとしない。




・・・でも、それは怯えてるのではなくて。


「面倒だなぁ・・・消えろよ」


彼はすっと右の人差し指を竜巻に向けましたわ。 そして、それが竜巻に当たって――――



パシュン! という小さな音と共に、その竜巻は「消え去りましたわ」。



え?   その時私は、あまりの驚きに身動きが取れませんでしたわ。

そして彼はというと、


「っ~・・・良い魔法持ってるじゃん…。 まーでも、残念でしたということで。 バイナラ♪」


彼はそういうと、その人差し指(よく見ると、細かな切り傷が出来ていましたわ。)をこちらに向けて、何か、黄色い球体を発射。

先ほどのことで放心状態だった私は初動が遅れましたわ。 そして、それが当たると・・・


「…―――――!!」


声も出せない、切り裂かれるような痛み。


私は何も言えず、その場に崩れ落ちて・・・最後に思ったのは、悔しさと、Bクラスの皆に対する謝罪でしたわ。



―――――

――Side アルト――



「い、一撃! エリヴァン=シャルロッテの竜巻がいきなり消えたかと思うと! テミニル・ラートの黄色い球体がエリヴァン=シャルロッテを一撃で倒したー!」

「これにより、3対0でAクラス快勝ー! 決勝進出を決めましたー!」



(つえ)ぇ……」

「なんだあれは……見たことがないぞ、あんな物」

「……な、なんですかあの人達」

「…………」


エイナ、ヨハン、メテリア、アリスと続く。

4人は、あまりの圧倒振りに驚いているようだ。 そして、俺も驚いている。


運ばれていくエリヴァン。 あのラートとか言う奴、チート臭いな。

だが、1人目のからくりはある程度分かったし・・・2人目も多分行ける。そして、俺は負けず嫌いと。

俺は、燃えていた。 確かにAクラスは強い。 だが、そんなAクラスに、勝ちたい。

幸い、俺には対抗できるぐらいの「力」はある。 そして、この4人にも。


「よっし・・・皆、次は俺達だ。 勝つぞ。 絶対・・・」


4人は、戦々恐々としながらも頷いた。 よし、意思さえあれば…この5人なら行ける。


―――次の対戦は、Eクラス対Gクラス。


「サクッと勝って、早くAクラスの奴らを潰しにいこうぜ!」


―――Aクラスが圧倒的な力で勝利した。

―――他4人が軽く戦意喪失する中、アルトは1人、まるで明日遠足に行く子供のように―――ワクワクしていたのだった。

アルト君 み な ぎ っ て き て ま す


ごめんなさい、何か面白くしようとしたらいつの間にかアルト君がハイになってました。 イメージ崩れたかも\(^o^)/オワタ


アルト君LOVEな方と読者様には焼き土下座してお詫びします。

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