怠惰な僕
第二作品です!
良ければ読んでいってください!
僕の名前は佐藤雅也。
高校二年生17歳。
至って普通の高校生だ。
平和なこの日常に刺激を求めているのは俺だけだろうか?
例えば異世界召喚されたら面白いと思わないか?
そりゃ在り来りかもしれないけど、僕はそれでも考えてしまう。
そう、僕が他の人と違う所は妄想が激しいのだ。
妄想といったら変な方向に考える人が多いだろうけど僕は違う。
僕は妄想の中で異世界を作成して妄想の中で異世界を堪能することが出来ること。
これは僕の専売特許だ。
僕は妄想異世界を脳内でマップ作成し、セーブ、つまり“記憶”することも可能だ。
しかし、何個も世界を作成するとマップとマップ同士がぶつかり合い、合わさって世界観が一気に変わってしまう。
僕が妄想異世界に行くタイミングは学校の登下校や休み時間、昼休み。
家に帰ってからもたまに妄想する。
正直僕はこのままでいいのかとか思ってしまうが、そんなの知ったことか。
僕は妄想する。
僕が目を閉じ、開くとそこは草原のど真ん中でモンスターが周りに散らばっている。
僕の姿は現実とは裏腹に目はぱっちり開いていて、身長もそこそこ伸びていた。
服は袖が少し年期の入った感じに少しボロっとしていた。
恐らく村人の服であろう。
腰あたりには掌サイズの布製の袋があった。
この袋は特殊でゲームで言うところのアイテム欄みたいな感じで制限が無く小さくしぼみながら袋に入っていく。
しかし自分が持てないほどの重いものは入らないらしい。
状況把握できた頃に呼ばれた僕の名前は既に聞き慣れていた。
「マーサー!そろそろ仕事に戻るよ!」
“マーサー”この名前はゲームやネットなどでよく使う名前だ。
他にもマーサ、サッチ、マーヤなど色んな組み合わせの名前を使っている。
呼ばれた方向に向けて俺は言葉を放つ。
「わかったー!」
俺の視線の先には目がぱっちり開いていて、また優しげな目。
きらびやかな黒髪に肩甲骨くらいの長さの髪をたなびかせて手を振っている女の子の名前は“ササ”、あの反応だと恐らく幼馴染だろう。
ちなみにさっきから名前が分かったりこの世界の構成が分かるのは俺が妄想で全て“作っているからだ”
僕は人の名前などは分かるがストーリーは次々に構成されていく。
さらに他の人の行動なども俺が全て決めている訳では無い。
ただし性格や容姿などは僕が考えていた。
僕はササに向かって走っていく。
さらに付け加えると、僕は他の人に置き換わって存在していると仮説を立てている。
けど僕は自分が楽しければいい。
僕はササの所まで行くと畑に連れてこさされた。
「さぁ、耕してよ?今日こそはちゃんと仕事してもらうんだからね!」
仕事をしろというササに僕は気だるげに反応する。
「面倒なこと思いださせるなよ」
「こうでもしないと仕事しないでしょ?」
自慢げに前のめりになって僕の顔を覗き込みながらササが言った。
僕は「はいはい」と言わんばかりに頭をかいて、クワを持って畑を耕し出した。
するとササが言う。
「なんか今日のマーサー素直ね?どうしたの?何かあった?変なものでも食べたの?どうせあれでしょ?また寝ながら食べてたんでしょ。ダメだよそんなの!早死しちゃうんだからね!」
段々と明かされる僕の存在はササにとってかけがえのない存在だったのだと自覚した。
一呼吸置いて俺は答える。
「僕はお前の母親か!」
そんな何気ない一言でササは暗くなった。
雲が太陽を覆い、一時的に暗くなる。
太陽が見え隠れする中ササは少し暗めのトーンで話し始めた。
「災難だったね、一年前は...」
「一年前?」
僕は勢いで聞き直した。
「あなた冗談でしょ?あなたの両親が....“死んだ年”でしょ?」
「な、んで?」
言葉に少し詰まりつつも僕は答えを求める。
「魔族がこの村に攻めてきた時の事よ...あれは空からの爆撃でみんな目が覚めたの...」
時は一年前へ遡り...
たった一体の魔族の手により村の家々は崩壊していた。
少年マーサーの両親は瓦礫の下敷きになっていた。
ササは放心状態でつったている。
他の村の人も同様、魔族に目を向ける。
魔族故に人は存在するのか人故に魔族が存在したのか、村の人は絶叫する。
しかし魔族は空を飛び、手のひらを村に向ける。
手のひらから魔法陣が現れやがて魔法陣から魔法が放たれる。
その魔法が地に着いた突如爆発し、村の人のほとんどが真っ黒に焦げたり、手足が無くなったり、人が死んだ。
少年マーサーは両親を失ったのだ。
後、魔族は彼方に飛び去っていった。
時は戻り、現在へ
「はは...なんかしんみりしちゃったね...。さっ!仕事仕事ー!」
笑いで誤魔化そうとするササは誤魔化し切れず気持ちを入れ替えて誤魔化していた。
僕も気持ちを切り替えて仕事をした。
そして仕事を終えた時にはもう日没だった。
ササに名前を呼ばれ俺はおもむろに立ち上がって、歩いていく。
日が完全に沈んだ頃、目の前に置かれた料理は湯気を溢れさせていた。
油が照明で光り、料理がさらに美味しそうに見える。
木を削って作ったフォークにスプーンが手元に置かれている。
「今日の晩餐は、ビシステーキに、タスラとトサトのサラダだよ!」
元気よく横で丁寧にササが教えてくれた。
ビシステーキは現実で言うところのビシは恐らく牛。
タスラとトサトは色合いで何となくレタスとトマトということがわかった。
「じゃ、じゃあいただきます」
そう口にして手を合わせると横でササが口を挟む。
「ん?何それ」
「これは今日もあなたを食べて生きれます。ありがとうございます。っていう感謝の気持ちを表すための挨拶だよ」
「へー、私もしてみようかな!」
たしかにこちらの世界では手を合わせる習慣がなさそうだもんな。
ササは自分の分のご飯を持ってきて僕の向かいに座る。
僕がフォークを使って食べるところを見られているのが分かるぐらい凝視されている。
視線に耐えられずササを見る。
ササは頬ずえをついていて、色気が滲み出ている気がした。
はっ!として口に出す。
「なんでそんなに見るんだよ、気がちるんだけど?」
「ぁ、ごめんごめん!」
そう言ってササはそそくさと食べ始めた。
僕も食事を再開した。
食べ終えるとお風呂に入る。
現代にはもうほとんどないだろう焚き火でお湯を沸かすやり方のお風呂だった。
俺はパパっと済ませて藁と布で作られたベッドに寝転がった。
既に静かになった家に独り言が響く。
「ふぅー、マーサーってあんな性格だったっけ?午後から人が変わったみたい...」
湯船に浸かりながら独り言を喋っているのはササだった。
濡れた髪が肌に張り付いて、胸の大きさが良くわかる。
まもなくして湯船を出てタオルをとり、全身を拭く。
髪は下級魔法道具の風魔法を中心にした魔道具で髪を乾かして、寝床についた。
こうして今日は終わったのだった。
目を開けるとそこは家の天井が見えた。
自分の部屋の天井だ。
すかさず時計を見ると、
「遅刻だ...」
思わず呟いてしまった。
初めて遅刻した割には落ち着いていてどこか楽しみげだった。
早急に制服に着替え、玄関のドアを開けて、外に出る。
外には鳥のさえずりが空で鳴っている。
僕は上を向いて歩き、空気を、風を感じていた。
学校に着き下駄箱に靴を入れる。
その直後に授業終了のチャイムがなる。
自分の教室に向かって進むとその進む先に人が廊下に出てたりする。
廊下の片側は窓がありもう片側には教室へのドアがある。
まもなくして自分の教室に入ると、生徒達がそれぞれの行動を取っている。
友達と話す人、次の授業の予習をする人、本を読む人、机に伏せて寝ている人それぞれだ。
僕の席は教卓から見て一番後ろの右から2番目の席だ。
割と平凡な席だと思ったりもする。
どちらにしろ自分にとってはいい席だ。
それは妄想世界、即ち異世界の“ネタ”になるのだ。
と、言っても人物のみであって他には特にない。
僕は自分の席に座ってボー...ッとする。
前には異世界の人、言わば元ネタの人が友達と喋っている。
彼女の名前は笹田真矢、僕の妄想の異世界での幼馴染だ。
しかし実際にはあまり話したことがなく、参考にしたのは大体外見だけだ。
僕は寝ると異世界に行ってしまうので自然と寝る直前まで見ていたものが、異世界に反映される事が多々あるのだ。
と言っても不自然に追加はされない。
異世界で生活するのはとても楽しい...
そのお陰でいつも寝不足だ。
しかし嫌な気はしない。
だから僕は眠る。
そう決断した突如、授業開始のチャイムが鳴った。
慌てて世界史の教科書にノートを取り出す。
ノートを取りつつ世界史担当の教師がチョークを持ち、黒板にカッカッカッ...っと字を書く音と説明の声が教室に響く。
時が過ぎて、チャイムが鳴った。
それが繰り返されあっという間に昼休みになっていた。
早くにあらかじめ買っておいたパンをたいらげ、机に額をぶつける。
段々意識が遠のいて目を開けるとそこはベッドの上だった。
こうしてまた僕は異世界にきた。