目覚め
ザクッザクッザクッ
私は木々が立ち並ぶこの雪道を歩いていた。
途方に暮れ、体の感覚すらもうない中で。
目がかすみ、目的すらも忘れてしまうぐらいに、長い間。
ザクッザクッザクッ
運命というものがあるなら、私がこうなってしまうことになるのはもうすでに決まっていたのだろうか?
そうならば、今日まで生きてきた意味があるのだろうか。
いや違う、私は死んでいるんだ、今生きている意味もないなら、最初から死んでいるに等しい。
なら私は……
ドサッ
そんな中私の上に木から落ちてきたであろう雪がのしかかる。
周りには人の気配なんて一つもなかった。
つまりこれが意味するのは死。
こんな中でも私はひどく冷静だった、なぜなら死ぬことが解っていたからだろう。
寒い、いや熱い。
感情が交差していく中で私の意識は少しずつ遠のく。
これで終わりだと、そう告げるように。
「可憐……ごめん……約束……守れなかった……」
そんな後悔を最後に私の瞼は、重く落ちた。
そうして鼓動が静かに止まった。
「う」
なんだ……?光が……まぶしい……
光が私の目と瞼を刺激した。
目を開けることを余儀なくする程の光が。
「ん……ここは……?」
ゆっくりと体を動かし、腰を上げた。
グチャッ
目の前には、私の体の何倍もあるとても大きな木が私の周りを覆っていた。
そして私が寝ていたのは、あろうことか雪の上だった。
ぽたぽたと雪も降っている。
「なぜこんなとこで私は」
ゆっくりと立ち上がり、辺りを歩き回ってみることにした。
サクッサクッ
少し歩いてみたが、周りには木しかない、建物なんか一つも見当たらない。
「本当にここはどこなんだ……?」
そこで一つの違和感に気づいた、それは。
「ふーふー」
と息を吐いた、だがどれだけ息を吐いても、息が白くならないことに気づいた。
辺り一面が白銀に覆われているのに。
「私の体、どうなっているんだ?」
その考えは少し後に無駄になった、なぜなら。
心臓は鼓動していないし、ましてや呼吸もせずとも平気だ。
つまりは、私は死んでしまっている可能性が高い。
そんな中、新たな疑問が浮かぶ
「どうやって私は生きているんだ?」




