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第三部☆第六章

   第三部☆水星のキオ

      第六章☆地下組織

水星は、太陽に最も近い惑星だ。昼間の部分は灼熱の世界で人は住めない。夜の部分に辛うじて人の生存できる街が出来ていた。

マリラの母親はマリラが幼い頃亡くなった。水星の表面のドームシティを拡張する仕事をしている最中に、予測不能の太陽のフレアの影響で他の作業員たちと一瞬で蒸発してしまったのだ。

マリラの父親はテラフォーミング化のための植物の開発を仕事にしていて、水星に永住する予定でいるが、妻を亡くした衝撃で人が変わったようになってしまった。かたくなに心を閉ざし、滅多に笑わなくなった。

その彼が、娘が帰ってきて本心から喜んでいることを、酒を酌み交わしながらキオは理解していた。

キオはマリラを雇う時、どこまで立ち入っていいか正直戸惑ったのだが、今ではマリラの面倒をみるのは自分しかいないと思うくらいになっていた。

マリラは知ってか知らずかキオを「船長」と呼んで従っている。

「木星に着いたら、大事な話がある」

とキオはマリラに言った。マリラはただ黙ってうなずいた。


ミリーたちは水星の地下組織と渡りをつけた。金星にいるメイが手配してくれたのですんなりと重要人物に近づくことができた。

「あなた達が革命の火蓋を切ってから、本当の争いが今、火星と金星の間で起こっている。あなた達は金星の住民達の希望のシンボルな訳だが、それと同時に火星の王朝と金星政府からは政治的犯罪者扱いだ」

「ええ。それでも革命を起こさずにはいられなかった」

ミリーがそう言うと、ロバートというその革命家は何度もうなずいてミリーとリラシナと固い握手をした。

「お会いできて光栄だ」

「こちらこそ」

「私の戦友のメイという少女が、水星にいる革命家が重要な情報を持っているから会って話して欲しいと言っていたの」

ミリーはロバートをまっすぐみつめて言った。

「確かに。・・・単刀直入に言おう。太陽系の権力構図は、ある人物が決定権を持っている。その人物の思惑に外れた権力を持つものは排除される」

「ある人物とは?」

「ラッカーという通り名で、現在木星にいるとしか我々にもわからない。しかし、探し出して接触して万にひとつの可能性だが事態を好転させることができるかもしれない」

「行くしかないのね、木星に」

「「木星に」」

ミリーとリラシナは歌うように唱えた。

「正確にいえば、木星の衛星かコロニーだ」

木星本体は巨大なガスの塊だ。太陽系ができる時に、二重連星といって、恒星が二つお互いのまわりを回る天体になるはずだったのが、片方は光輝く太陽に、そしてもう片方は冷えて木星になったと言われている。人間が生存できるのは衛星のドームシティか木星近くに浮かんでいるコロニー位だった。

「木星への足はあるのか?」

「ここまで乗ってきた惑星間貨物船がスタンバっている」

「そうか。じゃあ大丈夫だな」

ロバートは微笑んだ。


「時間ぴったりだな」

レトロな懐中時計を見て、懐になおすと、キオはミリーたちを出迎えるようにマリラに言った。

マリラはてきぱきと乗船の手伝いと出航までの業務をこなしていった。

「やっぱり、マリラを選んで良かったな」

とキオはひとりごちた。


   第三部☆完


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