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チートな俺は、Gクラス。  作者: 夜来
チートな俺は、Gクラス。
15/51

第14話:アルトは、《獄焔》の意味を知った。

注意。 今回は、何時にも増してgdgdです。

その理由も、自分がうつらうつらと書いてたのが原因なのです。 お許しを。

――Side アルト――



「…おい、アイツだぜ」 「おぉ、本当だ」


「歩兵長をぶっ飛ばしたんだって」 「ヒョロそうなのにねー」



…。



「おいおい、気にすんなよアルト。 其処まで悪い印象じゃないんだろ?」


「…俺はな、こう周りで俺のことを話されること自体が嫌いなんだよ…」


今日は学園が始まり4日目。 ……どうやら、俺が左ストレートでガチムチのおっさん(ラウング)をぶっ飛ばした話は早くも噂となっているらしい。 学園中の。

(俺の【チカラ】が【クリエイター】というのは、クラスだけの秘密だ。 と言っても、このクラスにはジェイ先生が教えたのだ)

現に、今は休み時間な訳なのだが、廊下からヒソヒソと、明らかに俺を見てそんな会話が聞こえているのだから嫌になる。

エイナが、心配をしてくれる。 うん、ありがとう。 だけど、俺はどうしてもこういうのが嫌なんだ…っ…。



「…た、大変だね…」



…頭を抱え、軽く鬱状態になっていると背後から声が。 少女の声。 …振り向くと、長い銀髪を揺らす少女、メテリアであった。 


「…あぁ、大丈夫大丈夫。 大丈夫だから…」


ククク・・・と死神のように笑う俺。 エイナとメテリアは、そろって引いている。 …いや、正直すまんかった。


え? 今まで接点なかったのに、何気さく(?)に話しかけられてんだ、だって?

…俺に彼女が声をかけてくれる理由は、少し前…そう、あの時(じつぎのじかん)まで遡らなければいけない。




―――ラウングのおっさんをぶっ飛ばしたその授業の後。 教室に帰ろうかと1-Gまでの道を歩いていると、背後から声がした。


「…ね、ねぇ、アルトくん」


「………ん、何?」


恥ずかしがりやっぽい口調でそう俺に声をかけてきたのは、メテリアである。 そういえば、話したことが無い。

その声に振り向いて立ち止まろうとするが、メテリアは「…あ、歩きながらで、良いから」という。 あ、そうですか。


「…ア、アルトくんは、どうしてそんなに強いの?」


数歩歩いたところで、彼女から唐突に質問された。  …んー……


「――…んーと、ちょっと親に格闘術を教えてもらったからかな…?」


…なんで疑問系なんだ、俺。 ……あれ、メテリアも何で納得してんの?


「へー…つ、強いんだね、アルトくんは」 ……いや…あれはラウング(おっさん)が弱かっただけ…いや、言わないでおこう。


「そんなことないよ。 5年ぐらい練習してこのぐらいだから」…謙遜とかではなく、正直に。 だってあれ結構手抜いたし。 左ストレートの時点で。


「つ、強いよ。 5年でそんなレベルになるって、教えた人がとっても上手かったんだね」


「俺の親だけどな。 14になったら倒せたし、まぁあっちは歳が60代位だから、妥当な線?」


「す、すごいね。 ……そういえば、料理が好きなんだよね。 よかったら、私のお菓子を食べて欲しいなー…、なんて…」


…ん、あぁ…アレか。 ネタがなくなったか。 だから両方の得意な調理の方向にシフトしたと。

そういえば、メテリアの趣味はお菓子作りだったはず。  なるほど、だからそんな提案を…。


「良いよ。 それじゃあ…俺も時々レシピとかを貸してあげるから」


「あ、ありがとう…」




―――回想終了。 まぁ、ざっとこんな感じだ。      イタタ、石とか岩を投げるな!

同じ調理好きということがあって、それからは普通に話せるようになった。 エイナとメテリアは、俺の友達ということで友達に。

あ、そうそう。 メテリアの作るクッキーはやばい。 アレを食ったら他のクッキー食えなくなるぐらい美味い。


「よーっし、3時間目始めるぞー。 実技だー。 グラウンドに向かえよー」


ガララッと扉が開き、何時もの口調でジェイ先生が入ってきた。

…実技か…。 また、あれみたいなことが…。


「今日は魔法訓練だー。 杖とかいる奴は持っていけよー」



……今気付いた。  ……先生に言われてからしか動かない1-G(オレたち)は、駄目な子だろうか。


――――



さて、やってきたのは元の世界より数倍は広いだろう広大なグラウンド。

トラックのラインも引かれているが、これ、明らかに400m以上あるな。 どんなレースをするんだろうか。


「今日は模擬戦だー。 私が召喚する魔獣を倒す訓練だー。 魔法に関する【チカラ】なら、使ってもいいぞー」


……この前も思ったんだけどもさ、初っ端から模擬戦やら訓練やらせるのは鬼ですぜ。 ジェイ先生。

そんなことは口に出せず、次々とジェイ先生の説明は続く。



「よーし、じゃあ早速行くぞー。 1番、メテリアー」


呼ばれたメテリアは「は、はい!」と返事をして前方へ向かう。 大丈夫なのか? メテリア。



―――しかし、これで俺はやっと《獄焔》の意味を知ることとなる。


ジェイ先生は【サモナー】らしく、「行くぞー」とのんびり言うと、メテリアの前方に光が現れる。

それは段々何かを形作って行き、その光が弾けて消えた先にいたのは、3匹の狼のような魔獣である。


狼型魔獣のウルフィートは、爪が狼よりも特化した形の魔獣だ。 勿論運動能力は高い。 素早さが飛びぬけている。

ジェイ先生が「行けー」と指示すると、ウルフィートはその素早さで、30mほどの距離をすぐさま詰めていく。 地味に左、中央、右と散開して。


対してメテリアは目を閉じている。 精神統一…かな。

あんな感じのメテリアに大丈夫なのか? …俺がそう思った途端だ。



「……《焔波(フレア)》!!」



メテリアが目を開き、そう言って両手を前にかざすと、其処から大量の炎が溢れ出す。

その炎は左から迫っていたウルフィート一体を判断する暇さえ与えず、燃やし尽くした。

…その光景に、一同唖然。 ジェイ先生だけは、「良いねー」とか言って頷いていたが。


焔波(フレア)》は、炎の波で相手を燃やし尽くす炎属性の中魔法である。 因みに、1年生なら結構使えるレベル。

だから、普段ならこの程度で驚いたりしていない。 そう、普通なら(・・・・)



俺たちが驚いている理由。 それは、左だけではなく、「右と中央でも同じ光景が起こっているから」である。



普通、魔法は同時に2個使えない。 なぜだか知らないが、この世界ではそうなのだ。

だが、メテリアは違う。 2個どころか、3個も同時に、しかも詠唱から発動までのラグがほぼ無いといって良い。 普通ならば、1秒はあるはずだが。

同時に3体のウルフィートを倒したメテリアは、何事も無かったかのようにこちらに帰ってきた。


「どうだー? メテリアの【チカラ】は【魔術特化スぺシャライズ・マジック】って言ってなー」

「簡単に言うとー、メテリアが使う魔法にはさっきの3つ同時発動みたいな特典がつくんだー。 特典はまだまだあるらしいけどなー」

「メテリアは炎属性の魔法をよく使うから《獄焔》っていう二つ名がついたらしいなー」

「皆もなー。 メテリアに及ばずとも近づけるように努力するんだぞー」


これは凄い。

……ん、しかし、これは…!




さて、ついに俺の番だ。

ジェイ先生は、その生徒のレベルに合わせて召喚する魔獣を決めているらしい。


俺は何が来るのかなと内心期待していると、光が形作って行き、弾けて消える。その中にいたのは…。



「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」



……3mほどの体長。 漆黒の体。 首は3つに別れ、それぞれに頭が着いている。 犬の頭だ。

…その魔獣は、咆哮を上げてこちらをギラリと睨む。 あの時の、ベアルと同じだ。

…その魔獣の名は、三頭狗(ケルベロス)。 大型魔獣。 性格は凶暴。



えっ、え!? ちょ、ジェイ先生これはどういう「行けー」…あぁやりますよ、やれば良いんでしょうが!


幸いにもこれは訓練だ。 このケルベロスを倒しても悪い事は無いし、先ほど思いついた「アレ」をやらせてもらおう。



俺は目を閉じ、【チカラ】で魔力を強化(ブースト)する。 2倍、3倍、4倍……10倍。 これぐらいか。


……よし、行くぜ!


俺が目を開けると、ケルベロスは俺との距離を10mにまで詰めていた。 だが、俺は焦らない。


「……展開」


短くそう言うと、俺の目の前に複雑な模様が描かれた魔法陣が姿を表す。 直径は俺と同じくらい。 だが、これでは終わらない。

ブゥン、ブゥンと、俺の前方に、一気に魔法陣が展開されて行くのだ。 その数、実に「10個」。


全てが、ケルベロスの方向を向いて。


ケルベロスはというと、ドンドンこちらに迫ってきている。 怖くないのか?

まぁそれはともかく、全ての魔法陣を展開し終えると、俺は叫ぶ。


「…発射(バースト)!!」


一斉に魔法陣が輝き始める。 そして俺が右腕を振ると、そこから様々な形のものが発射され、ケルベロスを襲った。


ある魔法陣からは《炎槍(フレイム・スピア)》が。 別の魔法陣からは《氷隕石(アイス・メテオ)》が。

また別の物からは《雷波(サンダー・シュート)》が。 またまた別のものからは《土棘(アース・ニードル)》が。


ズドドドドドドドドドドドッ!!!!



ただ俺に迫ることしか出来ないケルベロスはその攻撃をすべてもろに受け、その攻撃が終わって魔法陣が消える頃には、跡形も無くなっていた。


そして俺は、メテリアと同じように何事も無かったかのように元の場所へと戻る。


「いやーお見事。 【クリエイター】で魔法同時展開の上限を引き上げたのかー」


ジェイ先生は褒めてくれているが…。 …あれ? な、なんだ?

……なんか、おかしい。


「……アルト。 いや、凄かったぜ。 やっぱ【クリエイター】だなってとこなんだがよ…」


気付いていない俺のために、エイナが助け舟を出してくれる。


「……ちと、やりすぎじゃね?」


エイナが指差す先、ケルベロスが俺の魔法を全弾喰らった場所には、大きく、広範囲に穴が開いていた。



……あっ。




――――次は4時間目である。 俺は、その大きな穴が埋まるまで【チカラ】で砂を入れ続けていた。

――――遅刻はしなかったが…今度からは、やり過ぎないようにしようと固く心に誓った、出来事だった。

すみませんでした。 主にgdgd感的な意味で。

そして、今回はアルトのチートっぷりがよく分かる話だったかと思います。


…さて、次からはクラス対抗戦編かな?

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