日常①
あらすじ:
恋人にさよならを告げられてしまった佐藤諭吉(16)は、
その寂しさと悔しさからふさぎ込んでしまう。
そこに姉の佐藤有咲(29)が同じような痛みを抱えて、
帰ってきたのだった。
キャラクター:
〇佐藤諭吉
外見:中肉中背、黒髪短髪で、目の下にクマ
内面:誰かが笑っている姿が好きなお人好しで、その分苦労が多い
立ち位置:弟
〇佐藤有咲
スリーサイズ:92/65/88
外見:背は平均より低く、ベージュに染めた髪を伸ばしている、タレ目
内面:誰にでも優しいけれど、その人を思って叱る強さも持っている
立ち位置:姉・人妻
■本文
//表情差分定義、メッセージボックス設定等省略
//スクリプト表記に関してはほぼ省略いたします
//ここから本文
//シーン1:別れ
//背景:公園(夕方)
#
唐突に切り出されたのは、
『もう別れよう』という短い言葉だった。
//地の文には#を付ける
【諭吉】
え?
【】
さようなら
//メッセージウィンドウを表示させたまま、表示名は空欄
//SE:駆け足で去る
【諭吉】
ちょ、ちょっと待って!
待って……!
#
振り返ることもしない彼女に、
俺は足を止めていた。
【諭吉】
なんでだよ。
なんで……。
//シーン2:数日間の引きこもりの後
//背景:家・諭吉の部屋
#
あれから、学校に行っていない。
行けるはずないだろ。
どんな顔をしてあの子に会えばいいんだ。
//SE:ドアを強めにノックする音
【母】
諭吉。
いつまでそうしてるの?
【諭吉】
……ごめん、母さん。
明日は学校に行くから。
#
そう言って、その日も次の日も学校に行かなかった。
//シーン3・お姉さんとの再会
#
あれから二週間は経ったか。
母さんも一週間前くらいから、
何も言ってこなくなった。
#
はは、見放されたかな。
//SE:優しいノックする音
【?】(佐藤有咲)
諭吉、起きてる?
【諭吉】
有咲……姉さん?
【有咲】
良かった。
ねえ、部屋に入ってもいい?
【諭吉】
いや、ちょっと待って。
【有咲】
待ちませーん。
//SE:ドアを開く音
【有咲】
久しぶり、諭吉。
もう、また部屋を散らかして。
【諭吉】
姉さん……帰ってきたのかよ。
【有咲】
うん、ちょっとね。
諭吉に癒してもらおうかなって思って。
#
癒してほしいのはこっちだっての……。
#
こうして、傷ついた姉さんと俺の
癒し癒されの日々がやってきたのだった――。