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離陸前チェック(F16戦闘機)①


夜明け前の静寂を破るサイレンが、空軍基地の広場に響き渡った。「スクランブルだ。」石井中尉はコックピットに駆け込んだ。コックピット内は暗闇に包まれていたが、パネルのライトが次々と点灯し、まるで目を覚ますかのように戦闘機は活動を始めた。


**「メインパワースイッチ、バッテリーにセット。」**石井の声が冷静に響く。彼は座席の右側にあるメインパワースイッチを回し、パネル全体に電力が供給されるのを確認した。目の前に広がる計器パネルには、速度計、高度計、燃料計などが並び、ひとつひとつが重要な役割を果たしていた。


「FCLSリレー、点灯確認。」石井は左側にあるパネルを見やり、FLCSリレーランプが緑色に点灯しているのを確認する。**「FLCSパワー、テスト位置に保持。」**彼は右手でコントロールスティックの上部にあるスイッチを操作し、システムが正常に作動しているかを確認した。


次々とライトが点滅する中、石井はパネル上部の表示を注視した。**「インジケータライトのABCD、点灯確認。」**彼の目は、パネル中央にある4つのインジケータライトに向けられている。それぞれのライトが正確に点灯し、システムの状態が正常であることを示していた。


「エレクトリックシステム、異常なし。」彼はコックピット左側のパネルに視線を移し、ELEC SYSランプが正しく点灯しているのを確認する。**「SEC警告灯、点灯確認。」**同じパネルにあるSECランプが赤く光り、石井はこれが点灯していることを注意深く確認した。


彼は次に視線を上方のパネルに移し、ジェット燃料システムのスイッチに手を伸ばした。**「ジェット燃料システム、開始位置にセット。」**石井はJFSスイッチを「スタート2」の位置に動かし、エンジンが始動するのを感じた。エンジンの唸り声がコックピット全体に響き渡り、彼の体を振動が伝わってきた。


石井は目の前のRPMゲージを確認し、エンジン回転数がゆっくりと上昇していくのを見守る。**「20%RPM確認、スロットルアイドル。」**彼はスロットルを慎重にアイドル位置へと進めた。計器パネルの中央にあるRPMメーターは、針が20%を指し示していた。


**「燃料フロー、正常。油圧、安定。」**彼は右側パネルの燃料計を見やり、計器が正確に700から1700pphの範囲を示していることを確認した。計器パネル上部の油圧計も正常な範囲を指し示していた。


石井はコックピット右側のパネルを見やり、SEC警告灯が消灯しているのを確認する。**「SEC警告灯、消灯確認。」**計器パネルには、各種警告灯が一瞬で消え、システムが全て正常に動作していることを示していた。


石井は深呼吸をし、最後の確認を終えた。**「エンジン準備完了、確認。」**彼の手はジェット燃料システムのスイッチに向けられたまま、すぐに次の操作に移る準備をしていた。


**「キャノピー、ロック。」**彼は頭上にあるキャノピーハンドルを下げ、ガラス製のキャノピーがしっかりと閉じるのを確認した。キャノピー越しに見える基地の風景が、一層の緊張感を与えた。

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