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006: 平等精神――ニンゲンハビョウドウデアル。
「今日の話題は、地球における差別です」
「全く持ってけしからん! 僅かな相違で差別が生まれるとは」
「そうですな。弗素呼吸型でも、アンモニア呼吸型でも平等に扱うのは宇宙の基本原理というのに……」
「たかがメラニン色素の差とか、炭素型DNAの一部の差とか、まこと地球人の差別意識は目を覆うばかりですな」
「珪素型DNAやゲルマニウム型DNAの存在を知らんのか?」
「要は、見掛けの相違が差別に繋がっていると」
「私に良い考えが!」
「地球人たちよ、聞け! 我々は新しいサイボーグ技術を提供する。これを使用すれば、外見は思うがままに変えられる」
「俺の右腕はクリック・パワフル社の新型だぜ!」
「トップ・テクノ社の新皮膚の方が良いに決まってるわ!」
「トータル・ビューティ社の義体に優るところはありません」
「なんということだ。差別意識に拍車がかかった」