部屋から俺は夢を作り出す
「ようこそいらっしゃいました。私、このホテルの支配人を務めております。アレスター・マカルパインと申します。(英)」
まぁ、タブレットを使ってもいいんだけど、
別に翻訳スキルどころか、多言語理解スキルあるからまぁ、喋れるしな。
「わざわざ支配人に来て頂き、恐縮です。本日から1週間お世話になります。ニューヨークどころかアメリカ自体初めてなので、色々観光スポット教えてください。(英)」
「ワォ。冴島様は随分と綺麗な英語を話せるんですね。どこか留学を?(英)」
「いえ、独学ですが。(英)」
「それはそれは。では、このまま私がお部屋までご案内いたしましょう。(英)」
「お願いいたします。(英)」
そして、支配人主導で館内案内をしてもらい、
部屋へと案内してもらった。
どの部屋もスイートクラスのレベルだが、俺が宿泊する部屋は圧倒的だった。部屋のドアを開けた正面には、美しい都市のビル群が見えていた。
「これは…夜が美しいだろうな。だが…(英)」
「本日は少し雲が多いですな。雲もない夜は大変綺麗なんですが。(英)」
面白いモノを見せてあげようかな。
「今夜は夕食はルームサービスをお願いしたいんですが、もしよろしければ最初だけいらっしゃいませんか?乾杯にふさわしい夢のような体験を共有捺せられると思いますよ。(英)」
「?では、夕食の際にお伺いいたします。」
こんなところでバンバン魔法を使うべきではないけど、こんだけの部屋に美しくない光景はあるべきではない。
仕方ないんだ。
夕食時…
「それで…夢のような体験とはどのような…。」
俺の前には豪華な食事が用意されている。
こんな食事を摂るのならば、景色も整えなければ…。
俺は席を立つとテラスに出た。
俺の後ろを支配人がついてくるのがわかる。
俺は魔力を少しだけ解放する。
魔力をオーラのように可視化させる。
夜でもわかりやすいように白く光り輝くオーラで。
『漆黒の闇に漂う雲を消し去り、星屑の輝きを顕現せしめん。我が手に宿る古の力よ、我が望みを叶えたまえ。"星輝霊幻"』
俺は聞こえやすいように詠唱すると…
俺の周りのオーラが白い結晶となると空中に浮かび上がった。そして、雲に到達するとニューヨーク中どこからでも見える程に白く光り輝やいた。それでも、
眩しいわけではなく、心地よい光が降り注いだ。
光が消えると、雲も完全に消え、星空が見えた。
俺は後ろを振り返り、呆然とした支配人に…
「どうです?夢は見れましたか?」




