異世界①
転生モノの序盤という設定です。
作成時間はプロットと推敲合わせて30分でした。
あらすじ:
異世界転生したユウトは、街で少女が虐げられているのを目にする。激高したユウトはその貴族に立ち向かうが、魔法によって反撃された。死んだはずの彼のもとに声が届き、ユウトは『アンデット』としてよみがえり、少女を救ったのだった。
キャラクター:
ユウト
異世界転生をした青年。
初めて立ち寄った街で少女が迫害されているのを見て、激高する。
見て見ぬふりをされた死んだ自分と重なったからだった。
アスカ
奴隷少女。
貴族に買われて、性奴隷になるか実験素材になるかの二択だった。
元々は気立てのいい農村の娘。
■本文
//表情差分定義、メッセージボックス設定等省略
//スクリプト表記に関してはほぼ省略いたします
【ナレーション】
ユウトが街の大路へ足を踏み入れたその時、
少女の悲鳴を聞いた。
駆け付けたユウトの目に飛び込んできたのは、
貴族の息子が少女を虐げていている
惨い状況だった。
【貴族息子】
後はそのパンツ一枚だけだな、ハハハ!
ガキのくせに胸だけは膨らんでやがる、ハハハ!
【アスカ】
ん……うぐ……。
#
武器はチクショウ……竹ぼうきだけかよ。
ナイフとか、落ちてるわけねえよな。
ええい、どうにでもなれ!
【ユウト】
おい、お前ら、その子から手を放せ!
おらああああああああ!!
#
軽い箒を振り回し、
取り巻きの一人の頭を殴って倒した。
【民衆1】
こ、こいつ、タリストさんの息子に……。
【民衆2】
なんてことを……。
#
こいつら、貴族の息子だからって、
なにも声を上げなかったのか……。
#
そんな声を上げるならこの子を助けるために
声を上げろよ!
#
そういう権力の言いなりになる
奴らのせいで俺はな。
#
あっちの世界で死んだんだ……。
【貴族息子】
なんだてめえ。
【ユウト】
その子から離れろ!
【貴族息子】
うるせえよ。
あーあ、うるせえんだよぉ。
これでもくらいな。
【ユウト】
――ん、ぶぼッ。
【ユウト】
な、血?
#
なんでいきなり口から血が?
殴られてもねえし、どこも刺されてねえのに?
【ユウト】
がっ。
#
こ、呼吸が。
#
は?
【貴族息子】
たくッ、頭来て魔法使っちまったぜ。
こんな下級市民、魔法使わないでも済んだんだけどな。
さて、その女どうするか。
【貴族息子】
そうだ、おいそこのお前。
あの女の乳房、削いで来いよ。
【一般市民】
え。それは……。
【貴族息子】
やれよ。
#
なんて……ことを……。
なんてことを言うんだ。
#
人間ってそんなに残酷になれるのかよ……。
#
ああ、何もかもが嫌だ。
なにもかも。
#
……でもここで俺が死んだら、
あの子はどうなる。
【ユウト】
あ、ぐぁ……ぁ……。
【ユウト】
(誰か……誰か、助けてやってくれよ。
頼むよ、俺はいいから、あの子を)
【ユウト】
(なんで、その子に剣を向けるんだ?
向ける相手が違うだろ!)
【ユウト】
(くそぉぉぉおおおおおお――――!)
【ユウト】
う……ぁ………………。
【貴族息子】
ふん、死んだか。
おい早く、そのガキの乳房を切り取れ!
早くやれよ!
【ユウト】
(……………………)
【ユウト】
(俺が……)
【ユウト】
(俺が……助けてやる……)
【?】(ナビゲート:死女神)
おめでとうございます。
あなたは≪不死の兵士≫に進化しました。
アンデッドのスキルが使用可能になりました。
【アスカ】
い、いや……やめて……!
【貴族息子】
やめてだとッ!
下級が上級に命令していいと思ってんの?
ハハ、これは『罰』だな!
【アスカ】
……。
【ユウト】
罰を受けるのは、てめぇの方だよ。
【貴族息子】
え。
//演出:攻撃エフェクト
【貴族息子】
ぐはっ!
【ユウト】
よくも殺してくれたな。
【貴族息子】
な……なんで動けるんだ?
お前! なんで動いてる!!
まさか、アンデット……になったのか。
ありえない……。
【ユウト】
ありえてるだろ、目の前に。
【貴族息子】
く、くそ、これでどうだ!
魔法が利かない……。
【?】(ナビゲート:死女神)
パッシブスキル『魔法耐性1』――。
聖属性以外の低級魔法を受け付けません。
【貴族息子】
く、来るな――――!
#
俺は半分骨になったこぶしで、
その貴族みてぇな男を殴りつぶした。
(続く)