021: 銀河ペット品評会――希少種
「いかがでしょう? 私の自慢のペットは」
「惑星ボスコニュのトビイカですな」
「水中・地上・空中と生息域が複雑ですから、飼うのが大変でしょう」
「なかなかコストが掛かりますな。ストレスに弱い種類ですので手が掛かります」
「儂のトラネコはどうじゃ?」
「おぉ、飼い慣らすのが難しい動物ですな」
「K-1-9R星区に生息しております」
「これは銀河種保護条約で取引が禁止されていませんでしたか?」
「確かに現状では取引禁止です。しかしこれは初期に捕獲したものの子孫です」
「私の錦蛇鯉です」
「素晴らしい。この八対の胸鰭、螺旋形の尾鰭、構造色の色合も……入手は難しかったでしょう?」
「オークションで競り落としました。散財しましたな」
「今日は、私が新しく入手したペットを紹介しましょう」
「これは……見たことがありませんな」
「地球という惑星から入手した人間という動物です」
「ほぅ、これは珍しい。既に滅んだ惑星からというのも希少性がある」
「性がふたつというのも高得点だな」
「飼い易さはどうだろう?」
「かなり難しいです。好奇心旺盛の上に飽きやすいので、玩具の選択にも苦労します」
「番に対する選り好みが激しく、繁殖させるのがとても難しいと聞いたが」
「いずれは絶滅する種のようだな。大切に保護せねば」
「あぁ、環境もいいし、ご飯も美味しい。唯一の不満はイケメンがいないことかな?」




