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チートな俺は、Gクラス。  作者: 夜来
チートな俺は、Gクラス。
18/51

第17話:アルトは、XCMに出場した。 (1)

「Class B vs Class F」


さて、やっとこさXCM本選に入ることが出来ました。

アルトたちの戦いは次か、その次位ですかね。

――Side アルト――



――――さて、今日はエクシル魔法学園、クラス対抗戦の日だ。

クラス対抗戦当日は学園の授業は無し、なので、上級生はエクシリアの街に出たりしている。

だが、そんなことをするのは僅かで、大多数はクラス対抗戦を観戦するようだ。


会場は、グラウンドの傍にある実践戦闘用闘技場、通称「コロッセオ」。 その名のとおり、円形の闘技場だ。

本物よりは一回り小さいが、ちゃんと観戦席もあるし、戦闘するには十分に広い。


開幕式直前には、多くの生徒や教師が観戦席に座り、開幕の時を今か今かと待っている。

あ、この対抗戦は部外者も見に来ることがあるといわれる。 なぜ見に来るのかは不明だが。



「あー………良いよね、こうやって目立たなくて」


「いや、目立ちまくってるぞアルト。 大丈夫だ」

「君みたいな「有名人」がいるんだ。 視線が動かないほうがおかしいと思うけれど」

「だ、大丈夫だよ、やっぱり目立ってるけども…」

「……そんなに目立ちたくない……?」


一番先にエイナ、そしてヨハン。 メテリア、アリス。 一斉に俺に反応して来た。


……クラス対抗戦の開幕式は、参加者の入場が無い。

その代わりに、「開幕戦」があるのだ。 金髪のお嬢様系女子がキャプテンのBクラス対、●ュウ風格闘男子がキャプテンのFクラス。

どちらも実力が分からないだけに、面白そうだ。 


…あれ、話が逸れたな。 えっと? 参加者の入場が無いところまでだったか。


入場が無いので、出場者でも俺のように観客席で試合を見ることが出来る。

ましてや俺達は第3試合。 遅くても第2試合の2、3試合が終わってから行けば間に合うのだ。


…つまり、俺達は観客席にいるわけで…俺の傍にいる生徒達は闘技場内に殆ど視線を行かせながら、チラチラと俺のほうを見てくるのだ。

見てくる理由は、(ひとえ)に俺が王国騎士団歩兵長のおっさん、ラウングをぶっ飛ばしたことによるのだろう。

そのせいか、いやそのせいだろう。 俺はちょっとした有名人となっているのだ。 


はっきり言ってこうチラチラ見られるのはあまり好きではない。 ……よし。



俺は普通に闘技場内を見ている。 だが、さっきからチラチラと、悪く言えば小刻みにグサグサ来る視線は一斉に散った。

いや、特に何もしてないよ? 【チカラ】で見ている奴をこの体勢で把握し、見ている連中だけに威圧感を与えてやっただけ。【チカラ】乱用とかは気にしない。

威圧感のレベルは…そうだな、こっちを見てると数秒でダウンするような奴かな。


「……アルト、今1人倒れたんだがお前のせいか?」


「そんなわけ無いだろ。 おっ、始まるぞ…」


サラッと嘘をつく。 ……何か、嘘がうまくなった気がする。



「それでは、第142回、エクシル・クラスマッチの開催を宣言いたします!」

「司会は(わたくし)、モデラ・トーがお努めいたします!」


…流石大陸一の学園。 第142回とか、年季が違う。 かなりの伝統行事だってことがわかるな。

トーと自己紹介した司会の言葉の後、観客席から大きな歓声と拍手が、沸き起こった。


「ファルモート・ガイン学園長より、開催のお言葉をいただきます!」


大きな拍手が沸き起こる。 そう、入学当日、トップと共に話したあの男だ。


「―――皆さん、御機嫌よう。 学園長の、ファルモート・ガインです」


学園長が円の中心に立つ。 そして、威厳があるその声で話し始めた。


「今年は、最高位(トップ)で《聖騎士》の二つ名を持つダント・サスティーフをはじめ…多くの優秀な生徒が入学してきました」

「Aクラスだけではなく、他のクラスの生徒の中にもAクラス生徒に勝るとも劣らぬ生徒が在籍しております」


…!?

…今、一瞬学園長が首を動かした。 大多数には、ただ首を動かした「だけ」だと思われるだろう。

だが、俺には「学園長がこちらを見た」ように見えた。目が合ったのだ。 ……なんだ、このプレッシャーは。


「非常に見ごたえのある試合となることを、期待しております。 これにて、ご挨拶を終わらせていただきます」


マイクがあるわけではないのに、あんなに大きな声になるのはなぜだろう。 「拡大」の魔法でも使ってんのかな。

大きな拍手と共に、学園長が中心から歩き、闘技場内から消える。 どうせ、この観客席の何処かから見るつもりだろう。


「それでは、早速第1試合と参りましょう! Bクラス対Fクラス! 各クラス1番手の方は入場してください!」


…さて、始まるぞ。




――――




対抗戦のルールは、この前も説明したとおり1対1の団体戦である。

殺さなければ、格闘、魔法、【チカラ】、何でもOKだ。


……だから予想通り、それは良い意味でも悪い意味でも観客席を巻き込むものとなった。


良い意味では、もちろん熱い戦いで観客は熱狂。 「ウオオー!」やら「イエエエェェァアアァァァァ―――!」やら、熱い。

まぁ、悪い事ではないから、これは良い意味と言えるだろう。


悪い意味は…



「しつこいですわ! 《暴風(ストーム)》! 《紅玉の火炎(ルビーファイア)》!」


「……ヌッ! また魔法と宝石をあわせたのかッ! …クソッ!」


…Bクラスキャプテン、エリヴァン=シャルロッテが右手、ルビーの指輪を突き出して詠唱。

彼女の【チカラ】は、【身に着けた宝石を魔法として使えるチカラ】だ。 これは、普通の魔法とは別として扱われるらしい。

だから彼女は魔法と宝石からの魔法(ジュエルマジック)を組み合わせ、別々で攻撃したり、強力な1つの魔法として扱ったりしている。

なるほど、大量のアクセサリーを身に着けていたのはこのためだったのか。 納得。


先程のは、ルビーから出た火炎が暴風に巻き込まれ、暴熱風としてFクラスキャプテン、ケン=フォロウを襲う。

…と同時に、観客席の俺達をも襲っているのだ。 これが悪い意味。


「熱っ、熱いっ!」  「焼け死ぬー!」  


周りから、そんな声が聞こえる。…地獄絵図かよ…。

そう言っても、ここまで来る物は体に深刻なダメージを与えるほどでは無さそうだ。


俺は【チカラ】で【熱さに物凄く強い体】を望み、涼しげな顔でそれを見ていた。 …うわぁ、それにしても巻き込みようがひどいな。

(…俺の隣にいるメンバー4人はモロに喰らったみたいで、俺は《氷膜(アイスベール)》と《治癒(ヒール)》の魔法を人知れず掛けていた)






「ウゴァッ!…」


ドサッ…と、フォロウが闘技場の壁に衝突、呻きながらそのままグッタリとした。 気絶したようだ。


「決まったー!  《巨人の槌ジャイアント・ハンマー》と《蒼玉の津波(サファイアウェーブ)》を組み合わせ、巨大な水の槌でケン=フォロウを吹き飛ばした!」

「戦闘不能により、エリヴァン=シャルロッテが勝利! よって2対3で、Bクラス勝利! 2回戦へと駒を進めましたー!」


「ウォオオオォォォ!!」と歓声が上がる。 やはり、予想通りBクラスが勝ったか。

手を振りながら出口へと歩くシャルロッテ達Bクラスは、2回戦、もとい準決勝でAクラスと当たる。 楽しみだな。

フォロウ(アイツは、【氣を生成、色々な形で現出させることが出来るチカラ】だったな。多分だが。)達Fクラスも善戦したみたいだったが、闘技場から姿を消した。


「…アルト、そろそろ行くか? まだ余裕はあるけどよ」


「…あぁ、…もう行こうか。 ここで体調が悪くなるのはもう避けたいからな」


皆が頷く。 どうやら同じ気持ちだったようだ。

次は白髪ナルシスト風男子がキャプテンのCクラス対普通っぽい金髪女子がキャプテンを務めるEクラスだ。 楽しみだな。

まぁ、魔法の余波が来ないように遠くから観戦していよう…。



――――

――Side ヨライ――


「…よし…《浄化》系魔法は使われていないようだね……皆、これは勝てるよ…」


モザは、出場者の控え場所へと歩みを進めるアルトを見て…いや、正確にはモザにしか見えない黒い(もや)未だ(・・)アルトの手を覆っているのを見てそう言った。

1番前にモザ、その後ろにその他のDクラスメンバーが隠れている。

アルトたちに見つからないように隠れて見ているDクラスたちは中々に不気味である。



「歩兵長を殴り飛ばしたとはいえ…所詮最下位(ワースト)だね…。 注意する必要も無かったかも…」

「じゃ…僕達も行こうか…」



Dクラス5人は、アルト達とは反対側の控え場所へと向かう。控え場所は2つ有るのだ。


…顔に、不気味な笑みを浮かべながら。

うわぁ、何というテンプレ。 コンセプトだから良いには良いんだけども。

そして最後にはモザが不気味に笑ってます。 怖い。


あ、「Side ヨライ」のヨライは自分です。

つまり第三者的視点ですので、ご了承を。



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