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017： 保護区――銀河連邦会議
「銀河連邦会議環境委員会の定期会議を開催します」
「本日の議題は 第15026号：地球の保全について です」
「地球は保護協定によって、環境保護区になっている」
「しかし、協定違反事項が多発している」
「あそこは銀河でも極めて珍しい環境地区なのだ」
「生命の自然発生から文明発達まで外部からの影響がほとんどない星なのだ」
「銀河内でも数えるほどだ。特に、外縁部を除いて、あれだけ内側の腕部にある地区は唯一と言っていい！」
「外部からの影響が無い場合、文明がどのように進展していくか、極めて貴重な実験場だ。そのため、地球人たちに我々の存在を認識させてはいけないのだ」
「観光ツアーが増えて各地に環境破壊の影響が出ている」
「地球の事物を勝手に持ち帰ったり、建物に落書きしたり……ナスカなどは大失敗だ。今更、消してしまう訳にはいかんからのぅ」
「やはり、地球への立入は禁止すべきだろうか？」
「しかし、観光による経済効果は無視できん！」
「とりあえず、観光客の人数制限をする他あるまい」
「全く、古代宇宙飛行士説など、けしからんものが流行する」
