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老朽機

コクピットは、長年の酷使に疲れきった風情を漂わせていた。部分的にグラスコクピットに移行した機体で、アナログとデジタルの技術が混在する、古い世代の典型的な航空機だった。計器パネルには、未だにトグルスイッチが所狭しと並び、センターパネルの中央部に目を引くのは通信系の切り替えパネル。「マイクセレクター」と書かれた部分の下に、透明な樹脂で作られた四角いプッシュスイッチが一列に並んでいる。スイッチを押すと、小さなランプが点灯し、スイッチのオンを示す仕組みだが、ランプの光もどこか弱々しく、長年の使用感を物語っている。


その下にはVORやILSの表示を切り替えるための回転式のつまみが配置されている。くすんだ灰色のパネル上に配置され、つまみの上部には小さな矢印(→)が刻印されており、矢印の向きで現在のポジションを確認するようになっているが、その刻印も色あせ、長年の使用でかすれて見える部分もあった。


パネル全体がくすんだグレーで、いかにも年月を感じさせる。スイッチやつまみの白い表示もグレーがかり、メンテナンスで幾度となく開閉されたであろうパネルの四隅には、取り外し用のネジが見られるが、その山は半ば潰れ、工具の跡が刻み込まれている。


年季の入った、古参の機体。その歴史が、擦り減ったパネルや掠れた文字、微妙なズレが生じたネジの跡に、ひっそりと染みついている

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