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孫のために、新興宗教団体を創設

俺は支配人を自分の部屋へと連れてきた。


俺は部屋の中をぐるぐると歩き回る。

その中で俺は小さく呟いた。


『深淵に漂う幻影よ、時空を超えて我が目に映し出さん。迷える魂の輪廻を辿り、失われた者の姿を我に示せ。我が声を伝え、影の国よりその在処を知らしめよ。失せた人々よ、我が呼び声に応えよ!ロストソウル・ロケーター』


すると支配人の頭の上にお孫さんの状態が表示される。誘拐、建築中マンション、椅子に拘束、犯人は複数、麻薬カルテル、組織名はカルソニ、要求は身代金、居場所はテキサス州のヒューストン。


なるほど…これを交渉材料にすれば面白いことになりそうだ。

俺は支配人を背後に背負うとゆっくりと話し始めた。


「お孫さん…誘拐されたんですね?」


「どうしてそれを…」


「勘違いなさらないでください。私は関係ありません。ただ、昨日ご覧になったように私には人ならざる能力があります。」


「…」


「だから…私はお孫さんの行方も居場所も何でも知っています。」


「では!」


「だが、情報というものは価値がある。そこでお伺いしたい。あなたはお孫さんのためにどこまでできますか?私に何を差し出せますか?」


「何を…」


「私の情報を持ってすれば、警察は犯人を容易に特定できるでしょう。以降は彼らの仕事です。では、もう一度確認しましょう。あなたは何を差し出せますか?」


「何でも…何でもお出ししします!孫のためなら!」


「う〜ん…。それだと50点ですね。あなたにしか出せないものでないといけません。でも、私には十分な金はある。よく考えてみてください?エクス・シセルス・ホテル・ニューヨークの総支配人であるあなただからこそなせることもあると思いませんか?」


「私だからこそ?」


「急いだほうが良いですよ。お孫さんのためにもね」


「なら…このスイートルームを冴島様のために空けておきます。いついらっしゃっても良いように。」


「そんなことして経営面は大丈夫ですか?」


「そこは私の手腕でなんとかします。」


「なんなら、私の信徒になる…という選択肢もありますが?」


「信徒?」


「ええ。あなたがNYにて私を讃える新興宗教を創設するんです。そしてこの部屋をその為に使ってくれれば良い。宗教団体はこのホテルの宣伝に使っていだいても構いませんよ。」


「そうすれば孫を助けてくださるんですか?」


「ええ。今すぐ動いてください。そうしたら、お孫さんの救出に私も動きましょう。」


「わかりました!」



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