生まれて5年、断頭台へ
こんにちは。私は「サカベ」といいます。
まだ5歳ですが、由緒あるアマガネーゼ王国の王女でした。
……。
そんな私は今、断頭台に縛り付けられています。
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私の国「アマガネーゼ王国」はほんの数年前までは、戦争知らずの平和な国でした。
小さな国ではありますが、王国内がすべて平野で住みやすく
南部の街では商業が発達、北部では農業が盛んにおこなわれ、豊かな国であったと聞いています。
東部には「ウキタメ帝国」、西部には「ウベコ王国」という大国に挟まれていますが、両者間ともに国交に火種は抱えておらず、国同士の貿易にも関税がほぼかからないなど、経済面でも良好かつ密接な関係を築いていたようでした。
しかし、3年前に東西の王国の王が、相次いで何者かの手により暗殺されたのを皮切りに、両国で大規模な内乱が発生。クーデターあり・下剋上ありの戦国時代と化し、現在は両国ともに旧王家は排斥されて、野心的な新興勢力に乗っ取られているのだとか。
その両者が、互いの領地拡大の為に周辺諸国へ侵略を進めていたところ、ちょうど我がアマガネーゼ王国にて両国が派手に戦っているという状況。
我が国は焦土と化し、城も(主に)ウキタメ帝国の圧倒的暴力の前に陥落。
東の大国の占領下となりました。
ただ、我が王家に自治権を与える、という生ぬるいことはしないようです。
王家もろとも、全員ギロチンの刑。残しておいてもメリットはないと判断したらしく、血筋を根絶やしにするそうです。
そして今に至ります。
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断頭台に縛られ、目隠しをされてギロチンを待つ。
一人ひとり、敵国兵士によって処刑者を宣言されてから処刑されていく。先に王たる父が、そして王妃たる母が処刑され、王子とその弟である我が兄たちも容赦なくギロチンの餌食となった。
末っ子の私は最後。私の番が終われば、我が王家の血は途絶えることとなります。
民からの信頼が厚く、私にも優しかった父母。兄さまたち。
私の幼き心に悲しみはないのか。ないわけではないが、物心付いた時から戦火の中にあった我が国。その戦時下から(強制的に)離脱できるのは「むしろ救い」ではないのか。
甘んじてギロチンを受け入れよう。そういう運命だったんだ。そう、正当化しよう。
「次に王女、サカベ!処刑用意!」
敵兵士がそう高らかに宣言し、私の頭のはるか上にあるものがゆっくりと動き出す。私を刈り取るための準備段階に入ったようです。
その段階になって、我が国がまだ平和な頃の記憶が蘇る。
善政を敷いていた、我が両親。民たちの笑顔が溢れる大通り。私の成長を喜ばしく思い、私を見かけると好意的な声援を送ってくれる民も大勢いた。
両親の様な、民に慕われ、民と共にこの国を平和的に盛り上げていく。そんな王族になっていきたいと幼いながら思ったものだ。
あれ…?
これでいいのか??
ここで死ぬのは本当に「救い」なのか???
…違う。
…嫌だ。
…嫌だ嫌だ嫌だ。
死にたくない。
私の理想像だった、両親はもういない。
私に人生の背中を見せてくれる、兄弟ももういない。
今になって、悲しみや怒りや無慈悲に対する諸々の気持ちが一気に押し寄せる。耐えられない。
「ああああああああああああああああ!!!!!!!!」
耐えられない思いが、絶叫として現れる。
なぜ、死なないといけないのか?5年しか生きていないのに?将来やりたいこともあるのに?両親のように立派な王族になりたいのに?
なんで?なんで??なんで????
私の頭の上から「ゴン!」と音が鳴る。ギロチンが上がりきったようです。
後は、私を亡き者にするだけですね。
兵士が高らかに叫ぶ。
「執行!!!!」
ギロチンが落ちていく音がする。
精神的に限界になった私。ふとこんな願いを心の中で強く思ってしまう。
(ギロチンも何でも切れないくらい、私の首が硬くなってしまえば良いのに!!!!!!!!!!)
「あ、それ面白いね。」
ふとそんな声が聞こえた気がする。
そして
「キー―――――――ン!!!!!!!!!!!」
私の首は甲高い金属音と共に、落下してきたギロチンを跳ね返してしまっていたのでした。




