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34/51

34、お店

 あおいはドレス代を稼ぐ為、今日も店に出ていた。


「いらっしゃいませ! あおいのクレープ屋です!」

 すぐに行列が出来るのは、いつものことだったがありがたかった。


「こんにちは。あおい」

 あおいがチョコクレープをお客さんに渡し終わったとき、声をかけられた。

「アレックス様!」

 アレックスは行列に並んでいたようだった。家に来れば待たなくてよいのに学習しないな、とあおいは思った。


「あおいはこの前、メイド長のクレアにしごかれたようですね」

「アレックス様の命令じゃなかったんですか?」

 あおいは戸惑って訊ねると、アレックスは首を振った。


「クレアは真面目でちょっと怖いので、私は苦手なんですよ。きっとクレイグの指示ですね」

 アレックスはそう言って両手をあげた。お手上げ、と言う意味のようだ。

 あおいはアレックスにクレアから教わったことを伝えた。


「お城でのマナーとか、ダンスのマナーとか、クレア様には色々教えて頂きました」

 あおいは、コルセットが苦しかったことは黙っていた。

 アレックスはそれを聞いて微笑んだ。


「そうですか。それなら今度のパーティーには、あおいも参加できるかもしれませんね」

 アレックスの言葉を聞いてあおいは訊ねた。

「パーティーですか?」


「はい。私の誕生日パーティーは町の皆も参加できるんですよ」

「そうなんですか!? おめでとうございます! でも、皆参加できるなら特別なマナー講座は必要なかったんじゃないですか?」


 アレックスはちょっと、すねたような表情で言った。

「特に仲の良い人たちに、私からあおいを紹介することもあるでしょう?」

「何故ですか?」

 あおいはきょとんとしている。


「……酷いですね、あおい。将来を誓い合った仲だというのに」

 アレックスが上目遣いで言うと、あおいの顔が真っ赤になった。

「ち、誓い合っていませんよ!!」


「私のことが嫌いなんですか?」

 アレックスが意地の悪い顔で、微笑んだ。

 あおいは真っ赤な顔で、アレックスに抗議した。

「アレックス様、私をからかわないで下さい!!」


 そのとき、後ろのお客さんから声をかけられた。

「おい、ねえちゃん、いちゃついてないで早く注文取ってくれよ」

「いちゃついてません! アレックス様、注文して下さい!!」


「チョコクレープを一つお願いします」

「はい!」

 あおいはチョコクレープを一つ作り、アレックスに乱暴に渡した。


「あおい、それではまた今度ゆっくりお話ししましょう」

「うう、なんかごまかされたような気がする……」

 あおいはアレックスが帰っていくと、次々と新しいお客さんをさばいて行った。

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