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015: 堕冥――悪魔が堕ちる

「おぉ、悪魔召喚術が、また愚かな人間が呼出をかけているということだな」

「少々暇であったし遊んでやるか」


「君が悪魔?」

「さよう、汝が召喚に応じた。さあ、望みを言うがよい!」

「望みって、何でもいいの?」

「如何なる望みでも叶えてやろう。代わりに望みが叶えられた時に汝の魂を頂く」

「それじゃ、ボクの望みはね」

「望みは?」

「ボクが天寿を全うするまで、健康を維持し、あらゆる災厄から守って!」

「は? そんなことで良いのか?」

「え? 出来ないの?」

「いや、出来るが……もっとこう、世界征服とか、限りなき財産とか、世界一の著名人とか……」

「そんなものに関心はないよ。ボクは安全安心の生活が出来ればいいの!」

「分かった。汝の意向に従おう」


「それじゃ、悪魔の姿は見苦しいから、ロリになって!」

「ぐあぁぁ! 契約主の命令には抗えん」

「随分、可愛くなったね」

「き、貴様! 悪魔を愚弄しおって」

「最初は…… 肩でも揉んでもらおうかな」

「し、仕方がない」


「ご主人さま、いかがでしょう?」

「なかなか快適だよ。ストレスが飛んで行くみたいだ」


 悪魔の能力(ちから)なら不老不死も可能というのに

 ご主人さまが段々可愛く思えて来た。

 もういっそ、いつまでもこのままでいいかな?

 悪魔は廃業だよね。


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