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13、冒険者の館に行きました

 あおいは朝起きると、棚にたまった錬金術で作った物達を眺めていた。

「これ、どこかに売れないかな? 市場で売る物でもないし……」

 あおいはちょっと考えて、思い当たった。

「そうだ! ロイドさんの言ってた冒険者の館に行ってみよう!」


 あおいは大きなバスケットに、素早さUPキャンディと防御力UPクッキーを入れた。

「よし。場所は確か、町の中心からちょっと外れたところだったよね」

 あおいは荷物を抱え、町に向かって家をでた。


「あ、あそこかな?」

 あおいは古びた大きな洋館を見つけた。看板には冒険者の館と書いてある。

「こんにちは、はじめまして」

「いらっしゃい! 冒険者の館にようこそ! なにか依頼かな?」

 冒険者の館の主人が現れた。30代くらいの男性で、髪はそり上げた坊主頭だった。


「こんにちは、川崎あおいといいます。一応、錬金術師です」

「僕はカイ。よろしくね。なんか聞いた名前だね」

「よろしくお願いします」

「はいはい。じゃあ、これ書いてね。冒険者登録の書類だよ」

「わかりました」


 あおいは渡された紙に名前と年齢、職種にはクレープ屋と錬金術師の両方を書いた。

「ああ、クレープ屋のあおいさんか! 有名だから分かるよ。食べ物しか錬成できないって話だよね」

「はい」

「それで、今日の用事は何?」

 カイは気さくに聞いてくる。

「これを買い取って頂けないかと思って」

「キャンディにクッキー? 市場に持って行った方が良いんじゃない?」

「いえ、これは素早さUPのキャンディに、防御力UPのクッキーなんです」

「あ、錬成した物だったんだ。そうか。売れるかな?」

 カイは少し悩んだ末、あおいに聞いた。


「試食してみて良い?」

「どうぞ」

「それじゃ、いただきます」

 カイはキャンディとクッキーをそれぞれ一つずつ食べて、うーんとうなった。

「美味しいね。なんか体が軽くなった気もする。防御力は……」

 そう言った後、カイは自分の体を軽く叩いた。

「おお、堅くなってるね。いいよ。これ買うよ」


「どれくらいの金額ですか?」

「うーん。ひとつ100シルバーでどう?」

「分かりました」

 あおいは持ってきた、キャンディとクッキーをすべて売ると、代金として2000シルバーを受け取った。

「また、面白い物出来たら持ってきてね」

「はい!」


 あおいは冒険者の館を出ると、町を見渡した。

「今日は臨時収入もあったし、飲み屋さんでも行ってみようかな?」

 すこし歩いてみると、ちょっと洒落たビストロがあった。

「よし、ここに入ってみよう」

 あおいはビストロのドアを開けた。


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