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41/51

41、マシュマロ

 あおいは目を覚ますと、お店に向かう準備をした。


「今日は新製品を作ったけど売れるかな?」

 そう言いながら、バスケットの中にふわふわのジャンプ力Upマシュマロを詰め込んだ。

「いってきます」

 あおいは誰も居ない家にそう言うと、町に移動した。


 今日も相変わらず、町は賑やかだ。店を開いてしばらくすると、また行列が出来てきた。


「こんにちは、あおい」

「あれ!? アレックス様!? もう城から出られるようになったんですか?」

「はい。それには訳がありまして……」

 そう言うアレックスの後ろからメアリーがひょいっと顔を出した。


「こんにちは、あおいさん」

「こんにちは、メアリー様」

 あおいはちょっと嫌な気分になったが、メアリーはまだ子どもだ。

 マシュマロを一つ取り出して、あおいはメアリーに渡した。


「今日は新製品のジャンプ力Upマシュマロを持ってきたから、一つどうぞ」

「……ありがとう。食べても大丈夫でしょうね?」

 メアリーは警戒しながら匂いを嗅いで、マシュマロを少しかじった。


「あれ? 体が軽い?」

 メアリーがぴょんとはねると、アレックスの肩まで飛び上がってしまう。

「……楽しい!!」

 メアリーはぴょんぴょんと飛び跳ねて笑っている。


「よろこんでもらえて良かったです」

「ありがとう、年増……じゃなくてあおい」

 あおいが止めるよりも早くアレックスがメアリーに声をかけた。

「あまり跳ねると危ないですよ」


 アレックスが注意したタイミングで、メアリーは体勢を崩した。

「ほら」

 アレックスは両手でメアリーを抱きしめると、かるく額をとん、と叩いた。

「……」

 あおいは二人の様子を見ていると、なんだか本当に婚約しているような気がしてきた。


「アレックス様、私に用がないのなら列から外れて下さいませんか?」

 あおいは憮然としてアレックスに言った。

「あおい、焼きもちですか? 子ども相手に」

 アレックスは驚いたようにあおいを見つめている。

「そんなんじゃありません!! 混んでるんですから、注文をお願いします!!」

 あおいは苛立っていた。


「こわいなあ、あおいは。それじゃ、チョコクレープ二つと……」

 アレックスはメアリーを下ろして、あおいの耳元で囁いた。

「あおいの笑顔をお願いします」

「……!」

 あおいはアレックスの顔が近づいたので、うぐぐ、と変な声を上げてしまった。


「年増……じゃなくてあおい、アレックス様から離れなさい! 泥棒猫!」

「もう! チョコクレープを二つですね。はい、どうぞ!!」

 あおいはサッサとチョコクレープを作ると、アレックスとメアリーに渡した。


「あと、マシュマロも下さい。面白かったわ」

 メアリーは100シルバーをあおいに渡した。

「はい、マシュマロ一個ですね」

 あおいはメアリーにマシュマロを渡した。


「それでは、ごきげんよう、年増……じゃなくて、あおい」

「ありがとうございました!!」

 あおいはなんとも言えない気持ちのまま、アレックスをメアリーが去って行くのを見つめていた。


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